そして日は昇る―― 投稿者:マイナリス=グリム(みゅーく) 投稿日:2000/09/17(Sun) 03:18

――日はもう昇っとる。せいぜい五分が限度やな。
山陰に隠れつつある月に、ガルは再び変身しようと――
「おっと、変な動きはするなよ?」
尻尾で締め付けたラスファーを盾にする様に構える陣武。
と、無造作に近寄ったマイナがラスファーの足元で口を開いた。
「ねぇねぇ、苦しそうだね〜?」
注意が一瞬、そちらに向く。
同時に、ガルは、二人を死角にして、間合いを詰めていた。
「むぉ!?」
陣武がガルの姿を再度捕捉した時には、すでにガルは尻尾を切り落とした後だった。
「――ま、結果オーライやな。変身せんでもなんとかなった。」
「げほ、ごほごほ……」
「だいじょぉぶ?」
「ええ、なんと、か、こほ……」
陣武が、一足飛びに後ろに下がり、距離をとる。
「……盗賊風情が、生意気に我が尾を落とすか……だが――」

めきりっ

嫌な音がして、陣武の尻尾が再生する。
「お〜」
「……違うやろ」
思わず拍手するマイナに、突っ込むガル。
のんきな雰囲気についていけないラスファーは、不安になるばかりである。
「ふっ、思い知ったか。恐怖するがいい――
我が尾は、何度でも、何度でも、何度でも復活するっ!
貴様らは所詮、俺の手によって闇に沈むしかないのだっ!!」
「何度でもっ?!」
マイナの目が輝く。
「あ、ああ……」
予想外の反応に、戸惑う陣武。
「……あのー、こんな事で大丈夫なんでしょうか?」
「まぁ、なんとかなるんとちゃう?」
ラスファーの疑問に、曖昧に答えてショートソードをしまうガル。
「いくよぉ〜?
『エキスパンドっ、エアカッター、ラン』♪」
「ふっ、このぐらい、食らうかっ」
尻尾どころか、一つも当たらない。
「あう〜、尻尾切らせてよぉ〜……」
「誰がわざわざ切らせるかぁっ!」
「切らせても、復活するんやろ?」
「いや、それはそうだが――」
「だったら、もう1回くらい、切らせてもええやんか。」
ガルのツッコミに、言葉を詰まらせる陣武。
漫才のような会話に、ラスファーはふと、考え込んだ。
――初級魔法なら、簡単に避けられてしまう――それなら――
「むぅ〜……もっかい、
『エキスパンドっ、エアカッター、ラン』♪」
「『エキスパンド、エアカッター、ラン』!」
マイナの言葉に、ラスファーの言葉が重なった。
「なっ?!」
「おー、考えたもんやなぁ。これなら避けにくいわ。」
空気を切り裂く複数の真空波が、二つ発動した事で数を増す。
幾つかの真空の刃が、尻尾を盾にした陣武に直撃する。
――切り落とされたのは、尾だけではなかった。
「……手は、再生しぃへんのんか?」
ガルがからかうように、言う。
「闇がなんだと言うんだっ!
――もう、日は昇っているっ!!」
『お〜』
ラスファーの言葉に、マイナとガルの拍手が重なる。
「あ、いや、えっと、ありがとうございます」
照れながらも、頭を下げるラスファー。
「ばかめっ、一生やってろ……」
場のおかしな雰囲気に紛れ、陣武は足を引きずりながら、逃げ出した。

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さて、手負いの陣武はほっといて、シリンさんを助けないと、ですね。

引き分け 投稿者:アレイク 投稿日:2000/09/17(Sun) 15:20

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ‥‥‥
闘い続けるアレイクとムサシ。だが決着はなかなか着かないまま、二人とも疲労ばかり蓄積させいてた。
「てめぇも龍尾の連中と一緒だ」
「ふざけるな!あのような下衆どもと一緒にするな」
「ハッカー狩りだかなんだか知らねぇが、やってる事ぁ奴らと一緒じゃねぇか!」
「言うな!」
「ミイラ取りがミイラになるってやつだ。あんたも正義を気取ってるつもり見てぇだがあんたの顔、デリートする事を楽しんでるようにしか見えなかったぜ」
「では誰が奴らを止められると言うのだ。カロンなぞあてにはならんぞ。私がやらずに誰がやる!」
「殺戮遊戯を正当化するには、もってこいの理屈だなぁ」
「なんとでも言え。だがデリートしない限り奴らは何回でも復活する。いつまでたってもハッカーを根絶やしにはできないんだ」
言いながらアレイクは銃をかざすと同時にトリガーを引き絞った。
パァー――ン
「グォッ!」
その叫びはしかし、ムサシのものではなかった。
弾はムサシの頬をかすめ、その後方へと飛んで行った。
ムサシの背後で一人の人民服姿の男が血を噴出しながら倒れてゆく。
「背後の殺気にも気づかないとは、疲れているようだな」
「う‥‥」
「ここでお互い体力を削り合っていても、龍尾の連中が喜ぶばかりだ」
「フン、それもシャクに触るな。一時休戦と言う訳か」
「だがいずれは決着を着けてやるぞ。ムサシ」
「ああ、望むところさ」
ムサシは刀を鞘に収め、アレイクは銃を懐に収めた。
「一応礼は言っておく。だが借りとは思ってないからな」
背後に転がる人民服姿の男の死体を振り返りながらムサシが言った。
「ああ」
そして二人は誰もいない、血生臭い匂いだけが充満するこの部屋を出て行った。
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とりあえず埒が明かないので決着つかずに休戦。
う〜ん、ギャグがないっ!(笑)
黒ちゃん仕事に行ってしまいました。

死にかけシリン――と、カロン出動 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2000/09/18(Mon) 00:49

 ほんの僅かな人数の侵入者に翻弄される龍尾の面々。末端構成員に当たる、弱い人民服達の中にはパニックを起こして逃げまどう者もいた。
 そんな連中が廊下を走り回る中、戦闘不能状態のシリンは気付かれもせず、力無く床に転がっていた。もはや、誰も冒険者コードの発する警告音に耳を傾ける者はいない。
 放っておけば自然治癒するとは言え、現状におけるシリンの命はもはや風前の灯火とも言えた。

 そのころ、C-アトランティスのカロン管理局では、シリンが起こした大爆発を察知し、それを緊急事態と判断した。そしてアクシス・ムンディが下した判断は、アトランティスのカロン達を即刻現場に向かわせ、調査及び地形データの修復を行う、というものであった。

http://homepage1.nifty.com/matsubay/


暴走二人組+α 投稿者:ステファン=ノティス【凰☆殷雷華】 投稿日:2000/09/18(Mon) 04:32

皆がそれぞれあちこちで戦闘をしている頃、ムサシに取り残されたアピア、クトファー、ステフ、ジンクの3人と1匹は―――迷子になっていた。
「――確実に迷ってるよな、おれ達……認めたくないけど…」
「みたいだね。どうしようか、この先?」
「しかし……後ろ、どうにかなんないのか?緊張感の欠片もないんだけど」
そう言って肩越しに親指で指差しながら、うんざりした顔に冷や汗をたらしつつジンクに訊くステフ。訊かれたジンクも、どうしていいかわからず、器用に肩をすくめる。その後ろでは―――歩きながらお互いを罵り合うクトファーとアピアがいた。


『――くっ。初心者にガキと、甘く見すぎていたか……一度戻って回復でも………』
思いのほか重傷を負ってしまった蜥蜴男・陣武は、ぽたぽたと血を滴らせつつ、回復魔法の使える仲間の居場所へと向かう。
(エアカッターは初級魔法だが、二人同時に使用すれば刃の数が多いため、避けることは難しい。まさか始めたばかりのガキどもが知っていようとは……)
片方が経験値まっさらな初心者であったこと。両方子供だったこと。あの自分を馬鹿にしたような雰囲気…そして何より、それらに対して背を向けて逃げなければならないことが、彼の怒りを増長する。
『あのガキども……傷を治して来たらくびり殺してくれる!』
復讐を誓いながら重い身体を引きずって進む。

その頃ステフ達は――――――未だに迷っていた。一向に喧嘩をやめない二人組を引き連れ、一回の廊下を上に上がる階段を探してさまよっていた。
「なぁ、じんくぅ。少なくともアレ、黙らせないと敵に見つかるんじゃないか?」
「まぁ、そうだけど……どうにもならないしねぇ?」
何度目かの同じ言葉に、いいかげん疲れさえ見え始めてきた二人が、進行方向に気配を感じて立ち止まる。
「何かいる。敵、だよね」
「ああ、わかってる。でも、この気配――ずいぶん弱々しくないか?」
神経を研ぎ澄まし臨戦体勢に入って、姿勢を低くするジンク。同じくステフが険しい顔で買ったばかりのショートソードに手をかけた時、すごい勢いで何かが横を通り過ぎる。
「ステフは俺のものだっ!」
「なによ、ロリコンっ!ステフをモノ扱いしないでよねっ!!」
「うっせぇっ!レズのロリコンに言われる筋合いはねぇぞ!?」
喧嘩に夢中で、ここが敵陣の真っ只中であることさえ忘れた暴走二人組の行く手には、ゆっくり角を曲がって来る人影。
「ちょっ?!二人ともストップ!」
『な”っ?!』
  どかっ!…ひゅるるるる……べちっ!
情けない音を立てて、弾き飛ばされた人影が落下する。ついでになんだか、声にならない悲鳴が聞こえた気がしたが、衝突したことにも気づかずに走りつづける二人。その遥か後ろでやる気なさげに杖を構えるステフ。
「エキスパンド…ストップ・クトファー、ラン」
「うわっ?!」
「え?!」
これまたやる気なさそうにステフが唱えた魔法で、クトファーが停止し、それに合わせてアピアもブレーキをかける。
「いいかげんにしろよ。なんか弾き飛ばしたことくらい気づけって」
そういいながらその弾き飛ばされてのびている者に近づいていくステフ。ストップの解けたクトファーとその横のアピアも戻ってくる。近づくにつれ、戦闘不能の警告音が聞こえてくる。
「何だ、こいつ?リザードマンか?なんか違うけど」
クトファーの呟きを訊きながら、ステフは杖の先でつんつんと相手をつついている。反応は返ってくる筈もなかったが。
「どー見ても敵、よね?」
「とりあえず縛っとこうか?」
結局、手持ちのロープを取り出し、近くの部屋に縛って転がし、出入り口を棚などでふさぐ。
「あいつ……あっちから来たよな?」
点々と血が続いているほうを指差し、残りのメンバーの顔を見る。
「……行ってみましょう。もしかしたら誰か――仲間がいるかもしれませんし」
全員がこくりと頷いた時、またもや廊下の向こうに気配が現れる。今度は複数だ。各々が武器を構え、3人と1匹に今度こそ緊張が走る。
「あいつどこまで行ったんやろなー?」
「あぅ!とかげのおいちゃん、どこぉー?」
聞こえてきたのはのんびりとした聞きなれた声だった。
「ガル?!それにマイナも!それと……それ、誰?」
少しの安心の中に肩透かしを食らった感覚にステフがへたり込んだ。

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合流ー。微妙に文章が変だ。
ボケがあんまし生きてないぞ、今日の文章は。
とりあえずこれからシリン救出へ、レッツゴー!

しかし完全にはぐれ兵隊 投稿者:中島上等兵 投稿日:2000/09/18(Mon) 08:45

 中島上等兵は設置した92式重機関銃の筒先を階段方向に向
けると数発だけ、撃ってみた。機関銃の銃撃音にあわてて人民
服姿の敵が出てくるのが目視できる。
 瞬間、重厚な重機関銃独自の銃撃音が轟渡る。
「アイヤ〜」
 次の瞬間には重機関銃に撃ちぬかれた敵の死体が上から転が
り落ちてくる。
 一通り重機関銃でなぎ倒した後、89式重擲弾筒が階段裏に
隠れている敵も殲滅する。
 時折、投降するつもりなのか、武器ももたないで出てくる敵
がいる。しかし、捕虜をとっている余裕はない、それらはルフ
ィーが射殺す。
「セピア殿、突撃命令願います」
「いいわ。いってちょうだい」
 この短いやりとりに中島上等兵がどれほど狂喜したことか。
「突撃!」
 中島上等兵の38式歩兵銃の筒先に妖しくきらめく30年式
銃剣。階段を駆け上がる中島上等兵。あわてて武器も投げ出し
て背中を見せて逃げ出す人民服。
 それらを確実に捉えるルフィーの矢と中島上等兵の狙撃。
 フロアを制圧。再び階段を駆け上がって上の階の制圧も狙う。
 手榴弾乱れ飛び、いつの間にか取り出した96式軽機関銃を
腰で構えて動くものは皆粉砕。敵が逃げ込んだ部屋は蹴破って
手榴弾を投げ込む。片腕のない敵などがあわてて出てくるが、
それは矢と銃弾の的になるだけである。敵は廊下や階段にはほと
んどおらず、各部屋に身を潜めたようである。
 時折、扉が開いて、2〜3発撃ってきて、また扉を閉じる部屋
もあり、そんなものでやられる4人ではないから、うっとうしい
ことおびただしい。
「面倒くさいな。ロッキー、これで敵を殲滅しろよ」
 中島上等兵は百式火炎放射器を取り出すと、ロッキーに持た
せた。ロッキーはそれを引ったくるように受け取った。

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火事でも出すかも。

黄お爺さんの、功夫ぅ! 投稿者:黄鷲全 投稿日:2000/09/18(Mon) 21:25

「ところで爺。船はどうなった」
太陽のさんさんと照りつける中で、ヘルは陰気につぶやいた。
船は見たところ依然と変わりないように見えるが、南国の太陽を浴びて妙に光っている。
砂浜に乗り上げた船の作る影に、無愛想な番犬・ケルベロスが寝っ転がって人間どもの様子を眺めていた。
「おおう!ただ船を直すのも芸がないのでな、ちょうど余っていた神珍鉄を船の補強に使ってみたのじゃ。ついでに、これまた余っていた神氷鉄も使って・・・かっかっか、後は見てのお楽しみじゃ」
ヘルは肩をすくめて、海の彼方を眺めた。
「ふん。まぁクワトロアンカーまで持てば良いがな。ふん」
クワトロアンカーがある方向には、巨大な岩山が進路をふさぎ込み、直進できないようになっている。
岩山の作り出す影が、なにか不吉な物のように黒々と立ちふさがっていた。
「それはまかせんかい!さぁさぁ、直射日光はシミの原因になるのでな!行こうかのぉ、ネクラマンサーとポチ!」
「ネクラマンサー・・・・?」
「ポチぃ?」
「かっかっか!さーて、船出じゃ船出。かっかっか!」
呵々大笑する黄を尻目に、思わず二人は声を合わせてつぶやき
「「ボケ爺が・・・」」
顔を見合わせてお互いににらみ合った。
黄はそんな二人の様子にも気づかずに、槍を倉庫にしまい、弓を背負うと、自慢の船の舳先にとりついた。
「ふーん!・・・・くの!・・・・この!・・・・ぜーぜー」
黄は顔を真っ赤にして船を押したが、自慢の船はぴくりとも動かなかった。
「爺、船が動く前にぽっくり逝くなよ」
ヘルが陰気につぶやくと
「爺、俺が働くような事態を作るなよ、せいぜいな。はっ」
ケルベロスが寝そべって見物したまま、口の端をゆがめた。
「・・・まったく、敬老の精神がないのぉ、今の若者は・・・えーい!めんどくさい!」
黄は一人と一匹の様子に落胆すると、重い鎧をどさりと砂浜に投げ出した。
そして船から一歩飛び離れると
「ワシの功夫(コンフー)を見せてくれるっ!」
と叫び、左腕を前に垂らし、右腕は腰溜にして身を屈めるという特異な構えを取った。
「はぁっ!」
左足のバネを使い、驚くほどの早さで踏み出すと、砂が爆発したように吹きあがった。
どごんっ!
少し離れた船に右の拳がぶち当たる。
3,4mはある船は、衝撃で一瞬宙に浮くと、5mほど離れた水面に派手な水しぶきをあげて雪崩落ちた。
「どうじゃ、ワシの船の頑丈さがこれで証明されたの。さ、ネクラとポチよ。竜退治にでも行こうかのぉ?」
***************************************
ってことで、ここらで黄さんのすごさを誇示(笑)
しっかし、ブラックとヘルって書き分けが難しいぞ(^^;

陳武、復活? 投稿者:クリス・コファー 投稿日:2000/09/19(Tue) 00:12

「どー見ても敵、よね?」
「とりあえず縛っとこうか?」
訳のわからぬまま、気絶してしまった陳武は、そのまま情け容赦ない冒険者たちによって縛り上げられてしまった。
(くっそ!俺としたことが。不覚ぅぅ!絶対、ぜーたい!侵入者どもを皆殺しにしてくれるぅ!)
とぎれそうな意識の底で、陳武はわめき散らしていた。
陳武が縄で縛られたまま、一人、部屋の中で悶えていると、陳武の影から何かの気配がゆっくり現れた。
影は立体化していくと、部屋の中央に自分で移動し、しだいに凹凸がはっきりしていく。
やがてそれは黒装束を着た、鋭い目の男になった。
アレイクやフェイに共通するような、冷たい殺人者の瞳。
全身を覆う黒装束も目立つが、その瞳が闇に輝くように存在感を発している。
「ふん。陳武殿よ。ずいぶん苦労しているようだな」
男は縛られて動けない陳武に吐き捨てるように言うと、あからさまに蔑んだ目つきのまま陳武の目を正面からのぞき込んだ。
「この照影様が助けてやろう。陳武殿。はっはっはっはっ!」
そしてそのまま陳武の肩を掴むと、陳武と一緒にゆっくりと影の中に入り込んで行った。
部屋の中には、ただ、遠くから聞こえてくる銃撃音や雄叫びだけが虚しく響き渡っていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さぁ、早くフェイちゃんのところに案内しなさい!」
まだクリスはフェイと会っていなかったらしい。
頭にきたクリスは、張飛の襟首を掴むと、入ってきたドアとは違うドアへと歩いた。
「ちょ、ちょっとお待ち下さい、クリス様〜」
張飛の情けない制止の叫びが虚しく響く。
ばたんっ!
クリスが怒りにまかせてドアを蹴り破ると、部屋はこの龍尾別荘の司令室のようなものらしく、監視カメラの映像と思われるモニターと、数人の人民服たちが忙しく働いていた。
荒々しいクリスの登場に、それら数人の人民服が驚いて振り返る中、部屋の中央の人物はゆっくりと、振り向いた。
「・・・あなたがフェイちゃん?」
「おやおやお嬢さん。なかなか勇ましい登場ですねぇ」
フェイはそういうと、優雅に会釈をした。
「ようこそ、龍尾へ。クリスさん」
フェイはそういうと、誰もいないところを振り返った。
「クリスさん。そしてこちらがお仲間の照影さんです」
先ほどまで確かに誰もいなかったはずの場所、部屋の影が特に濃いところに、片手に陳武をぶら下げた照影が立っていた。
*****************************************
ってことで、照影さんは登場人物ということで(^^;
出来れば、陳武をなさけなーい台詞の一つでも言わせて、クリスに消させて欲しいなぁ

シリン発見 投稿者:ガル(風屋) 投稿日:2000/09/19(Tue) 02:15

傷を負った陣武を追って廊下を曲がると、そこには蜥蜴の変わりに見慣れた顔ぶれがいた。
「おう、ステフやないか。それにクトファーにアピアも」
「あ〜っ♪」
ジンクを見つけたマイナは、すぐさま側に駆け寄り背中へとよじ登り始める。
「お…そうやそうや。なあ、蜥蜴男見んかったか?」
「さきっきの手負いの奴のことかしら?」
アピアが廊下を振り返りながら呟く。
「どうやらそうらしいな」
「それなら縛って捨ててきたぞ」
立ち上がったステフが事も無げに言う。
「なんや、倒してしもたんか〜……まあ、ええわ。手間減ったし」
「あれ、ガルがやったのか?」
「んにゃ」
ガルは先程から後ろで畏まるラスファーに振り返る。自然と全員の視線がラスファーに集まった。
「こいつとマイナがいてもーた(倒した)」
「その子は?」
ラスファーは、アピアに見つめられ居心地が悪そうに視線を下げる。
「こいつラスファー言うねんげどな。シリンと一緒で龍尾に捕まっとったんや」
「それで肝心のお嬢ちゃんは?」
辺りに同じく捕まっているはずのシリンの姿が見えないことにクトファーは首を傾げた。
「それが…な。まだ見つけてへんねん」
「先発した意味が無いわね」
「面目ない…」
「じぁあ、早く探しに行こう。もうムサシやセピア達も行動を起こしているし」
ステフの言う通り、先程から時折爆音と振動が別荘を震わせていた。
「ラスファーどっかに心当たり無いかー?」
「ええっと……」
ずっとダクトを伝って逃げていたせいで、シリンとはぐれた位置すらまともに判らない…。それを聞いた五人は、とにかくそのダクトに入った部屋を中心に捜索することに決めた。
その間、なおも別荘は中島達の襲撃に騒がしく体を振るわせる。その為か、中の警備は手薄になり捜索は思った以上に楽なものになったが、肝心のシリンはなかなか見つけることが出来なかった。
「ダメ。こっちは居なかったは」
「こっちもだ」
手分けして探しているのだが一向に見つかる気配はない。
「ラスファー、ほんまにこっちに向かってダクトの中を進んだんやな?」
「たぶん…こっちだと思います…」
「しゃあない…もうちょっと奥の方を……」
「いた!」
そう言って、通路の奥に進みかけたガルをステフの大声が止めた。
全員が慌ててステフの探していた部屋の並びに向かう。
「戦闘不能に陥ってるのか」
警告音を聞いたクトファーは、煤に汚れ倒れているシリンと周りの状況を見て、爆発に巻き込まれて戦闘不能に陥ったのだと判断する。
ただ、その原因がシリンにあった事までは想像できなかった。
「はやいとこ回復してやらないとな」
「応急手当(軽く回復)だけして、場所を移さない?ここに長いしていたらとばっちりにあうかもしれないし」
アピアの言うそばから近くの壁が吹き飛んだ。

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すいません。意識もうろうとする中で書いたのでミスがあるかもしれません。
ご指摘お願いします。(_ _)...zzzZZZ

爺さん、また・・・? 投稿者:ヘル(JOHAN) 投稿日:2000/09/21(Thu) 01:35

 黄の一撃で海へと打ち出された船は、そのまま岩礁に直撃してひっくり返り、挙句の果てにブクブクと沈んでしまった。
「じ・・・爺・・・。」
 ヘルが絶句する。
「ほっほっほ、力が入りすぎてしまったかのお。」
 確かに、黄の一撃は凄まじかった。何の補助魔法もかかっていない状態であれは異常と言える強さだろう。だが、いかんせんその一撃はあの船には重すぎた。なまじ硬い超合金でできているために船は壊れず、そしてひっくり返った船は重いために沈む。
「まあ、爺らしい。さて、俺にはテレポートという奥の手があるが、貴様らはどうする気だ?」
「実はこの島は、単なる孤島ではない。」
「何?」
 二人が振り返るのを待って、ブラックが語り始める。
「実は隣の大きな島に続く地下洞があるのだ。クリ−チャ−だらけでなかなか手応えのあるダンジョンだったはずだが、そっちを行くと言うのはどうだ?」
 黄とヘルは顔を見合わせた。
(なるほど、面白い)
(ほお、これはワシの力を披露するチャンスかもしれん)
「その気になったようだな。」
 ブラックは立ち上がると、森のほうへ向かっていった。

ワシの船がぁ〜(T_T) 投稿者:黄 鷲全 投稿日:2000/09/21(Thu) 23:50

とはいったものの、あっけなく沈んでいった船には、未練が残る。
「苦労したのに・・・色々新兵器もつけたのに・・・残念じゃのぉ・・・」
爺は、すでに沈んだ船を見送りながら、一人ごちた(笑)

ダンジョン、突入 投稿者:ヘル(JOHAN) 投稿日:2000/09/22(Fri) 21:03

「どうやらこれがそうらしいな。」
 岩山の麓にぽっかり開いた洞窟を見下ろして、二人と一匹はたたずんでいた。斜めに空いた入り口に風が流れ込み、何かの雄叫びのような不気味が周囲に響いている。
「全長数キロのダンジョンだ。もちろん道はまっすぐではない。複雑に入り組み、言った通り、クリ−チャ−も住んでいる。」
「そうこなくては。のうヘルよ。」
「フン、まあぐだぐだ言っていても仕方あるまい。行くぞ。」
 
 洞窟内部。長い長い下り坂の後、やっと開けた場所に出る。そこかしこにたいまつが掛けられ、薄暗いながらも荘厳な雰囲気のある大規模ダンジョンになっているらしい。
「ほっほっほ、久しぶりにわくわくしてきよったわ。」
「フン、素人じみたことを抜かすな爺。」
 かく言うヘルも、先ほどから心臓が高鳴りっぱなしである。
「グウオオオオオ!!」
 言っているうちに、暗い影の向こうから真っ赤な巨人族がが走ってくる。
「フン、エキスパンド・パラライズ・ラン。」
 途端に巨人の動きが鈍り、すかさず黄が間合いを詰める。
「はあ!」
 数メーターはある巨人の身体を二歩で駆け上がると、黄は巨人の顎を思いきり蹴り上げる。巨体が一瞬宙に浮き、崩れ落ちる。
「さあて、まだまだ行けるぞい。」
「まったく、その馬力には感心する。」
(それに加減と言うものがつけられるようになれば、もう少し使える奴になるんだがな・・・。)
 二人の戦況を見守っていたブラックも立ちあがる。
「出番なし、か。せいぜいバテないようにな。」
「フン、言われるまでもない。」
「ワシに任せておけい。」
 ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
 さらなる穴の奥の奥から、轟音が聞こえてくる。
「さあて、先は長いぞい。」

反撃開始 投稿者:飛 走影(宗一郎) 投稿日:2000/09/23(Sat) 01:59

「はじめまして、あたしはクリス・コファー。えっと、フェイちゃんの下の名前は?」
「ああ〜クリス様、『さん』ならともかく『ちゃん』付けだけはおやめください」
間に入って、大いに慌てる張飛と対照的にフェイとクリスはともに笑顔だ。
「構いませんよ。はじめまして、クリスさん。私は『飛 走影』と申します。お好きなように呼んでください」
「ありがと、フェイちゃん。本人の了承は得たから文句はないわよね〜」
そう言って、クリスは張飛に向かって、勝利の笑みを向ける。
張飛は諦めて肩を落とすと、大きくため息をついた。そして、視線を部屋の隅に移す。
そこには、先ほどから無言で事の顛末を眺めていた照影がいた。
一瞬、張飛と照影の視線が合う。張飛はその身も凍るような視線に一瞬硬直してしまった。
(な・なんだこの男?フェイ様と同じか、それ以上の殺気じゃないか。いったい何者だというんだ?)
「なにか?」
「そ・そうですか。お初にお目にかかります、照影様。わたくしは」
「堅苦しい挨拶は必要ない」
恐る恐る挨拶をしようとした張飛の言葉をにべもなく切り捨てる。
「それより、フェイ。この男はどうする?やはり、片付けるか?」
片手にぶら下げている陳武を前に突き出し、どうでもよさげに問いかける。
「そうねえ、既に死にかけてる蜥蜴男なんて無様以外の何物でもないわよねえ」
片手を頬に当て、嘲るような口調でクリスが言うと、その通りですよねえ、とフェイも同意する。
「う〜ん、さすがはフェイちゃん。物事の道理ってやつがわかってるじゃないの」
「えーい、小娘!!!!言わせておけばああ」
怒りに任せて陳武が叫ぶが、襟元を照影に握られている今の彼ではただ手足をばたばたさせるだけだ。
「暴れるな。そうも、死に急ぐか、陳武殿?」
「それに見苦しいし?」
「そちらの娘の言う通りだ。それで、六道士の一人とは聞いて呆れるな」
「なんだか、世論が陳武君抹殺の方向に固まってきましたねえ」
フェイが呑気な口調で言うと、陳武が急に慌て出した。
「お待ちください。私目にもう一度チャンスを。必ずや、侵入者を仕留めてご覧に入れます」
相変わらずぶら下げられたままだが、それでも陳武は必死になってフェイの説得を試みる。
その言葉にフェイはう〜んと首をひねった。
「そうですね、そこまで言うんでしたら消えてもらいましょう」
「な・なにゆえ?」
いきなりと言えば、いきなりなフェイの発言に陳武は驚きの声をあげた。
「いや、そういうこと言う人ってたいていやられて帰ってくるんですよね。だったら、その前に倒しておこうかと」
「だそうだ。どうやら、お別れのようだな、陳武殿」
「じゃあね、バイバイ」
これはクリス。
「では、まあ色々とお疲れ様でした」
フェイは陳武の前に歩み寄ると、にっこりと微笑んだ。ひっ、と陳武の口から短い悲鳴が漏れた。
そして、フェイの手刀が陳武の喉本を深深とえぐった。陳武は何度か、痙攣を起こして、ぐったりと倒れた。
陳武が死んだのを確認すると、フェイは視線をその後ろの照影へ移した。
「素手攻撃で対象をデリートできるのはなかなか便利ですね」
「だろう?この前、妖しげな黒服の男から買った違法アプリだよ。土産にとっておけ」
照影は愉快そうな口調で笑うと、陳武の死体をどさっと地面に投げ捨てた。
「あっけないわねえ」
「いいじゃないですか、さっさと次の仕事に移れますし」
つまらなそうに口を尖らせるクリスをフェイがなだめる。
「仕事?」
「ええ、いい加減侵入者の好き勝手にさせるわけにもいきませんので、今度はこちらから攻めます。来てすぐで申し訳ありませんが、クリスさんも着いて来てもらえますか?」
「もちろん。フェイちゃんの頼みならよろこんで」
語尾にハートマークでもつくんじゃないかという口調で、クリスが答える。
「というわけで、非戦闘員の張飛さんは留守番しててください」
「了解いたしました。御三方のために酒でも用意してお待ちしていましょう」
「あら、楽しみね。じゃあ、行ってくるわね」
こうして、フェイ、クリス、照影という龍尾最強戦力がついに戦線に投入されたのだった。
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はい、ついにフェイが動きました。
さあ、フェイの相手をするのは果たして誰でしょうか?

PS:ごめん、ノリの関係でクリスに陳武殺させられなかったよ。

知り尽くしているケルベロス 投稿者:ブラック(砂時計) 投稿日:2000/09/23(Sat) 15:00

クリーチャーを軽々倒しながらも洞窟の中を進む二人と一匹。ばてた様子もない。逆に楽しんでいる様子だ。
「しかし長いのぉ〜、この洞窟」
「まぁそれだけ楽しめるんだよ爺」
ヘルが鼻で笑いながらそう言った。しかし洞窟の長さは普通の人間にとっては半端じゃない長さだった。
「どうだ・・・?まだばててはいないな・・・?」
ブラックが二人に問い掛ける。
「このくらいでばてとったらやってられんわい」
「ちょうどいいぐらいだ」
「・・・どうやらこの洞窟を甘く見てるようだな・・・?」
ブラックは薄ら笑いを浮かべながらそう言った。
「ほほう。どう言う事じゃ?」
「・・・ブラック、どうやらお前はこの洞窟に毎日の用に来てるようだな・・・?」
ヘルがブラックに問い掛けた。ブラックは何も言わずにうなずいた。
「ここの洞窟の最後のほうに行けばもっと楽しめる」
「ほう、どうやら手ごたえのあるクリーチャーでもいるようだな」
ヘルは表情には出さなかったがかなり期待していた。
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やはりブラックとヘルの口調の見分け方は
文章でフォローですね。

地下洞窟の火炎ワーム 投稿者:ヘル(JOHAN) 投稿日:2000/09/23(Sat) 21:40

「さて・・・ようやくお出ましだぞ。二人とも。」
 二人がブラックの視線を目で追いかける。洞窟は下りに下って今や辺りにはマグマのような演出が現れる始末だ。そして今、そのマグマの海が、轟音を立てて盛り上がっている。
「なるほどな、奴か。」
 ヘルはボロボロになっているマントを跳ね除け、黄は手短に槍の型を披露する。
「こりゃあ確かにデカイのう。」
 火の粉かマグマか(おそらくはその両方だが)を巻き上げて現れたのは、オレンジ色に輝くワームだった。辺りを跳ね回ったワームは石柱、岩石問わず粉砕して回っている。
「爺、奴は触れただけでアウトだ。くたばらんようにな。」
「じゃから、言われんでもわかっておるわい。」
「エキスパンド・ワ−ルウインド・ラン!」
 彼らの存在に気付いて向かってこようとしていたワームに嵐のような風が襲いかかる。だが、それでもワームは吼え猛り、風圧に逆らって進み続ける。
「ほう、この程度では足止めできんな。」
 ワームは突進を続け、ヘルも、そして後ろの石柱も巻き込んで辺りの足場をズタズタにしてしまった。
「ぬお!・・ヘル!無事か!」
「大丈夫だろう。マントを身代わりにして横に飛んだはずだ。」
 ブラックの言う通りヘルは無事だった。瓦礫を跳ね除けて立ち上がり、体制を立て直す。
「仕方ない。コイツを使うとするかの。」
 黄は槍を逆手に持ち替えると、のた打ち回るワームに向かって投げつけた。
「そんなもので奴を殺せるの・・・何!」
 様子を見ていたブラックだが、手元を離れた黄の槍が見る見る巨大化したのには驚きを隠せなかった。ズウン、と恐ろしく重い音を立てて槍はワームの頭を串刺しにし、さらにはそれを石柱に磔にしてしまった。
「フン。」
 なおも暴れようとするワームに向かって、向き直ったヘルが両手を突き出す。
「エキスパンド・ウインターブレッド・ラン!」
 両手から吹雪が巻き起こり、ワームどころか辺りのマグマらしきものまで凍りつかせる。
「思い知ったか・・ザコめ。エキスパンド・サンダ−・ラン。」
 電撃が直撃し、ワームの頭が砕け散る。突き刺さっていた黄の槍が元の大きさに戻ると、ふらふらと落ちてくる。
「ぐ・・・お?」
 普通に受けとめたヘルだったが、あまりの重さにふらつき、数歩歩いてなんとか立ち止まる。
「な・・なるほどな、爺。普通の槍ではないということか。」
 黄は自慢するように槍を軽々振って型を披露する。
「ふっふっふ、ワシの自慢の作品じゃよ。じゃがお主の魔法も相当な物じゃな。」
「フン。」
 ヘルはすでに歩き出しているブラックの後を追う。
「今は様子見に過ぎん・・今はな・・。」 
 黄も槍を持ち替えてそれを追う。
(それはワシもまた同じ。まずは力量のほどを拝見せんとな。)
 
 洞窟は、さらに奥へと下る。
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 戦闘シーンばっかだな。そろそろいろんなこと喋らせてもいいかも。あとサナリにも会わなきゃね。後で。

遺跡? 投稿者:黄 鷲全 投稿日:2000/09/23(Sat) 23:58

 マグマの海を眺めながら、一行が先に進むと、そのうち三叉路にでくわした。
「犬。道を教えろ」
「・・・知らん・・・」
「そうか」
 何気なく交わされる会話に、一行はしばし無言になった。
「・・・そうじゃないじゃろうが!どーすんじゃ、いったい。わしゃーやじゃぞ!この歳で迷子になるのは!」
 その無言に耐えかねたように、黄は顔を真っ赤にして怒鳴った。そして、鍾乳洞がにょきにょきつきだしている洞窟の天井を見やり、ついで後ろを振り返って大げさにため息をつく。
 その視線の先には、大小数百ものクリーチャーの残骸が散らばっていた。
 あるものは頭を吹き飛ばされ、あるものは全身をこんがりローストされた状態で、天井からつきだした鍾乳洞に突き刺さっていた。中には、全身に火傷と裂傷を負い、弓を数十本突き刺された状態で立ち往生しているクリーチャーもいる。
 たいまつの光にだけ照らし出されている洞窟に、そうした死体が転がっているのは、なかなかシュールな眺めである。
「爺もそう思うか。実は俺もそう思っていたところだ」
 黄に投げやりな視線を投げつつ、ヘルがつぶやいた。
 そして、ケルベロスをなにか言いたげな目でじっと見つめる。
「・・・しょうがないだろうが。知らない物は、知らん・・・」
 ケルベロスは犬の分際で、器用に肩をすくめるような仕草をすると、そのまま右に向かって歩きだした。
「なんじゃ。知っておるのではないか」
 安心してつぶやく爺に、ケルベロスは見下したような冷たい目を向けて吐き捨てた。
「ふん・・・道など知らぬわ・・・こっちに来たのは・・・」
「気分、か」
 ヘルが合点したようにうなずく。
「その通りだ・・・」
 ケルベロスもほとんど同時にうなずいた。
「だぁー!まったく、近頃の若いモンときたら・・・っと、お?」
 二人の様子に呆れたように首を振っていた黄の目に、見慣れぬ物が映った。
 それは、ごつごつとした岩肌の表面に、隠すように苔の付着した何かの紋章だった。
 紋章は異様に目の大きい怪物を意匠したものだった。
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ってことで、ここらで寄り道ってのもいーんじゃない?お二人さん。

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