逃亡(爆) 投稿者:ガルデュン 投稿日:2000/04/10(Mon) 02:59
食事を済ませ宿に向かっていた一同だか、途中に見つけた露天にマイナとシリンがしゃがみこみ物色を始めると、それに中島とロッキーが続いた。
残ったセピアやルフィー、アルにクトファーも間を空けて、遠巻きながらも露天へと近づく。
当然、ジンクとビットは各々のマスターに続いた。
結局その場を動かなかったのはガル狼一匹…
お腹も満たされ、機嫌よく月を見上げながら尻尾をユラユラ。
遠吠えしたい気分だったが、セピアにあまり吠えるなと言いつけられたのを思い出す。
再び満月を見上げる。
鮮やかな満月…
「クゥ〜ン……」
不意にステフの金色の瞳を思い出した。
あの時は大人しく帰れと言われたが…
狼ながらに決心が揺らぐ。
自分より順位が上のステフの言いつけは守らなくてはならない。しかし…
・・・・・・・・・
驚く他のアドベンチャラー達をよそに、一匹の巨大な銀狼が微かな匂いを頼りに雑踏の中を巧に駆け抜ける。
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ガル狼、逃亡しました(爆)
人間に戻った時が楽しみです。ガル狼時の行動記録を本体は知らない(笑)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
マイナ様より修正願い
実は、太陽沈んでいるのに、「陽にかざしてみる」とか書いてしまったんです。
・・・せめてランプですよね。(汗;)
ガルを捜せ 投稿者:シリン=ダー 投稿日:2000/04/10(Mon) 12:26
シリンは奇麗な石を貰うとそちらに夢中になってしまい、トートの商品の事などすっかり忘れてしまった。
「ガルさんに1つあげたらお金減らしてくれるかな」
と彼女にしては打算的でまっとうな事を考えていたのだが、気付いてみたら当のガルがいない!シリンの頓狂な叫びに、他のメンバーの視線が集中した。
ガルを捜せ2 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2000/04/10(Mon) 16:25
「さて、マイナ君の買い物も済みましたし、私達は一足先に宿舎に戻りましょうか」
大会で疲労が溜まっているのか、ルフィーは自分の肩を揉みながら言った。
「ムサシ殿とステフ殿は信用できる人物なので、ちゃんと『今日中に』戻ってくるだろう」
――とは中島の言。
「あ〜あ、それにしても、あいつらだけあの二人組に付いて行くとはなぁ。特にムサシ、羨ましい……」
「クトファー様、やけに残念そうですね?」
「だって、黒服の彼女の方、あの赤帽子野郎にゃ勿体ないほどの美形だったぜ。そういう娘(こ)を黙って行かせるのは男失格だとは思わないか?アールセキン」
「さぁ?」
クトファーの問いかけに、謎の笑顔で返すアールセキン。その時だった。
「ひゃああああ〜」
「どうしたんです、シリン様」
「ガルさんが!ガルさんがいなくなっちゃってるんですよぅ!」
両眼が渦巻き状になったシリンが、アールセキンスーツの襟をぐいっと掴んだ。
「本当だわ!いつの間に……」
「もしかして、あいつステフのところに行ったんじゃないか?やけに懐いていたからな」
「どちらにしろ、早く捜さないと厄介ね。普通のクリーチャーと間違えられて、他の冒険者に『狩られる』ことになってしまったら……」
一同(一部除く)の脳裏に最悪の事態がよぎった。
「諸君、地方民とガルデュン殿自身の安全のため、彼を手分けして捜そうではないか」
「わぉ〜〜〜ん★」
拳を振りかざして言う中島の後ろで、ロッキーが四つん這いになってなにやら吼えている。
「うみゅう、僕、もう眠いよぉ〜」
ところがどうやら子供みたいなマイナは、既に睡魔に捕らわれかけていた。初心者のシリンも、心配そうな表情よりも疲れの方が表に出ている。
「シリンさんとマイナ君はかなり疲れているから、戻った方が良いんじゃないでしょうか」
「そう言うあなたもよ、ルフィー。私の目はごまかせないわ。今日は射的大会で大活躍だったんだし。それ以前に、銀狼になったガルデュンを傷つけないで捕まえるには、獣の扱いに慣れていない人間では危険よ」
確かに、自分の方から攻撃を加えられるならまだしも、相手は大切なパーティーの一員である。
「じゃあ、ガルデュンを捜すのは、俺とセピアを中心としないとな」
「私はお嬢様方とマイナ様を宿舎の方にお送りします。祭の夜は殊更治安が悪いですから」
そう言うとアールセキンは目をしきりに擦るマイナを抱きかかえた。
「上等兵はどうするの?」
「自分はセピア殿の護衛役だ、狼化したガルデュン殿以外の驚異から貴女を護りきらねばならん。よって、セピア殿達に付いていく」
「わったしもよぉぉぉぉぉん!」
こうして、セピア、クトファー、中島、ロッキーの四人(実質的には三人か)は逃亡したガルデュンを探しに行くことになった。
*セピア様、ロッキー=メイビアの名前が毎回「ロッキーメイビアン」になっています。
戦闘!? 投稿者:ムサシ 投稿日:2000/04/10(Mon) 19:27
日が沈んで久しく、気温も大分低下している。
街の外れにある小さな公園に四人と一匹が立っている。
状況を把握していないステフは、ムサシの後ろで憮然としている。
「さて、俺達に用事ってことだけど、昼間の盗賊達の仲間かい?」
ステフの表情が強ばる。
そんなステフに軽く笑みを投げ、ムサシに向き直る。
「その盗賊達には会ったけど、仲間じゃないよ。ただ君と戦いた
かっただけだから」
「俺と?なんでまた?」
顎に手を当て、首を傾げる。
「う〜〜ん……強い人と戦いたい……って言うのは理由にならないかな?」
「ああ、なるほど♪」
「納得するなあ!」
両手をポンっと鳴らし、納得するムサシにステフが突っ込む。
「ったく、黙って聞いてたら……俺がここにいる必要ねえじゃなーか!」
「あ……そうですね、あはは♪」
ルネリオが頭に手をやり、ぽりぽり掻きながら笑い声をあげる。
そんな仕草一つ一つがステフを刺激する。
「このやろう!俺が相手してやる!」
短剣を構え、ムサシを押しのけルネリオと対峙する。
「いいですけど、僕に勝てるかな?」
ルネリオは不敵な笑みを浮かべた後、一切の表情を消す。
(……なかなかの使い手だな……)
ムサシは心で呟くと、いつでも助けに入れる位置にすっと移動した。
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お久しぶりです。
やっとネットが出来ました♪
しかし……復活していきなり中途半端に終わらせるとは……(汗)
これからは以前みたいに頻繁にこれなくなりますが、よろしくお願いします☆
朴、軍票を割り引かされる 投稿者:中島上等兵 投稿日:2000/04/10(Mon) 22:48
セピア・クトファー・中島上等兵・ロッキーの4人がガルを捜
して歩を進めている。その内、セピアとクトファーが実質的な捜
索者であり、中島上等兵はその護衛である。
ともかく、四人が歩いていると、横から同じ速さで歩いてくる
男がいた。中島上等兵は、一応、警戒してこの男の様子に気を配
りながら誰何(注)しようかどうしようか考えた。そこへ…
「よう! 兵隊さんよ、シノギはどや!」
その男は突如馴れ馴れしく声をかけてきた。
「何だ貴様は! 名を名乗れ!」中島上等兵は接近戦用に携行し
ている14年式拳銃乙型に軽く手をかけ、応報した。
「俺は、朴ってもんで、金融やってんだよ。さっき、兵隊さん金
なかっただろ。当面、メドつくまで融資しましょうか、ってさ、
どう?」
予定外に現れた金貸しに、中島上等兵は勿論、四人とも一時停
止した。
「何だ、さっき見ていたのか。いやな、金ならあるのだが、使え
ないのだ……」
「ナニよ、あれかい金貨とかかい?」
「まあ、そのままでは使えない通貨だな」
「俺なら、何でも換金できるぜ。旧システムのゴールドでもいい
ぜ。手数料はその1割貰うけどな」
「ほう、じゃあ、頼むぞ。二万五千だ、手数は二千五百だな」
中島上等兵は間髪入れず注文した。これでセピアに先ほどの借
りを返せると思ったのだ。
「この場で頼むぞ、会ったばかりの人間に信用取引はできないか
らな。いいか?」
「はいはい、んじゃ、よいしょっと」
朴は中島に22500Gを移した。そして、当然に「じゃ、金
貨だ」と要求する。
「いや、金貨じゃなくて軍票だ」
「はあ?」
「軍票じゃ具合悪いのか?」
「軍票って兵隊さんよ、そりゃあ、ねーだろ」
「馬鹿者! 兵士だから軍票を持っているのだ」
「いや、そうじゃなくてだな」
「貴様、何でも換金できるといったはずだ」
一挙に険悪な雰囲気が流れる。
セピアとクトファーは不安そうに朴と中島上等兵を見守ってい
る。ロッキーだけがその雰囲気に興奮してなぜか「ロイヤル」を
連呼して腰に手を当てて踊っている。
その状況を打ち破ったのはやはり朴だった。
「判った。俺も男だ、言った以上は仕方が無い。俺も顔で商売し
ているからな。ヤマトまで行くのかよ…赤字だよ、ったく」
朴は自分の顔を守るために仕事を受け入れた。裏金融は顔で商
売している。そのためには赤字でも取り立てに行くこともあるし
あるいは軍票でも兌換しなければならない。軍票はヤマトの陸軍司令部まで行かないと換金できないのだ。
「よし、貴様、朴といったな。覚えておこう」
軍票の束を抱えながら立ち去ろうとする朴に、セピアが声をかけた。
「ところで、朴さんっていいましたっけ。あなた、さっき、中華
料理のお店で私たちのことみていたんでしょう? その時いたガ
ルって呼ばれていた狼なんだけど、はぐれちゃって捜しているん
です。見ませんでしたか?」
「あ、それならさっきいたよ。なんかオッサンに飛び掛って取り
押さえられてたけど」
「ええっほんとですか?」
「よければ、案内しようか。取り押さえられてるから、まだそこ
にいるはずだよ」
「お願いします!」
セピアは即座に頼んだ。
注)誰何(すいか):軍隊用語で、誰か、と相手に尋ねる事。
バーベキュー寸前のガル狼! 投稿者:セピア=インフラレッド 投稿日:2000/04/11(Tue) 12:31
セピア・クトファー・中島上等兵・ロッキーの四人は金貸しの朴に案内されて、ガル狼が捕らえられた現場へやって来た。
彼らの目にロープに縛られ街路樹に吊されている哀れな姿のガル狼が飛び込んできた。
通行人たちが樹に吊された狼を興味深げに見ながら歩いている。
直ぐ傍で焚き火にあたっているパンチパーマに超ハデなブレザー姿の大柄な男が手下の仲間三人にバーベキューの準備をさせている。
セピアは、大柄な男に声をかけた。
「その樹に吊されている狼を放してやって下さい。私たちの仲間のガルデュンと云う者で満月の影響でたまたま狼に変身しているだけなんです。」
「その狼がいきなり俺たちに飛びかかったんだ。お陰で俺様の大事なブレザーが汚れてしまったので、落とし前としてバーベキューにして食べることにした」
「仲間の失礼を謝ります。クリーニング代を支払いますから許してやって下さい」
「せっかくの可愛い姉ちゃんの頼みだから、そうだなぁ10000Gで許してやろう」
「10000 G なんて、高すぎるわ!」
「嫌なら、その狼をバーベキューにして食べるまでさ。それともその狼の身代わりに姉ちゃんが俺の女になれば許してやってもいいが」
中島上等兵が怒った。
「貴様〜、許さん!」
「そう〜だよ〜ん〜〜☆」
ゴングが鳴らされたボクサーの如くロッキーが闘志満々で中島の援護射撃に出た。
「お前たち、俺様に喧嘩売るとは良い度胸だ。俺はこの界隈を仕切っているチープラフ様の一番弟子のクセノンだ。気の荒い子分たちが何をするかなぁ! 」
朴の横にいるクトファーはその男の手下の三人の動きに目を光らせた。
逆撫で大好き♪大馬鹿鳥男【爆】 投稿者:クトファー=フィナンシェ 投稿日:2000/04/12(Wed) 01:24
3人の手下達が前に進み出て、中島上等兵が身構える。
「一番弟子とその手下、って言ったってサァ、単なる『虎の威を借る狐』――早い話が金魚の糞じゃん♪そんなにえばるほどのもんでもないだろー?」
緊迫感を崩すような、軽い台詞が響く。声の主は、腕を組んで見下すような笑いを浮かべた、クトファーだった。
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ちょっと逆撫でしてみました♪
無責任なクトファー君☆
両手に華!!!!! 投稿者:アールセキン(宗一郎) 投稿日:2000/04/12(Wed) 20:08
「ほくほくですね」
アールセキンは左にシリン、右にルフィ、そして腕の中に眠ったままのマイナを納め、
満面の笑みで宿屋に向かっていた。
「アールセキンさん、なんだか嬉しそうですね」
「ええ、マイナ様に加え、シリン様まで、一人じめとは……両手に華とはまさに、このことですね」
不思議そうに問いかけたシリンに向かって、アールセキンは胸を張って応える。
「両手に華……ですか?」
シリンはもう一度問い返す。
「ええ。もちろん、お世辞などではございませんよ」
「わ〜、嬉しいです」
シリンが顔をほころばせると、アールセキンもつられて微笑する。
「あの、あたしは?」
いままで、黙って聞いていたルフィーが面白くなさそうな口調で尋ねる。
「それはもちろん、お美しいですよ。そう、女性はすべからく美しいものなのです」
「へえ〜、そうなんですかぁ。あ、あれが宿ですよ〜」
シリンが自分たちの泊まっている宿屋を見つけて嬉しそうに指差した。
「なるほど、なかなか良さそうなところですね」
シリンの指先には簡素だが、小奇麗な宿屋があった。
何となくそう思ったから(爆) 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2000/04/12(Wed) 23:21
「このゼフィロスにもこんな宿泊施設があったのですね」
大都市タイプ集落のゼフィロスでは、冒険者達は殆どホテルに泊まる。だが、シリン達の宿はビルに囲まれながらも孤高を保つかのような印象の、低い階層構造の宿屋であった。
「本当はホテルにするつもりだったんですけどー、中島さんがどうしても高いビルは嫌だって言うんで、ここにしたんですー」
「なるほど、何となくだけど、あの人なら言いそうだわ」
「シリン様、ご自分でフロントに申し出られますか?」
「多分大丈夫です〜」
シリンは自信満々に答えたが、彼女の場合、それがいっそう不安だ。まだ出会って短いが、ルフィーは既シリンのことをそう理解している。
「アールセキンさん、いざとなったら私がやりますから」
「そうですか?困ったときはいつでも私を頼ってください」
それも嫌な気がするルフィーだった。
戦闘開始っ! 投稿者:ステファン=ノティス 投稿日:2000/04/13(Thu) 00:38
ステフもルネリオも微動だにしない。お互い気を張り詰め、相手の一瞬の隙を覗う。
(――ちっ…勢い任せで飛び出すとは――我ながら失敗した。アリスがいたら、雷落ちるな。こいつ、予想以上に強い。下手すりゃ互角か?でも、アリスのが強かった―――)
心の中で舌打ちしながら、じりじりと間合いを詰める。冷や汗が一筋、頬を伝って顎から落ちてゆく。ステフはルネリオの方に意識を集中しながら、昔アリッサムが言っていた言葉を声に出さずに反芻する。
(―――隙がないならば作れ。相手が攻撃を仕掛ける瞬間、それを狙えばいい…自分の長所を生かしてペースを掴むこと。おれの長所は――スピード……)
ステフはナイフに手をかけ、抜き放った。しかし―――
カシャンッ
「しまった!ナイフが…」
ステフがナイフに気を取られたのをルネリオが見逃すはずがなかった。ルネリオが一気に間合いを詰めてステフに向かって剣を走らせる。しかし、彼の視界が捕らえたステフの顔は、驚愕の顔ではなく、口元が笑みの形に歪んでいた。
「…かかったね?」
攻撃をかわしてそう言うなりステフは、ルネリオの足めがけてスライディングをしかける。ルネリオが避けるが、もちろんそれも予想済みで、すり抜けざまにルネリオの服のすそを引っつかむ。バランスを崩しながらも振りかえったルネリオめがけて、ステフの短剣が振るわれた。短剣はルネリオの右頬を掠っただけだったが。お互いに飛び退り、間合いを開ける。
一人ハラハラしているムサシをよそに、ステフの顔にも微かな笑みが浮かんでいた。
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ステフの力量、実はルネリオより少し下です。新しい短剣と以前に比べると若返ってますので【爆】
マチュの頃のステフなら本文の通りなんですが…
あとは適当に返り討ちにしてやってくださいな。
金貸しにはハッタリも必要(笑) 投稿者:中島上等兵 投稿日:2000/04/13(Thu) 18:10
「ってってってめえ! この俺を誰だと思ってんだ!」
「だ・か・ら、名も無い手下どもだろ。手下A・B・C、ってか」
一笑に付すクトファー。ますますヒートアップするオッサン。
そこに、朴が口を挟んだ。
「なあ、お兄さんがたよ」
「あ"あ"?」
「そんなにいうならチープラフに間に入ってもらおうじゃないか
よ。俺、金貸しやってる朴ってんだけどよ、お前らなんてんだ?
えっと、お前はクセノンっていったな。お前らはなんてんだよ、あ?」
ガルをバーベキューにしようとした男たちが一瞬、言葉につまる。そのドサクサに紛れ、中島上等兵が銃先をガルに向けたが、
かの男たちは気付かない。中島上等兵がロッキーに目配せすると
ロッキーはただ阿呆のように踊りながらガルが吊るされている近
くまで移動。しかし、周囲にはロッキーのいつもの阿呆な動きに
しか見えないようだ。
朴は続けて――
「あのなあ、こっちが下手に出りゃ何だ? それで女に手かけ
ようとするとはなあ。それをチープラフが聞いたらどう思うよ?
一の子分とか言ってっけどよ、破門で済みゃあいい方だと思うが
なぁ…」
朴が、そう言って言葉を区切った瞬間、銃声が轟いた。
中島上等兵の正確な狙撃は、一撃でガルを吊るしていた縄を撃
ちぬいた。ロープが撃ち抜かれ、地面に叩きつけられる寸前のガ
ルをロッキーが受け止める。
それを見てセピアが駆け寄り、縄を解く。
朴のハッタリ、中島上等兵の狙撃、ロッキーの偽網、これを目
の当たりにした男たちはただ、言葉を失っている。
そこへ、朴がとどめを刺した。
「さぁてよ! じゃあ、お前、さっき10000Gとか言ってくれた
よなぁ、それで納得しようじゃないか。いいな!」
「えっ、いいんすか!」あくまでも馬鹿な男達である。
「馬鹿! お前らが払うんだよ! 俺たちに慰謝料としてな!
よくもまぁ大事な、何だ、セピアの仲間を喰おうとしてくれたよなぁ!」
「そっ、そんな金、ねえよ…」
「ともかく、こっちも10000で泣こうって言ってんだよ、文句な
いよなぁ!」
「あっ、はいぃぃーー」
「でも無いもんはねえよなあ」
「そうなんすよ」
「じゃ、この借用書に一筆書いて貰おうか。何も言わずにサインしろよ!」
朴はさっとセカンドバッグから書類を出すと、金額を書き込ん
でサインを迫った。
…………………………………………………………………………
結局、朴がみんなに手を貸したのはシノギのためなのでした。
ああん? 投稿者:チープラフ 投稿日:2000/04/14(Fri) 01:11
朴が借用書を持って手下たちに迫る.いつのまにか忍び寄っていたロッキーがにこやかにペンを持って背後から手下に握らせている。
「ささ、ちゃちゃっと記名(かい)てくんな」
ロッキーの熱気も手伝って震える手で紙にペンを近づける手下.釈然としない表情も冷や汗にまみれている。
と、手下のペンを持っていた手が開き,膝から崩れ落ちてしまう。
『おいおい、いくら払いたかねぇって気を失な---』
ロッキーが無理矢理引き起こすと男は口から血を流している.
「あ”〜?ごーとぅーへるるるる?」
ロッキーが興味深げに男の口元の血を指で掬ってみる.電子音の途切れる音がして男の体が電子に分解していく!
「嘘・・・・」
クトファーが状況も忘れて声を漏らすが、目の前で男は電子分解されて空気に溶け込んでしまった.
『ああん?』
背後からの声に全員が振り向くと,そこには蔦の絡まった杖を右手に握ったチープラフが立っていた.
『ったくよぉ・・・うぜえ!うぜえうぜえうぜえぇっ!』
チープラフは杖を持ち直してその先を残りの手下に向ける.
『嘘吐きは死んどけや。・・・書庫解凍・”ハデスアイ”ラン!』
残りの手下が瘧にかかったかのように身体をこわばらせ、バタバタと倒れていく.夜の街にひときわ明るいプリズムが四散してビルの谷を照らす.
「・・・いいか、言っとくが博打打ちは弟子を取ったら引退なんだよ.だぁれが弟子なんざとるかってんだ!ばぁか!」
そのまま踵を返すとチープラフは歩いてひょこひょこと今来た道を戻っていく.その姿は少し酔っているようだった.
***************************
このままチープ追討劇になってゼフィロス祭そっちのけにならないことを祈りつつ.あとはクトファー次第か?
とりあえず今晩は・・・ 投稿者:ルネリオ 投稿日:2000/04/14(Fri) 01:30
ルネリオはステフとの距離を微妙に縮めながら相手を分析していた。
ステフ同様、彼の口にも笑みがもれている。
(ナイフ・・そして、さっきの身のこなしからして・・・スピードに特徴ありか・・)
ステフはナイフを拾い、ルネリオに向かってかまえた。
ルネリオも剣をギュッと握り直す。
(インファイトに持ち込んで・・・決める!!)
「どうやら、決まるみたいね」
二人の戦いを見守るカッツェとムサシ。
ムサシの方はいつでもステフの援護に入れる位置にいたが、カッツェは3人より少し距離を取っている。
もちろん、戦いをみていないわけではなかった。
「そうだな・・・あんたはいいのかい?助けに入らなくて」
ムサシはカッツェの方を見ずに言う。
彼女はうっすらと笑うと、「その必要はないわ」と答えた。
「それに、ここからでも・・・ね」
ルネリオはステフとの距離をギリギリの間合いまで詰めていた。
ステフがルネリオの次の行動を警戒してか、少し動き始めようとした瞬間!!
(今だ!!)
ルネリオはかまえていた剣を前に一気に間合いを詰める。
ステフもルネリオに向かってナイフを投げた!!
「さっきと同じパターンで・・・」
ルネリオはそう呟くと、ステフの足を思いっきり払う。
やはり、ステフはとまどいながらも倒れながらにルネリオの体勢を崩そうとした。
「いったいなにを・・!」
ステフが掴もうとした服の裾はもうそこには無かった、ルネリオは軽く空中にジャンプして、剣をかまえる。
倒れたままにさすがに警戒していたステフは空中にいるルネリオに向かって短剣をかまえた。
キン!!という音がして、剣が短剣をはじく。
剣と短剣の差そして、食事直後ルネリオの体を載せた一撃からである。
「なかなか楽しかったですよ」
キィィン!!
ルネリオの剣の軌道は明らかに、ステフの横にそらされていたが、そこに飛び込んできたムサシによって一気にはじかれる。
「おっと、そこまでにしてもらおうか?デリートするつもりでもないんだろ?」
ムサシはルネリオに向かって剣をかまえながらステフを起こした。
「やる気になってくれましたか?ムサシさん」
「けど、その体でやるつもりかい?」
言われてルネリオは自分の体を見回した。
ステフのナイフに突っ込んだ時に出来た傷が少しずつだが血を吐き出している。
「そうね、今日は一度引き上げたらどうかしら?ルネリオ」
「カッツェさん・・・わかりました」
ルネリオは剣をおさめると、ムサシとステフの方にむき直した。
「明日からの残りのゼフィロス祭、楽しみにしてますよ。ムサシさん」
言い終わると、その場にムサシとステフを残して、ルネリオ達はあるいていった。
−−−−−−−−−−−−−−
とりあえず書きました、
ルネvsステフ、結果的には軽い傷を負ったルネリオの方が不利だったかな?
まぁ、久々に出来ることはしました〜
そして二日目の夜が過ぎていく 投稿者:カッツェ(みねの) 投稿日:2000/04/14(Fri) 02:25
「うーん、やっぱり残念だったなぁ」
夜の街をカッツェと二人で歩くルネリオは、しきりにそうこぼしている。
「せっかくお腹もいっぱいになっていたし、久々に全力に戦えると思ったのに」
「何言ってるの。その肩、血で汚れているわ。それだと満足に剣も振るえないわよ」
カッツェにたしなめられ、ルネリオは渋い顔をした。漸く、その傷が痛み始めたのだ。
「いたたたたたた……」
ほら言わんこっちゃない、とでも言いたそうなカッツェは、立ち止まるとアプリ倉庫から一枚の魔法圧縮ファイルを取り出した。そして、続けて取り出したのは、今まで見せられていない彼女の解凍アプリ。それはまるで星のように光り輝く、瑠寝る尾がかつて見たこともないものだった。
「書庫解凍!ヒーリング・実行(ラン)!」
カッツェが魔法を起動させると、みるみるうちにルネリオの身体を形成するデータの破損が修理されていく。
「あ、ありがとうカッツェさん」
「いいのよ。どうせ魔法は使えないのでしょう?」
そう言うとカッツェは再び素早くアプリをしまい込んだ。
「ルネリオ、明日のイベントに武術大会があるのを知っていた?」
「えっ、それ本当!?」
武術大会、と聞いたルネリオの顔がぱあっと輝く。いい修行になるし、もしかしたらムサシも出場するかも知れない。
「出る?――って、訊くだけ無駄のようね。そうと決まったら、早く休んだ方がいいわよ」
「そ、そうだよね。でも……」
ルネリオは急に黙り込んだ。彼が現在一文無しであることにカッツェが気づき、ホテル代を立て替えようと申し出るまでにはそれから五分かかった。
何とか眠れそう 投稿者:シリン(みねの) 投稿日:2000/04/14(Fri) 02:39
「ではお嬢様方、私どもは別の場所に宿を取っておりますので、これにて失礼させていただきます」
「さようなら」
アールセキンはマイナを片腕に抱いたまま、器用にシリン達に向かって会釈した。ルフィーも別れの挨拶を言う。だが、シリンは今にも出ていこうとするアールセキンを引き留めた。
「あのう、アールセキンさん」
「何です?シリン様」
「せっかくマイナさんともう一度会えたのに、明日にいなくなっちゃったりしませんよねー?また明日もアールセキンさん達と会えますよね?」
「ええ、シリン様。少なくともクトファー様は明日以降そちらに行かれるかと。私どもも祭の最中はゼフィロスに滞在する予定ですからね」
アールセキンの答えに満足したのか、シリンはぺこりとお辞儀をして挨拶すると、ルフィーを連れてフロントに行った。
ルフィーの助けもあってか、シリンは無事に部屋に戻ってくることが出来た。それで安心したのか、ベッドの上に寝転がるとすぐに眠ってしまった。
*そろそろ三日目です。