ゼフィロス祭編開幕! 投稿者:ルフィー・ミリアム 投稿日:2000/03/29(Wed) 23:14

セピアの愛馬フリーズに乗ったルフィーとセピアはゼ
フィロス東南の門まであと少しと言うところに来た。
ゼフィロスはもうすぐ。しかし、ここでセピアはフリ
ーズを止めた。

「どうしたの。姉さん。休憩?」
「いや、違うわ。まさか、街の中に馬で入って行くつもり?」
「それもそうね。ふつうの街だと街外れに馬小屋とかがあっ
たりするんだけど・・・。」
「でも、狭いでしょ?フリーズは大活躍だったし結構疲れ
てそうだから広い場所で休ませてあげたいから、この近くに
ある牧場に預けようと思ったの。」
「それは良い考えね。でも、ビットは?」
「ビットなら大丈夫でしょう。連れて行くわ。」

牧場にフリーズを預けた二人は牧場の馬車に乗せてもらい東
南の門からいよいよゼフィロスへと入っていった。

「セピア姉さん!すごいよ!」
「ほんとに、すごいわねぇ。」

ここは、ゼフィロスの街でももっともにぎやかな大通り。
様々な屋台や出店、見せ物小屋などが所狭しとある。通りを
歩いているとルフィーは右の方から弓を射る音が聞こえてく
るのに気がついた。

「セピア姉さん。あっちの方から弓の音がするみたい。」
「きっと射撃大会をやっていると思うわ。行ってみる?」
「うん。行ってみる行ってみる!」
「じゃあ、私も行きますね。まだ、メインイベントが始
まるまでには数日あるみたいですからね。」

セピアとルフィーは音のする方へと向かっていった。する
と今度は、なぜか銃声が聞こえる。

「ねえ、ルフィー。なんか弓じゃない音もするわね。」
「そうね。ひょっとしてなんかまずいことでも起こっている
のかしら?」

しかし、二人の疑問はあっというまに解決した。セピアの
言ったとおりでそこには、普段弓の練習場として使われてい
る場所があり、そこで弓の射撃の腕を競う大会が行われてい
たのであるが、その横では同時にピストルの射撃の腕を競う
大会も細々と開催されていたのである。

ルフィーは早速大会に参加できないかと会場の方へ向かっ
ていった。しかし・・・・

「申し訳ないですが、もう一般参加は締め切っちゃったんで
すよ。」
「えーー。うそーーー。せっかくこのために来たのに・・。」
「あ、でもまだチャンスはありますよ。隣でやっている賭弓
の結果次第では特別参加という形が出来ますから。」
「賭弓?それってなに?」

すかさず、セピアが聞いた。

「ルールはこちらの紙に書いてあります。」
−−賭弓(射撃大会特別予選)レギュレーション−−
・参加費は1回65G
・まず、赤い矢を的に射る。中心からの距離によって
10/5/2/0Gのいずれか(0の場合は即失格)
・続いて青矢を射る権利を得る。命中すれば以下のよ
うに賞金が増える
2/5/10/20/30/40/60/100/
120/140/160/180/200
途中でやめるのは自由。外したら0。的はだんだん小
さくなるので注意。
・赤→青の流れを2回行う事が出来る。2回合計250
もしくは1回が200に到達すれば射撃大会参加権を
得る。
「どう。ルフィーやってみる?」
「もちろんやるわ!」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ゼフィロス祭には、こんなイベントもあります。
間隔があいてしまい申し訳ありませんでした>セピアさん

迷子の大馬鹿男 投稿者:クトファー=フィナンシェ 投稿日:2000/03/30(Thu) 01:50

「やっべぇ。マジで見失っちまった…もう日も昇ったし、探し易くはなるけど…」
どこかの建物の屋根の上、クトファーは一人途方に暮れていた。彼がアレイクとはぐれてはや1日。彼にしては珍しく、ご丁寧にもずーっと探し回っていたのだ。
昨日、彼らはクトファーの召還したロック鳥にのってゼフィロスにきた。そして、クトファー達を襲ったハッカーと遭遇した。そして、アレイクが――――
「…ハッカー狩りのハッカー、か。まさか、アレイクがハッカーだとはねぃ。世の中わかんないもんだな♪」
そう言いながら、額に手をかざして下を見下ろしながら、アレイクの姿を探す。助けてもっらった恩があるから、何も言わずに別れるのは少々気が咎める。クトファーは視点を少し遠くに移し、その動きが止まった。
「…あれ?ハッカー狩り?って、…もしかしてもしかしなくても、俺も狩られる側じゃんっ?!」
そう、彼もハッカーの範疇に含まれていたのを彼自身すっかり忘れていたのだ。
(まずいな。悠長に探してる場合じゃないぞ。まさかこんな落とし穴があるとは・・・)
その場に腰を下ろし、腕を組んで考え込む。そして、額にはめたサークレットに触れる。コレが彼がハッカーである証拠なのだ。消去壁<デリーター>―――それがこのプログラムの名称である。消去壁とは、それに触れた自分以外の物全てを問答無用で焼き払うプログラムだ。普通、影響を受けないものを設定するのが難しく、完全な消去壁を作り出すのは不可能に近い。だから、クトファー自身も半身を吹っ飛ばされてしまった。本来自動的に発動するものなのだが、クトファーは自分で改良して手動にしてある。
(―――よく考えてみれば、あのイカレピエロを追い払うのにコレ使ったんだった。咄嗟にムンディをハックしてハッカーの個人データを引き出して、何重にも擬態<シムスティム>したからカロンに追いかけられる心配はねーが・・・アレイクは別だ。あのピエロがうっかり口を滑らせでもしたら・・・・・・まずい。ひっじょーにまずいぞ…)
とりあえずじっとしてても埒があかないので、アレイクを探すことにする。ばれたらばれたで、逃げればいい。そうして再び屋根の上を疾走し始めた。

暫く走りつづけると、前方に人影が見えてきた。朝日に金髪が輝いている。何気なく横をすり抜けたクトファーにその人物から声がかかる。
「私としたことが、得体の知れない輩にここまで接近を許すとは・・・迂闊でしたね」
しかし、クトファーには彼の言葉が理解できない。
「はあっ?!聞こえね―よっ!何だって―――」
振りかえって止まろうとした、その瞬間―――――
 ぐみッ!!
「ぷきゅうっっ?!?!」
「・・・ぐみ?ぷきゅ?」
クトファーが違和感のあった足元を見ると、わらわらと逃げ出す猫達と、エルフの子供らしきものが目に入った。エルフの子供の上にはしっかりと彼の足が乗っていた。

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はい。クトファー「歩く非常識」の訳、わかりましたか?
うなぎさんすいません。クトファーは都合により脱走します!(爆)

マイナさんかアールセキンさん、あとお願いします。

幸運の女神は誰の手に? 投稿者:セピア 投稿日:2000/03/30(Thu) 14:53

応募者20人が参加した賭弓(射撃大会特別予選)レギュレーションがいよいよ始まった。
ルフィーは、楽々と1回目で200を達成して射撃大会参加権を獲得した。
「さすが、ルフィーね。次の本大会も頑張ってね!」
「えぇ、頑張るわ」
いよいよ弓の射撃の優勝者を決める本大会のアナウンスが流れ見物人の盛んな拍手におくられて選手一人一人が紹介された。
「これから特別参加者1名を加えた31名による本大会が始まります。優勝者には賞金2000ゴールドが贈られます」
ルールは赤矢、青矢の先程の賭弓のゴールドがポイントになっただけで似たような仕組みであったが的はかなり小さかった。
31名中、女性はルフィーただ一人だけで出場選手の中で一番小さかった。
ルフィーの第1回目の成績は赤矢10、青矢160の小計170ポイントであった。
続いて第2回目は赤矢10、青矢180を得て2回合計で360ポイントを獲得した。
360ポイントを獲得した者はルフィーも含めて2名だけとなり優勝決定戦となった。
的は一段と小さくなり難易度が高くなった。
まずルフィーの対戦相手である身長190センチで痩身のカミーユという男が先に矢を放った。
第1回目の成績は赤矢10、青矢140の小計150ポイントであった。
次にルフィーが矢を放った。
成績は赤矢10、青矢140の小計150ポイントで、またしても同点となった。
第2回目が始まった。
カミーユの成績は赤矢10、青矢160で小計170ポイントとなった。
次にルフィーが赤矢を放った。まずは無難に赤矢のポイント10を獲得。
いよいよ最後の青矢を手にすると、彼女は大きく息を吸い込むと慎重に的を狙って矢を放った。
ルーーーーーーーーーーーーー。
青矢は小さな的を見事に射抜いた。
青矢のポイントはパーフェクト200であった。そして会場にアナウンスが流れる。
「カミーユさんの総得点320ポイント、ルフィーさんの総得点350ポイント。よって優勝者はルフィーさんに決定しました」
ルフイーは大勢の見物人からの盛んな拍手に包まれて照れていた。
引き続き会場にアナウンスが流れた。
「この会場では弓とピストルの2つの大会が同時開催されてます。今回、特別企画としてそれぞれの大会の優勝者が難易度の高い動く標的を見事射止めた者には優勝賞金5000ゴールドが贈られます」
大会司会者がルフィーにマイクを向けて話しかけた。
「特別企画に参加するには、獲得した賞金2000 G を賭けることになります。ルフィーさん、挑戦しますか、それとも降りますか?」
ルフィーは一瞬躊躇したがセピアの方を一瞥すると、即座に答えた。
「はい、挑戦します」
またまた、見物人から盛んな拍手がおこった。
大会司会者が弓射撃優勝者とピストル射撃優勝者の名前をアナウンスした。
「いよいよクライマックス、今大会の特別企画が始まります。弓射撃優勝者ルフィーさんの相手はピストル射撃優勝者アレイク=ハードラさんです。みなさん拍手を!」
会場の見物人から盛大な拍手が沸き起こった。
今度は高速で動く標的を2回の合計得点で競う極めて難易度の高いものだった。
的の中心からの距離によって2/5/10/20/30/40/60/100/120/140/160/180/200ポイントが加算され即座に得点がデジタル表示される仕組みである。
ファンファーレと共に、いよいよ特別企画の射撃大会が始まった。
司会者が動く標的のスイッチを押した。
チープラフを追跡中、見失ったため腹立ちまぎれでピストル射撃大会に飛び入り参加したアレイク=ハードラが喝采を浴びて現れた。
場違いな神父の黒い法衣を纏った体格のいい男 アレイク=ハードラが高速で動く標的に銃口を向けた。

http://homepage1.nifty.com/k-ichihara/


さ、参加してるよおい!(笑) 投稿者:アレイク(うなぎ) 投稿日:2000/03/30(Thu) 20:41

パァーーーーン‥‥
「チッ」
弾痕は中心から僅か右に逸れた。140ポイント。しかし標的の
移動速度に目を慣らすためのテスト射撃と考えれば、まぁまぁであ
る。手応えは掴んだ。次は外さない。
2発目。彼には200ポイント獲得する自信があった。今まで何
人ものハッカーをその凶弾の餌食にし、射殺して来たからである。
動く標的には慣れていた。
グリップの感触を確かめながら神経を集中させ、トリガーに指を
かける。そして絞るように力を込める。顔がニヤつく。
トリガーを引く、その瞬間であった。彼の目の端に見覚えのある
顔が飛び込んで来た。指先がブレる。
「!」
パァーーーーン‥‥
硝煙の匂いと静寂が、場の空気を支配する。しばし後‥
『アレイク=ハードラさん、180ポイント!合計320ポイント
です!』
弾は僅かに外れた。喝采とため息と嘆息の入り混じった歓声。そ
の歓声の中で、彼は客席の一点を見つめながらつぶやいた。
「セピア‥‥」
『では次に射撃大会弓部門の優勝者、ルフィーさんの番です!』
アレイクのつぶやきはアナウンスの声に掻き消された。
そしてアレイクの隣には精神統一を終えたルフィーが登場する。
うつむいて登場した彼女は、カッと目を見開いて正面を見据える。
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うろたえました。まさかアレイクまで参加してたとは。(^^;

http://www.geocities.co.jp/Bookend/1060


ちょっと散歩 投稿者:ムサシ 投稿日:2000/03/30(Thu) 20:56

「それにしても、よう宿が見つかったもんや」
ガルがベッドに腰をおろしながら言う。
「はにゃほ〜」
「いや、意味わからんって…ほんま…」
二人のやり取りを、とりあえず聞き流してムサシは。
「ちょっと、この辺を散歩してくる」
「おう、気をつけて行ってこいや。ついでにこいつを捨ててきて
くれ」
「いや……それはちょっと…」
ロッキーを指差したガルに、汗をたらしつつ答える。
「じゃあねー」
鼻歌混じりに部屋を出て、一階でステフと出会う。
「よぅステフ、どこいくんだい?」
「ん?ちょっと外に……って、なんで俺がお前に言う必要がある
んだよ……」
憮然と言い放つ。
別にムサシのことが嫌いではないのだが、何故か妙に構えてしまう。
「まぁまぁ、俺も今から散歩に行こうと思ってたところなんだ、
よかったら一緒に行かないか?」
「行かない」
即座に答える。
「そう言わないで……」
「やだ」
「一人より二人の方が探しやすいだろ?」
「う……」
言葉につまり、黙る。
「この街なら以前来た事があるから、少しは案内できるよ」
「……仕方ねぇな……」
呟き、ムサシの横に並んで歩き出す。
「言っとくけど、仕方なくだからな!」
「わかってるって♪」
「なに嬉しそうなしてるんだよ、絶対わかってないな?」
「わかってるって〜♪」
そうして、二人街の雑踏に消えていく。
「あれ〜?」
シリンがその光景を見た――二人で雑踏に消えていくところだけを。
「たいへんですぅー」
面白いものを見た顔をして、シリンはガルたちが休んでいる部屋
に駆け込んでいった。
―――――――――――――――――――――――――――
既成事実成立!(爆)
いったいどうなるのやら、おじさんは見守らせてもらいますよ♪

説明が悪かったのかなぁ・・・ 投稿者:ルフィー・ミリアム 投稿日:2000/03/30(Thu) 23:19

 いよいよルフィーの番である。
 まず1回目。高速で動く的にねらいを定め、ルフィーは矢を放った。もちろん的には命中。ルフィーの弓の
宝石が光った。ポイントは140。1回目の得点としては同点である。アレイクと同様ルフィーもこの回で、
次への確かな自信を得ていた。そして2回目、自信を持って放った矢はほぼ中心に命中。大歓声があがる。

「ルフィーミリアム2回目ポイント180」

そう表示された瞬間、大歓声は何ともいえぬざわめきへと変わった。そこへ審判員の声が。

「両者の対決は2回目を終えて同点。ここで特別ルールを発動します。もう1回ずつの試技を両者行います。」
「延長戦ですか?」ルフィーが聞く。
「そういうことです。ただし、1回限定です。1回で決着が付かなかった場合はこの勝負は無効・・・。」
「無効だと!」アレイクが言う。
「無効の場合。両者に3000Gずつの賞金を差し上げます。」
「それで、よろしいですね。」
「はい。」
「わかった。」

 1回限定の延長戦。その結果は二人の想像通りとなり、観衆はますます大歓声を挙げた。
 両者とも200Pに当てたのである。

「ありがとうございました。」
「また、機会があったらな。」

 二人はがっちりと握手を交わし、大会は終わりを告げた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 ということで、大会終了。
 私の考えていたルールがうまく伝わらなかったみたいで・・・。青矢はいわゆるダブルアップで
赤矢のポイントがどんどん増えていく(つまり青矢は外さない限り最高で10回程度続けて打たないとい
けないというものだったのですが・・・・。まあ、いいでしょう。終わっちゃったんだし(笑)。
っていうかこんなマニアックな設定を出した俺が悪いという説が有力(爆)

嵐の前の月(かも) 投稿者:トート 投稿日:2000/03/31(Fri) 00:20

『ハッカーキラー?』
「そんなとこだったな」
流石のチープラフにもにやけた表情が無い。手に持ったグラスが小さく震えている。額には大粒の汗。
「いやになるぜ。あんな雑踏で急襲されるたぁな」
『大方、ハッカーに仇でもあるんだろうよ』
ハズレだった。
『もしくは、とんでもない非常識な奴とか』
アタリだった。
『他の冒険者を傷つけでもしたら面倒だろうに。』
「ヒヒッ、でもなトートよ、やっこさん、生体兵器っぽかったぞ」
『生体兵器?一時流行ったな』
「壺には入ってないのか?その手のアプリ」
『・・・買うか?ウィルスの保証は出来んが』
「要らんよ、恐ろしくてイヒヒヒヒヒヒ。」
チープラフの調子が戻ってきたところでトートは飲み物を頼む。運んでくるのはムンディ側の社員が扮しているという店員。
肉感的な格好でジョッキを運んでくる。
「は〜い、紫ビールと青汁、おまちどぉ☆」
「ヒェヒェヒェ、姉ちゃん色っぽいねぇ!どこかのべッドで御一緒しなかったかな?それともこれが初めての運命の出会い?」
「このスケベ!たまにはちゃんとカネハラエ!」
「あい〜こいつは手厳しい!」
『お前・・・金無いのか?』
「あるけど払わない。無いけど払うよりカッコイイジャン!」
『これで酒が飲めないんだからな・・・・』
酒場内の喧騒とは裏腹に、外の静寂を風が運んでくる。
『きょうは涼しいな』
「月の所為だな」
急に真顔で答えるチープラフ。
『なんか謂れがあるのか?』
「いや、なんとなく。・・・・・ウヒャヒャヒャヒャヒャ!」
チープラフはいそいそとシャンダンを取り出して弾き始める。
***************************
そろそろ、誰かと出会うかな。

私達もお買い物 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2000/03/31(Fri) 00:23

「どうしたんや、シリン」
「あのですねー、ステフさんとムサシさんが一緒にお出かけしてたんですよ〜。ステフさん、ムサシさんのこと嫌がってたみたいなのに、仲良しさんになったんですね〜♪」
「何、そりゃ確かに大変な事やな」
多分、ステフはクトファーを探しに行き、ムサシが同行しているのだろう。
「ぽぴゅ〜ん、キョエエエーッ!!」
ロッキーは、ガルの後ろで化鳥蹴りの練習(?)をしている。
「ほえ?」
シリンはロッキーの謎の行動が理解できずに(誰も出来ないだろう)小首を傾げた。
「ちょっとすまないが――」
そこに、中島がガル達に話しかけてきた。
「自分は、これから市街地にセピアとルフィーを探しに行きたいのだが」
「ああ、そうやったな」
中島にしてみれば、宿で休んでいるのもタイムロスなのだろう。
「シリン、リーダーの判断は?」
「えっ、はい、良いと思いますよ〜、でも晩ご飯までには帰ってきてくださいね〜」
流石にシリンもそれぐらいの判断は出来たようだった。シリンの了承を得ると、中島は手早く身支度を整えた。
「では、出かけてくる。おい、ピンクひじき、貴様も来るか?」
「はっはは〜い★」
ロッキーは欣ちゃん走りで中島に付いて部屋を出ていった。そして、よくよく考えてみれば、せっかくの祭なのに自分たちがここでムサシ達や中島達の帰りを待つだけなのはつまらない。
「シリン、俺らも街に出ようや」
「えっ、いいんですか?お留守番してなくて」
「ええんやええんや、ステフ達だって俺らに黙って宿を出てったんやから。どうせ二人だって、夜になればここに戻ってくるんやろうし、女将に伝言だけ残しとけばええやろ」
確かにガルの言うとおり、今日に関してはステフ達が他のメンバーに何も言わずに出ていった時点で、二人は文句を言えなくなっている。中島達にはシリンが「夕飯まで」と釘を差しているので、自分たちもその頃に宿に戻ればいいだろう。
「結構森の中で戦闘もこなしたし、シリンも新しい魔法なんか買えばええんやないか?俺もショップに用があるし」
「そうですねー。わ〜い、街だ街だ〜♪」
こうして、結局シリンのパーティー全員が、宿を後にした。

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穏やかならざる朝日を浴びて―― 投稿者:マイナリス=グリム(μξ) 投稿日:2000/03/31(Fri) 02:55

特に珍しくも無い宿屋――まだ昼前だと言うのにその中で休んでいる者達がいた。
疲れていたのだろう熟睡する有翼の男と、その隣りで丸くなって身を寄せて寝ている子供、
それを見守る様に近くの椅子に座っているスーツの男が一人ずつ――そのスーツの男、
アールセキンは今朝の事を思い出していた……。

「ぷきゅうっっ?!?!」
何が起こったのか、最初、マイナには全く分からなかった。
いきなりお腹の辺りに、とんでもなく重い物が乗っかってきたのだ。
「――ぐみ?ぷきゅ?……ああっ!悪ぃっ!」
「……やはり彼の事が目的だったのですね?」
上の方からなにやら声がするが、寝ぼけた頭には入ってこない。
――重いぃ〜、重いぃ〜、これどかしてぇーっ!!
声にならない。
マイナは思わず、噛み付いた。
「うぐっ!」
今度はクトファーがうめいた。同時に、乗ったままだった足からの圧力が軽くなる。
すでにマイナの上から足をどかしているが、マイナの方が足に噛み付いているので、二人は
まだ密着状態である。
「……悪かったっなっ……ぼうずっ…っつ…」
語尾が詰まった感じになるのは、じっと耐えている証拠だ。
クトファーは、しばらくそのまま特に抵抗する事も無く、噛み付かれたままになっていた。
涙目になって噛み付いていたマイナだが、無理をして微笑んでいるクトファーにゆっくりと
頭を撫ぜられて、やっとクトファーから口を離した。
アールセキンは警戒を解いたのか、投げようとしていたハンカチをしまい、二人の元へ
歩み寄ってきた。
「どうやら、さっきの人達とは違うみたいですね」
「さっきの……?
まぁ、悪かったな。ちょっと人探しの途中でね」
「人探しぃ〜?」
腹をさすりつつマイナが尋ねる。
「……屋根の上を、ですか?」
「それを言うならそっちだって、なんでこんな所で寝ていたんだい?」
………………
お互いに説明しにくい事というのは、あるものである。
「まぁ、良いか。
それよりお二人さん、アレイクと言う名の、黒い法衣の結構がっちりとした体格の男を
知らないか?」
「知りませんねぇ……私達、この街についたばかりですし……」
「そうか……すまないが急いでいるんだ。またな♪」
言って、走り出そうとしたクトファーだったが、後ろからえりを捕まれて止められてしまう。
「……離してくれないかな?」
とりあえず、笑顔でえりを掴んだアールセキンの方に振り向く。
「彼にあんな事したんです。朝食くらい、おごってくれますよね?」
アールセキンの方も笑顔だ。
「すまないが……そんな時間は無いっ!」
翼をはためかせて、無理矢理手をほどき、空へ――
その瞬間、アールセキンはもう片方の手に持っていたマイナをクトファーに肩車の形で
ひょいと乗せてしまった。
クトファーはそのまま空へと舞い上がる。
「うっ…わぁぁぁっ!!」
「あっ、おいっ!」
どうしようか、思わず迷う。
いっそのこと、このまま捜索しようかとも思ったのだが、下からは屋根を跳躍しつつ、
ちゃんとアールセキンがついてきているのが見える。
――しょうがない、か。
「きっもちいぃ〜♪♪♪」
「……そうか?」
――羽は、なんとか回復した様だな。
風を受けて、とてもキモチ良さそうなマイナに、思わず溜息を漏らして、諦めた笑顔になる。
「うんっ!しつじのおいちゃんよりも、じんくよりもきもちいぃ〜」
「ジンクっ!?」
ご機嫌なマイナの口から飛び出たのは、予想だにしない名前だった。
――ひとまずアレイクの方はお預けだな。
この時、クトファーはフルコースでもなんでも朝食をおごる事を決意した。
が、一息つこうと降りてきたクトファーに、アールセキンが提案した。
「お二人とも疲れているようですし、とりあえず宿でもとって、一度休憩しましょう」
「そんな事をしている暇は無いっ!
食事はおごるから、ジンクについて、知っている事を詳しく聞かせてくれないか?」
背中から降りたマイナに詰め寄るクトファー。
「まぁまぁ、そう焦らずに。
観たところかなり衰弱している様ですし……何があったか知りませんが、一度休みましょう。
えっと……そう言えば名前を聞いていませんねぇ……」
「ぼく?マイナって呼んで♪」
「――マイナさん、あなたも寝ている途中だった事ですし、まだ眠いのではありませんか?」
「……うん」
言われて、思い出した様に眠そうに目をこするマイナ。
「しかしっ!」
どんっ!
不意をつかれて、アールセキンの一撃はきれいにみぞおちに入っていた。
そのまま気絶したクトファーを、今度はアールセキンが担ぎ、この宿まで運んできたのだ。
少し――いや、かなり怪しまれたが、女将は大きめのベットのある部屋を用意してくれた。

「さて――これから、どうしますかね……」
アールセキンは、二人の寝顔を見比べながら、アールグレイの紅茶をすすった。

******************************************

クトファーさん、身長180cm強! マイナ、推定身長90cm弱!
二人の身長差から考えて、体重も倍から下手したら三倍近くある事でしょう。
マイナの感覚基準から、クトファーさんは『とんでもなく重いモノ』なわけです。
ステフのパンといい、クトファーの宮崎アニメ式手なずけ方といい、本気で動物並だマイナ!
この後、どうしましょうか。シリンさん達にクトファーさんの事でちょっかい出すか、
トートさんの所にでも買いものに行くか――クトファーさんかアルさんに任せます。

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仇討ち 投稿者:セピア=インフラレッド 投稿日:2000/03/31(Fri) 11:06

ルフィーは嬉しそうにセピアのいる観客席に駆けていった。
「ルフィー、よく頑張ったわね。おめでとう !」
「お姉さん、賞金の半分もらってくれる ?」
「ルフイー、あなたが頑張って勝ち取ったものだから、すべてあなたのものよ」
「でも・・・・セピア姉さんには色々お世話になりっぱなしで私の気持ちがすまないわ」
「それじや、美味しいものおごってもらおうかな」
「それだけでいいの?」
「えぇ、いいわ」

『ルフィーさんに所定の金銭が振り込まれます』
ルフィーの冒険者登録コードの埋め込まれたブレスレットからアクシス・ムンディの機械音声がアナウンスされた。

「私、ちょっと用事があるから。ルフィー、食事の前に祭り見物してきなさいよ。1時間後に中央広場のゼフィロス像の前で落ち合いましょう」
そう告げると、セピアはいそいそと雑踏の中に消えていった。

アレイク=ハードラはチープラフを取り逃がしたものの、射撃大会で賞金3000Gを手にしてご機嫌な顔をして路地を歩いていた。
突然、彼は背後に殺気立つものを感じ身構えると一人の女が剣を持ちアレイクに斬りかかってきた。
「アレイク ! 長い間、探していたわ。憎き兄の仇 ! 」

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うなぎさん、すいません。アレイク=ハードラをセピアの兄の仇にしてしまいました。m(_ _)m
ルフィー(神永緒忍さん)、ルールをよく理解出来なくて期待を裏切ってすいませんでした。m(_ _)m
うなぎさんにも迷惑かけてしまったことをお詫びします。   by セピア

http://homepage1.nifty.com/k-ichihara/


ショッピング 投稿者:ガルデュン 投稿日:2000/03/31(Fri) 18:20

「わ〜い、街だ街だ〜♪」
全てが物珍しく見えるらしく、シリンはメインストリートに建ち並ぶ店をしらみつぶしに覗いて行った。
「おーい!どこまで行くねん!」
途中一軒の複合アプリケーションストアに入ろうとしたガルデュンにも気づかず、シリンは先へ先へと駆け回って行く。
しばらく店先で立ち止まっていたガルデュンだが、いっこうに振り返らないシリンを置いて店内へと入っていった。

「これ頼むわ」
そう言って買取カウンターに並べる各種品々。大半が少し前に潜った遺跡の収穫品である。
店員が順番に買取額をはじき出していく。
「ガルさ〜ん!…ガルさ〜ん!」
「・・・・・・」
店の表から大きな呼び声。
「ガルさ〜ん!…どこへいったですか〜!」
振りかえれば、店の透明な扉の前で辺りをきょろきょろしながらさまよっているシリン。
「ガル…うくっ!?」
「大声で呼ぶな恥ずかしい」
シリンの口を手で塞ぎ、店内へと戻ってくる。
「うぅ〜…置いていかないでくださいよぅ〜」
「置いてかれたのは俺の方や」
「?」
ため息一つ…ガルデュンは代金が支払われたのを確認すると、別のカウンターへと移動する。
「うわぁ〜…」
そこは少々魔術的な色合いの強い装飾がなされた、魔法圧縮ファイル専門の売り場。
「こいうい店は少々値段が高すんやけど、ウイルスなんかの心配せんでええんや」
「ガルさん、魔法買うんですか?」
「お前が買うんやろが…」
「…あ!そうでした!」
隣で沈むガルデュンを尻目に、シリンは目を耀かせ店員にあれこれ注文をつけはじめた。

「ガルさん」
そばのイスでくつろいでいたガルデュンの袖をシリンが引っ張る。
「なんや、買い終わったんか?」
「あの……」
「?」
「お金貸してください」
初めて間もないシリンに所持金がほとんどなかった。
さらに、ガルデュンによって減っている。
涙目で訴えるシリンに、出世払と言う事で代わりに代金を支払いに行ったガルデュンを待っていたのは…
「4000G・・・」

「毎度ありがとうございました♪」
店員の笑顔に見送られ、新しい魔法を手に入れ意気揚々なシリンと借金の取立を硬く誓うガルデュンが、店を後に祭り賑わう街へと消えていった。

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魔法の値段がわからなかったので、買った数は不明にしておきました。(^_^;)

http://cvnweb.bai.ne.jp/~taka3/relay2/relay_novel21.html


情報収集前の大騒ぎ 投稿者:ムサシ 投稿日:2000/03/31(Fri) 22:10

「……なぁステフ……」
メインストーリーから一本はなれた脇道、そこは祭りの賑やかさ
も、華やかさもなかった。
「……言うな……」
破れたポスター、ゴミ、嘔吐物などが散乱している。大きな街に
なればなるほど必ず存在する『裏の世界』だ。
ムサシの『裏の情報を手に入れるには裏の世界に限る』との言葉
を信じ、入ってきたのだが、五分もしないで後悔していた。
二人をはさむように前方に三人、後方に4人の男が手に獲物を持
って近づいてくる。
それらは5歩の距離で止まり、前方の一人が話しだす。
「お前たちラッキーだったなぁ、俺たちは殺しはしない主義なん
だ。大方親子で祭りにきてここに迷いこんだんだろうが、有り金
全部差し出せば命だけは助けてやるよ」
下品な笑いが漏れる。
ムサシはこぶしを握り締めて震えている。隣ではステフが笑いを
堪えていた。
そんな事には気付かず、今度は後方の一人が続ける。
「ったく、これで娘がいれば最高だったのによー」
先ほどより大きく、いやらしい笑いがこぼれる。
「んだとこの野郎!俺は女だ!」
ステフの声に一瞬驚き、笑みを浮かべる。嬉しい誤算と言ったところだ。
「自分から性別を明かすとは、遊んでくれってこと……」
話している男の視界を白く大きな物体が遮った。
「ステフ、大丈夫!?」
「ジンク!」
顔を輝かせ、ジンクの首に抱きつく。
「な……ビーストマスター?」
一番最初に喋ったやつが、まともに顔色を変える。
それを見逃すムサシではない。
「ジンク、ステフは任せた!」
言い終えるやいなや、ムサシの姿が消える――認識速度を上回ったのだ。
一瞬後には前方の三人は倒れていた。
後方の四人は、呆気に取られている。
ムサシは路地の壁を数回蹴って4人の後ろに着地する。
この動きについてこれたのはジンクだけである。
「本当に強かったんだな……」
ステフは他人事のように呟く。
「お前たちに聞きたいことがある……」
ジンクとムサシに挟まれ、身動きできない4人は観念し、武器を捨てる。
ムサシは視線をステフに向けて話を促す。
「ハッカーを探している。お前たち、知っている事を全て話せ!」
三人は首を横に振る。
「お前は知っているのか?」
ムサシが問いただす。
「く……詳しくはしらねえが、『悠久の風亭』ってところによく
ピエロの男がくる、そいつがハッカーだって噂だ」
ステフの表情が凍りついた。
「どうやらいきなり大当たり……か」
先ほどと同じように一瞬で4人の意識を断ち、刀を収める。
「行くぞ、ステフ」
優しく頭に手を置き、告げる。
「敵討ちだろ?そんなに強張ってたら本来の動きが出来ないぞ」
「わーってるよ!」
ムサシの手を払いのけ、駆け出す。ジンクもその後ろについていく。
ムサシはため息をつき、表情を引き締め、呟いた。
「シャンダンのチープラフじゃない事を祈るしかない……な」
ムサシも駆け出したが、途中カロンに連絡するのは怠らなかった。
――――――――――――――――――――――――――――
ステフ、仇敵を発見(笑)
ムサシは盗賊を倒した事を報告しました。
チープラフのことは黙ってます。

さっき銃声がしたんだが・・・ 投稿者:グルタミン 投稿日:2000/03/31(Fri) 22:30

中島上等兵には気になることがあった。
先ほど、銃声が聞こえてきたことである。それも、幾種類もの、
である。パーティーの誰もはあまり気がついていないようだった
が、百戦錬磨の歩兵には、かすかな銃声でも感知できるのだ。
「なあ、ピンクひじき、さっき何か聞こえなかったか?」
「グベオパッ! シャイロックゥゥゥー!」
「シャ、シャイロックゥ? 悪かった、貴様に聞いたのが悪かった」
とりあえず、踊るピンクひじきを連れて先ほど銃声の聞こえたほ
うに歩く。しかし、森の中で独り闘ってきた中島上等兵には、こ
の街の、この祭りの情報が圧倒的に不足している。
(こいつに聞いてもわからんしなあ・・・)
ロッキーを横目で見て中島上等兵は考えた。
(考えても仕方ないか。聞いてみることにしよう)
ちょうど、パンチパーマの男性がいたので聞いてみることにした。
「おい、貴様先ほどの銃声について何か知らないか?」
「おいっってえのは何だ、こらぁ! てめえ銃持ってるからって
意気がってんじゃねえよ!」
パンチの男は気が立っているようだ。
「貴様なんか気が立ってるみたいだが、何かあったのか?」
「今、射撃大会で失格になってきたんだよ。トラック一台賭けて
たのによ。お! 明日から生活どうすんだよテメー!」
「知るか! で、その射撃大会はどこでやってるのだ」
「この(中略)だよ。テメーも参加希望者かぁ!」
「いや、違うのだが・・・情報、ありがとう。感謝いたす」
 中島上等兵はうまい具合に情報を得られたことに喜び、そちら
に足を向けた。とりあえず人が集まっているところに行くのが常
道だろう。ピンクふじきがいれば目立つから、彼女らも気づいて
くえれるだろう。そう踏んだのだ。
 中島上等兵は展開したことに喜び、歌いながら歩き出した。
「〜〜♪(注1)」
ロッキーは中島上等兵が高らかに歌う軍歌にあわせて踊っている。
今の彼らに、パンチの男が後ろから叫んだ言葉は聞こえていない。
「おい、おめー、もう遅ぇよ。終わってんぞ、おい!」

注1:『出征兵士を送る歌』昭和12年のヒット曲

ショッピングの結果 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2000/03/31(Fri) 23:06

「……結局、お前何買ったんや」
半ばげっそりとしたガルデュンがシリンに訊ねた。4000も金を使ったのだ、よほどの数を買ったに違いない。ちなみに、森で出会ったばかりの頃のシリンは、ファイアとフリーズのファイルしか持っていなかった。
「えっと、サンダー、エアカッター、ナローアースクェイク、ウォーターシュート、スリープです!」
一つ200Gの、基本的な攻撃魔法他を五個も買っている。まぁ、一度入手すればカードを紛失しない限りずっと使えるのだから、無駄遣いでは無いが。幸い、間違って神職系のカードを買ってはいないようだった。
「あとの3000Gは何に使ったんや?」
「あ、これですー」
シリンは立ち止まると、アプリケーション倉庫から何か取り出した。それは濃い赤色の球形の宝石だった。
「おまっ……!これ、解凍アプリやないか!しかも、透明な奴よりずっとずっとレベル高い奴やで」
魔導士系の解凍アプリは、神職系基本職業と共通の無色透明なものから、レベルが上がるに従ってだんだん赤みを帯びてくる(ちなみに神職系は青みを帯びてくる)。召還士はまた別の色合いで、特殊職や複合上級職の解凍アプリは職業ごとに独特な色合いをしている(ちなみに、魔導士系と神職系の複合最上級職である賢者専用の解凍アプリは白色に輝く光球で、売ればその金額は計り知れない――と言っても、全てのものに言えることだが、解凍アプリ側で冒険者の職業を判定するので、賢者以外の人間は使うことが出来ないが)。シリンが購入したのは、魔法使いが使える最高レベルの解凍アプリであった。1000G級の魔法も解凍できるだろう。これでは、金がかかるわけである。まぁ、サイアドは金さえあればある程度まで強くなれるシステムなので、仕方がないが。レベルは基本的に、転職条件ぐらいの役にしか立たない(まぁ、レベルが低ければ、魔力が低いので高度な魔法を実行しても威力は落ちる)。
「?そうなんですか?店員さんがこれが一番いいって――」
やっぱアホやこいつは、とガルデュンは心の中で溜息をついた。まんまと店員の口車に乗せられたのだ、シリンは。
「とにかく、金はきっちり返して貰うで。それだけは忘れるな」
「はいぃぃ〜」
「そうだ、シリン、解凍アプリ取り替えとき」
シリンは言われたとおり、透明の球体をはずし、赤い解凍アプリを杖の先端にセットした。
「はずしたのは俺によこせ」
「どうするんですか?」
「売って金にする。これで250G、返済したことにしといたるで。後は、一回の戦闘ごとに30Gのローン125回払いでどうや。利子は、仲間のよしみでまけたるわ」
「はぁ……」
現在のシリンの借金総額、3750G。

http://homepage1.nifty.com/matsubay/


さらに二人の過去は!(爆) 投稿者:うなぎ 投稿日:2000/03/31(Fri) 23:20

 ガッ!
 アレイクは振り降ろされた剣を、左手に持っていた聖書で受け止
めた。同時に右手で懐から銃を取り出し襲撃者に向ける。使い古さ
れていながらも、未だ新品のように鈍く輝くクラシカルな銃、ピー
スメーカー。その銃口を目の前にしながらも、襲撃者、セピアの表
情は変わらない。
「やはりお前か‥‥」
 射撃大会の観客席に彼女の姿を認めた時から、アレイクは警戒心
を緩めていなかった。
「あなたを殺すために旅を続けて来たわ。殺された兄の無念を晴ら
すため」
 怨恨に満ちた眼差しで彼を見つめ、剣に力を込めるセピア。
「たかがゲームじゃねぇか。そこまで熱くなるなよ」
 冷たく言い放つアレイク。
「よく言うわ。そのゲームの世界で私を求め続けていたあなたは何
よ!」
「あれは慈悲だ。神に仕える俺に愛されたお前は、神に愛されたに
等しい」
「この‥エゴイストめ!」
「お前と戦いたくはない。剣を引け」
 過去を思い出させられて、その眼差しに悲しみの色を浮かべるア
レイク。かつて彼はこのセピアと愛し合っていた。C−アクシス、
仮想世界と承知の上で。しかしあの事件が起こって以来、彼女の愛
は憎しみへと変わった。
 聖書を頭上にかざして剣を受け止めている左腕。黒い法衣の袖が
めくれ、腕に刻み込まれた入れ墨が露になる。
 ふいにその、アラベスクの模様を型どった入れ墨が光り始める。
魔法圧縮ファイル解凍。彼は身体データそのものに魔法圧縮ファイ
ルを組み込んでいるのだ。セピアは魔法が実行される前に一歩跳び
のく。対侍する二人。
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まずいかな?この過去の設定。現実世界を臭わすような台詞もまず
かったかなぁ、、。(^^;
中途半端ですんません。この後セピアの攻撃を受けるか、それとも
第3者が通りすがるか、、(笑)。

http://www.geocities.co.jp/Bookend/1060


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