ふらふらと、そして―― 投稿者:マイナリス=グリム(μξ) 投稿日:2000/03/25(Sat) 12:50

「じゃ、ゼフィロスへ向けて、出発っ!」
意見がまとまり、歩き出した一行。
「そう言えば、ゼフィロスってここからどの位なんです?」
「ん?そうやなぁ……早ければ二日程やな」
「そ、ココから一番近い街の一つさ」
「――おまえ、本っ気で初心者なんだなぁ……」
シリンの問いに、ステフがあきれた顔をする。
ちなみにマイナはちゃっかりジンクの背中に乗っている。
と、一行の目の前を、一羽の蝶が通り過ぎた。
ありふれた生き物――しかも、ここは沢山の動物達の生息地『森』の地形フィールドである。
特に誰も蝶を見咎める者はいなかった。
――ただ一人を除いては。
「!――うわぁ〜い、チョウチョだぁ〜!!」
「あ、おいっ!」
誰の静止を聞くはずも無く――マイナは蝶目指して一直線に茂みの中に飛び込んで行った……。
……………………
「…………ど、どうする?」
その背に乗せていたジンクですら止める間も無かったのだ。
その問いに、すぐに応えられる者はいなかった。
「とりあえず――」
呆然としている中で、最初に口を開いたのは、ガルデュンだった。
「――先に進まへん?」
「え〜、探さないんですかぁ〜?」
「……どうやって?」
「えーっと、それはぁ……何とか頑張ってっ!」
思わずこけそうになるムサシ。
「あのなぁ、シリン。
あいつの突っ込んで行ったのは道無き道――文字通りの藪の中だ。
しかも、あの勢いだ、すぐには捕まらないだろう。さらに、下手をすればオレ達まではぐれたり、迷ったりしてしまう可能性がある」
「――まぁ、そう言う事だよ。
大丈夫!ただのグレムリンじゃない事はキミにも分かっただろ?
運が良ければまた遭えるさ。彼には僕達の目的地は分かっているんだしね」
シリンはまだ納得がいかないらしく不満そうだったが、反論できる要素も見つからなかったのかしぶしぶ頷いた。

******************************************

結局逃げちゃいました。

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姉さん! 危ない!  などと言っていたら・・・・ 投稿者:ルフィーミリアム 投稿日:2000/03/25(Sat) 22:40

  「セピア姉さん! なにか来たみたい。左からよ!」
  「左ね! わかったわ。」
  そういうと、セピアは剣を抜いた。

  気配を察知する感覚の優れた二人とはいえ今回ばかり
 は二人とも疲れがあった影響か、それはあっという間に
 二人に接近してきた。 

  体長は約3m程度であろうかと思われる獣が2匹。二
 人の前に現れた。左の一匹がいきなり、セピアの腕をね
 らってかみついてきた。間一髪のところで回避したが、
 少し牙が当たったらしく腕に少し擦り傷を負った。幸い
 左腕だったため、何とか戦いは出来そうである。

  これを見たルフィーは、即座に戦いの形勢不利を悟り
 こういうときのために用意しておいた麻酔矢を取り出し、
 左に一匹めがけて放った。

  ルーーーーーーーーーーーーー。

  効果は抜群であった。うめき声とともに一匹は眠った
 ようである。しかし、いつ効き目が切れるかわからない
 ため自体はまだまだ重大である。

  「セピア姉さん! 大丈夫? 次は右の一匹を!」
  「わかったわ!」

  二人は左の一匹が寝ている間に状況を何とか好転させよ
 うと必死に戦った。その結果何とか二匹を退治した。

  しかし、体の大きな相手似たいしては優位であるはずの
 ハーフリングであるルフィーはこの戦いで左腕、右足にそ
 れぞれ結構な負傷を負ってしまったのである。幸い、セピ
 アの方は最初の一撃だけで、ほとんど無傷といってもいい
 状態だった。

  「ルフィー。大丈夫?」
  「うん。なんとかね。どうも調子が悪いわ。」
  「傷の手当は、私が薬草も持っているし、何とかなるで
  しょう。」
  「ありがとうございます。また助けていただいて・・・。
  本当に申し訳ないです・・・・。」
  「大丈夫よ。困ったときはお互い様なんだから。」
  「はい・・・。何とか、休めるところを見つけたいで
  すね。」
  「とりあえず、森を抜けましょう。ここから少し東に
  抜ければ、ゼフィロスまではちょっと遠回りになるけど
  小さな村があったはずだわ。ここからなら、半日とかか
  らないはずよ。」
  「そうですね。もう歩けそうですし。」

  戦いが終わり、しばらく傷の治療で休んだ二人は森を抜け
 るため、東に向かった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  無茶苦茶忙しいため、久しぶりになってしまいました。
 
 >風屋さん
  ゼフィロス祭について、少し書きました。
  Q&Aの方を見てください。

  新たな設定はどんどん加えてください。祭りについては
 そんなに考えてなかったもので・・・・(というか、当初
 は今年の祭りも不可抗力で中止という方向に持っていく予
 定だったのにみんながゼフィロスを目指しだして、そうも
 行かなくなってしまった・・・)

チープラフ登場♪ 投稿者:トート 投稿日:2000/03/26(Sun) 01:59

 ゼフィロスの街には二通りの人種が居る。
祭りを楽しもうとする連中と,そうではない連中だ。ゼフィロスの大通りでは飾り物や山車,それに数多の供え物の準備でおおわらわだ。ところが一本道を外れて路地に出てしまうと急に空気が冷たくなる。もちろんコレだけの大きな街だ。いろいろな種族が居て色々な職業の人間が闊歩しているのは当然といえよう。もちろん、善人ばかりではないということだ。
 路地と大通りを繋ぐ広間にはたくさんの行商人が集まって市を開いている。ゼフィロス祭を狙っての一儲けを目論むばかりに商人が,ジプシーがここぞとばかり集まって芋を洗うが如し。
 トートはといえば高級バーの大理石の壁に寄りかかってむしろの上に雑多なガラクタを並べて折りたたみ椅子に腰をおろしてじっとしている。こちらから客を呼び込むというのは野暮だと思っている節がある。大体がアトランティスで仕入れたアクセサリーや薬草などになるが、時々マチュピチュの攻撃用ピアスなどを混ぜておくととても面白い。見る奴が見ればマチュ産だとわかるところがポイント。
 こうして建物の壁に寄りかかってひがな一日座っていると段々と眠気が訪れる。眠気覚ましに紫酸素のタバコを吸う。いわゆる光合成の逆を行うこのタバコは窒素を吐き出して酸素だけを身体に取り入れる。吸い過ぎると過酸素になる。
『プハー!トートじゃねぇの!イヒヒヒヒヒ』
 ふいに甲高い声が頭上から降ってくる。意表を突かれて慌てて見上げると寄りかかっていたバーの窓から歯を剥き出しにした派手な装飾の男の顔が逆さに見える。
「おまえか!」
『ずいぶんみかけなかったでねぇの!ウヒョヒョヒョヒィオ!』
 男はつばを撒き散らしながら大笑いしている。
「その顔を見ると虫唾が走るんだよチープラフ!」
『チープラフって呼ぶな!ゲヒヒヒヒヒヒッヒ!』
 トートはグッタリとした。もう数年の付き合いになるがこの男の笑い声には付き合いきれない。尋常な神経だったら。
「そうだよな、コレだけの人が集まったらオマエみたいな馬鹿がいても不思議じゃあねぇな」
『ウフ,そんなに邪険にするなぃ。ああいいや、そんなキタネェアイテム並べてないで店にあがって来いよ。このカリン様がたまにはルートビアの一杯でもおごってやらぁ』
「いい景気だな。ムシロをしまうのがめんどくさいから窓から渡してくんな」
『いいともさヒヒヒヒヒヒホホ。まさかこんなところで逢えるとはねぇ。』
 チープラフはすぐさま窓の奥に消えていく。まもなく中からさらに大きな笑い声が聞こえてきた。
****************************
サブキャラ。ピンクヒジキと戦わせたいですね。(^^)

何かに、惹き寄せられるように―― 投稿者:マイナリス=グリム(μξ) 投稿日:2000/03/26(Sun) 02:54

マイナは、一心不乱に蝶を追っかけていた。
今、彼の頭の中はチョウチョの事で一杯である。
……五分は走っただろうか?
藪を突き抜け――いきなりぱぁっと視界が開けた。
蝶が導く様に、たどり着いたソコには――
木の根元に頭から突き刺さった、人らしき『物体』があった。
蝶は、その人らしき『物体』の丁度脚の部分に止まった。
思わず何か悪戯してやろうかと思ったマイナだったが――
ふいに、人の良いプレイヤー達の顔が浮かぶ。
「なんだか――悪戯しづらくなっちゃったなぁ……」
心配しているかな?とも考えたが、行き先は一応分かっている。
近々大きなお祭りのある街だ。
しばらく迷った後、マイナは目の前の『物体』を木の根元から引き抜いてみる事にした。
「う〜ん……う〜〜んっ!!」
必死に引き抜こうとしてみるが、いかんせん子供の力で引き抜けるわけが無い。
「あう〜……」
マイナが諦めかけたその時――
「ふんっ!」
ぼこっ
ソレは自力で首を引きぬいた。
ソレ――アールセキンは、逆立ちの体勢のまま、きょろきょろと辺りを見まわすと、マイナに目を止めてにこりと笑いかけた。
マイナにしてみれば、完全に予想外の事である。思わず後ずさる。
「おおっ!あなたが助けてくれたのですか?ありがとうございます!!」
「え?あの、えっと――」
逆立ちのまま無造作に近寄ってきて、握手まで求めるアールセキンに、マイナはかなり動揺してしまっていた。
ちなみに――蝶はとうの昔にどこかに逃げてしまっていた事は言うまでもない。
「私の名前は、リチャード=アールセキンと申します。執事をしております。
是非っ!お礼をさせて下さいっ!!」
「あ、え?でも、ぼく何もしてないけど……」
「それでは、私の気が済みませんっ!!」
「……別に、今はおなかも空いていないし――」
「では、どこか近くの街までお送りいたしましょうっ!
そのくらい、させて下さい!是非にもっ!」
言いながら、やっとアールセキンは逆立ちをやめて、普通の体勢になる。
そのあまりの勢いに気圧されながらも、ふと、つい最近聞いた街の名前が口から漏れる。
「それなら、ゼフィロスに――」
言いかけて、マイナは言葉を詰まらせた。
淡い――光の反射によって色が変わって見える、きれいな長い髪の持ち主の事を思い出してしまったのだ。
(一緒にいない方が――良いのかな……?)
うつむいたマイナに、アールセキンが声をかけた。
「承知いたしました。では、ゼフィロスまでお送りいたしましょうっ!」
ふいに、マイナの体が地面から離れ、ふわっとした浮遊感の後、高い視点に落ち着いた。
――アールセキンに肩車されたのだ。
「――っぅわぁ〜ぁああっ!」
見なれない高さに少し戸惑いながらも、爽快感と、わくわくするような好奇心、どきどきしている心臓に、マイナはすっかり気分を良くしていた。
「では、行きますよ。しっかり捕まっていて下さいね」
「うんっ!」
マイナがアールセキンの金髪に捕まった事を確認すると、おもむろにアールセキンは走り出した。
最初こそゆっくりだったものの、段々と加速して行く。
「しつじのおいちゃん、気持ち良いぃ〜!!」
自分の体を通りぬけてゆく風の心地良さに、マイナは笑顔満面だ。
「そうですか?気に入って貰えたのなら、なによりですっ!」
そう言うとアールセキンは、颯爽と森を抜け出し、さらにスピードを上げてゆく。
――早ければ、二日程の道のり――そう聞いた気がしたのだが、夕暮れが訪れる頃には、二人は目的地ゼフィロスの街が見下ろせる丘――街まであと2qという所まで来ていた。

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一足お先にゼフィロスについたのは良いんですけど、アールセキンさん、どうやって街の検問突破するんですか?
私は小動物や鳥に変身すれば良いんですが……

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一難去って、また一難! 投稿者:セピア=インフラレッド 投稿日:2000/03/26(Sun) 16:43

セピアとルフィーは、小さな村に向かって歩き続けた。
ルフィーは、セピアに迷惑をかけまいと傷の痛みを我慢して歩き続けていたが、ついにセピアの横にふらついて倒れ込んでしまった。
「ルフィー、無理しないでね。少し休憩しましょう」
「ちょっと、小石に躓いただけなので大丈夫です」
「その傷じゃ、歩くの無理ね。さぁ、遠慮しないで私の肩に手をかけて! 」
セピアはルフィーの前にしゃがみこむなり躊躇しているルフィーを無理矢理おぶって歩きだした。
「ルフィー、村までもう少しだから我慢するのよ」
「セピア姉さんには、何度も何度もお世話になって申し訳ないです」
セピアはルフィーを背負い額に汗をかきながらひたすら歩き続けた。
小高い丘を必死に登りつめると、パノラマ風景の如く開けた眼下の視界に村が見えた。
「ルフィー、村が見えたわよ!」
返事がないので、後ろを振り返るとルフィーはセピアの背中で眠っていた。
セピアは村に向かって下り坂を必死に駆け下りていった。
セピアの前方で突如、乱数が渦を巻きながら幾何学構造のワイヤーフレームにミクロのポリゴンと大理石のテクスチャがマッピンクされながら村の建物オブジェクトを形成し始めた。
やがてそれは三角錐構造となり、レンダリングされた建物のテクススチャーに環境光が設定され鏡のように輝きだし、そして同じようにコピーされた建物が等距離をおいて10棟ほど建ち並び村を形成し始めた。
太陽に照らされて鏡のように反射している三角錐構造の建物が眩しくセピアの目に飛び込んできた。
村は気持ちが悪いほどしーんと静まり返っていた。
村に到着したセピアは安堵した思いで一軒のドアをノックした。
「誰かいますか?」
返事がなかったので諦めて次ぎの家に向かったその時、突然ドアが開きだした。
「誰じゃ?」
中から現れたのは、白髪の老婆であった。
「すいません。水を一杯いただけませんか?」
「おゃ、まぁ、お連れが怪我をしているようだね。さぁ、家の中にお入り」
セピアは中に入ると差し出された椅子にルフィーを自分の背中からおろして座らせた。
老婆が水の入ったコップを差し出すと彼女たちは美味そうに飲み干した。
「ちょうど今、暖かいスープが出来ているから召し上がれ」
彼女たちは親切な老婆にお礼を述べた。
間もなく、老婆はスープの入った皿を彼女たちに差し出し食べるように薦めた。
彼女たちは空腹だったので美味しそうにたいらげた。
その光景を見ていた老婆の目が一瞬ギラリと光った。
そして薄ら笑いを浮かべながら彼女たちの様子をうかがっていた。
「ルフィー、なんだか眠いわ」
「わたしも・・・」
セピアとルフィーはそれぞれ床に倒れた。
突如、老婆の顔がモーフィングされ左右に2つの角が伸びた鬼モンスターに変身した。
「ウシシシシ・・・美味しそうだ!」
モンスターは大きな包丁を、まずセピアに振りかざし始めた。

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セピアとルフィーの運命はいかに?
誰か助けて!!

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ディカプリオ・ロック様 投稿者:トム=ハ−リック会長 投稿日:2000/03/26(Sun) 21:04

「ザ・グレート・ワン」ロッキー=ピンクひじき=メイビアを後ろに乗せ、沐浴を終えてナイスガイ☆「男前」☆中島に進化を遂げた中島上等兵は,セピアの愛馬 「フリーズ」 に跨りアールセキン一同目指し駆った。チビドラゴン「ビット」は中島上等兵の帽子の上に乗っている。
「フリーズ」は力強く地面を蹴り足下の枯枝を踏み砕きながら、流れるような走りで森の木々の間を抜けて行った。その華麗なる様はサッカーで一流のドリブラーが次々と敵選手を抜いていくようでありながら、その巨躯にもかかわらず人間のような精密な動きをもってして森の中の細かな障害物をかわして行くので、中島は何か別なものに乗っているかのような錯覚を覚えた。
「おおっ、なんと素晴らしい名馬。暴れることなく、まるで主人の居所が分かっているかのように一目散に走っているぞ。そして、この速度、この乗り心地、やはり90式戦車とは訳が違うわい。」中島上等兵は馬の性能に感激している。
「うーむ、なんかこれは手綱を持たなくとも馬の方が勝手に目的地を目指してくれているみたいだ、折角だから自分はもっとこの風を感じたい!」
おもむろに中島は手綱を放し、まるで向かってくる風を全身で受け止めるかのごとく両手を大きく広げた。ロッキーは中島の胴に両腕を廻している。
「ロッキー!自分は今飛んでるであります。ロッキー!」中島感極まって叫ぶ。ロッキー、已然後ろでニヤニヤしている。
そこへ丁度木の枝が、中島の顔の高さに。
激突。
目の所からいった。
しかし、その後がもっとひどかった。
ロッキーはそのまま中島と縺れるようにして落ちはしなかった。両腕はそのまま胴に廻してしっかりロックし、自分の臍が丁度な鹿島の背中と正対した位置から中島の受けた衝撃を殺さぬよう自らの上半身を見事にブリッジさせ、丹田の辺りに力を込めて背筋を駆使しながら中島を後方へ投げ飛ばした。そして、ロッキー自身も技の勢いに身を任せ宙返りの形で馬から落ちた。ゴッチ式のジャーマンであったが、馬の落差も考えると雪崩式ゴッチ式ジャーマンスープレックスを決めた事になる。
「フリーズ」は、一連の出来事が無かったかのように彼方へ疾走して行った。無論「ビット」はその背中にちょこんと乗っていた。
中島は口から泡を吹き、白目を剥いてビクンビクン痙攣している。とても男前だ。
ロッキーは技を決めた感動からか「ッシャァァァァァァッ!」と右拳を高々と上げ森の中に咆哮が木霊する。
木漏れ日が2人の顔に優しく指す。
そんな午後の昼下がりであった。
中島がロッキーの雄叫びで目を覚ます。
眼鏡が破損して何処かへすっ飛び、中島の目は丁度算数字の3みたいな形になっていた。
「眼鏡、眼鏡が無いと見えないよ〜」前方に手をばたつかせながら、ひどく弱気な口調で中島がうろたえていた。
「じゃあ、これれを代はりにすべっし。」ロッキーはそういって、真中に指で穴をあけた跡のあるオレンヂ色でまだら模様の2枚組の葉っぱを中島に差し出した。
「わぁ、親切な方有りがたう。」中島は葉っぱを眼鏡みたいに一枚ずつそれぞれの目に貼り付けた。するとどうだろう、眼前に広がるのは水彩絵の具を水に落としたような極彩色のマーブル模様。
「くくくっ、見へるっ、見へるぞぉぉっ。」蘇える中島。
「ふはハハハかたじけない旅の方。」
「られりべぱ」ロッキーが一応答える。
「うーむ、しかしさっきから何か我輩にはしなければならぬ大義があったのだが、うーん、どーも思いだせん。そもそも、一体自分は何者なんだっ?何でここにいるんだ?」
先程の木の枝にぶつかった衝撃と、雪崩式ジャーマンスープレックスと、立て続けにくらったショックで記憶が一部吹っ飛んだのだろう。もっとも後半の疑問は、記憶が吹っ飛ぶ、吹っ飛ばないに関わらずナチュラルな疑問だが。
「兄貴と私♪兄貴と私♪兄貴と私♪ボディービル!」
「そうか!自分は兄貴であり、しなければならないのはボディービルだったのか!」
中島は、意味も無くロッキーが歌った歌を間違って受け取ってしまったのだった。

リーダー決めましょ♪ 投稿者:ムサシ 投稿日:2000/03/27(Mon) 14:16

「なぁ、このメンバーで行動するんだったら、リーダー決めて置
いたほうが便利やな?」
ガルが突然切り出した。
ゼフィロスまではあと1日の距離だ、街にパーティーで行くのな
ら決めておいたほうが活動しやすく、街にも入りやすい。
「いいよー♪」
「そだね」
「勝手にしろ、俺はやらない」
「もう、ステフったらー」
上からシリン、ムサシ、ステフ、ジンクの発言である。
みんなの反応をみて、ガルは大きく頷き、
「俺は最年長のムサシがいいと思うんやが、どうや?」
「最年長?」
ムサシが聞き返す。
「そうや、どう見たってお前が一番年上やろ」
「俺、18だけど……」
自分を指差しながら、ムサシ。
訪れる沈黙、それも一瞬で破られた。
『ええ〜!?』
全員の驚愕の声がハモル。
「はっはっは、袴なんて着てるから良く間違えられるんだよねー♪」
「こいつ……鏡を見たことないのか?」
ステフが呆然と呟いているが、ムサシは無視して。
「お金に几帳面なガル、意外に知識が広く、クールなステフ……」
「一言多いんだよ!」
ステフがムサシの頭を叩こうとするが、ひょいっと避ける。
どうやら、さっきのステフの科白の仕返しらしい。
「んで、初心者のシリン、何も考えてない俺、誰がリーダーに
ふさわしいと思う?」
ステフ以外考え出す。彼女はむきになってムサシの頭を叩こうとしている。
「はーい!」
シリンが元気良く手を上げる。
「はい、シリン君」
「ジンクがいいと思いまーす!」
シリンの言葉にムサシ以外全員が倒れる。
「よし!面白かったからシリンがリーダー!」
「ちょっとまて!こら!!」
ステフが起き上がり、ムサシに食って掛かる。
「いったいどーゆー判断基準だ!」
「まぁまぁ、初心者にリーダーをやらせるのも経験だよ。リーダー
経験地も入るから、成長も早くなるしねー」
「よっしゃ、じゃあ今日からシリンがリーダーやな!」
「えー……ジンクがよかったなぁ」
シリンは不満そうに呟いた。
―――――――――――――――――――――――――――――
はい、シリンがリーダーに決定!
がんばってね♪

死闘そして今度こそ、ゼフィロスへ! 投稿者:セピア=インフラレッド 投稿日:2000/03/27(Mon) 15:10

モンスターの包丁がカメラの高速微速度撮影のような放物線のスローモーション軌跡を描きながら刃先がセピアの身体に迫る。
ドスーン! バリバリバリ〜
突然、大音響を伴いながら家のドアがモンスターめがけて飛んできた。
モンスターはドアの直撃を受けるや、その下敷きになり倒れこんだ。
背中にチビドラゴン「ビット」を乗せたセピアの愛馬「フリーズ」が主人のセピアの顔を優しくなめている。
衝撃音が鋭い感覚能力を有するハーフリングであるルフィーを眠りから覚醒させた。
モンスターは脳震盪から目覚めるとその怪力でドアを跳ね飛ばし再び昏睡状態のままのセピアに襲いかかってきた。
ルフィーは麻酔矢を取り出し即座にモンスター目がけて放った。
ルーーーーーーーーーーーーー。
その瞬間、モンスターは呻き声を挙げて床に倒れ込んだ。
ルフィーが安心したのも束の間、仲間の異常に気付いた相棒のモンスターが彼女の背後から襲いかかってきた。
今度のモンスターは3メートルを超す巨体で小さなルフィーを軽々と片手で掴んで彼女の首を締め始めた。
ルフィーは足をバタバタさせながら苦しそうに藻掻いている。
フリーズがモンスター目がけて体当たりするや、モンスターは一瞬よろけてルフィーを手放した。
ルフィーは俊敏に宙返りするや、背中から矢を取り出し即座に放った。
だが、モンスターは平然と矢を右手で掴み取ると真二つに折った。
もはやルフィーの背中には矢が1本しか残っていなかった。
今度失敗したら・・・・・ルフィーは冷や汗をかきながら焦っていた。
モンスターは物凄い形相でルフィーに襲いかかってきた。
「何なのよ。この騒々しい音は・・・・・嘘、モンスター!」
騒々しい物音で、やっと目が覚めたセピアは、ただならぬ事態を察し愛馬フリーズに乗るや剣を抜いてモンスターに斬りかかった。
「この化け物、いくわよ・・・・エイッ!! 」
今度はルフィーからセピアに矛先を変えたモンスターは大きな鉄棒をセピア目がけて振り回した。
家の柱や天井が次々と壊れてゆく。
ルフィーは最後の矢を弓に装填すると慎重に狙いを定めた。
セピアはモンスターに何度もかわされながらもめげずに突進した。
セピアの剣がモンスターに奪い取られそうになった瞬間、彼女の背中にいたビットがモンスターの目に火を吐いた。
モンスターは方向感覚を失いのたうち回った。
ルフィーは、この瞬間を捉えて最後の矢を放った。効果は抜群であった。
すかさずセピアはモンスターにトドメの一撃を加えた。
その瞬間、巨大なモンスターは断末魔の呻き声を発して倒れ込んだ。
鬼モンスターから命からながら逃れていた村人たちが、どこからとなく集まってきた。
そして勇敢な彼女たちの鬼退治に歓声をあげた。
白い顎髭の村の長老が彼女たちの前に現れ感謝の言葉を述べた。
「あなた方は、わしらの村の命の恩人でおじゃる。どうか、いつまでもこの村に滞在してくでせえまし」
「私たちは、先を急ぎますので、これで失礼します」
「それじゃ、この村を救ってくれたお礼にこれを受け取ってくでせえまし。幸運の守り刀でごぜえます」
セピアは金色に光り輝く短刀を長老から譲り受けると愛馬フリーズに跨り、ルフィーを後ろに乗せて目指すゼフィロスに向けて出発した。

『ルフィーとセピアそれぞれに経験値、能力値、金銭が振り込まれます』
ルフィー、セピアそれぞれの冒険者登録コードの埋め込まれたピアス、ブレスレットからアクシス・ムンディの機械音声がアナウンスされた。

http://homepage1.nifty.com/k-ichihara/


二人のジャンキー!?に遭遇 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2000/03/27(Mon) 21:47

「ほんっっとに大丈夫なんだろうな……」
ゼフィロスに向けて進みながら、ステフは何度もこの台詞を口にしていた。
「大丈夫大丈夫、いざとなったら俺達がシリンを助ければ良いんだから」
「そりゃあ、そうだけどよ。あいつはっきり言って初心者以前の問題だぜ?なにやらかすやら……」
「シリンのことが心配なんだね、ステフ」
ムサシとステフのやりとりを聞いていたジンクがくすっと笑った。
「なっ……!」
ジンクの言葉にステフの顔が赤くなる。
「おっ、照れてる照れてる――あてっ!」
ムサシ、またステフの気に障ってしまったらしい。
当のシリンはと言うと、なにやら訳の判らない鼻歌を歌っている。一応メロディーにはなっているみたいだが。
「シリン、それなんちゅー歌や?」
「空が青くてお腹が減った歌です!」
「なんやそりゃ!?誰の歌ねん?」
「作詞作曲はあたしです〜♪」
「……ムサシ、これでもまだ大丈夫といえるのかよ?」
「う、うーん……」
流石のムサシも、ちょっと自信が無くなってきた。
そのうち一行は、大きな川を渡り、いよいよ森の反対側の端に近づいたのだが、突然シリンが立ち止まった。
「ありゅ?」
「どうした?シリン」
「前に、誰かいますー。こう、ぎゅーっとして、くねーっとして、ピンクと変な緑色のが……」
----------------------------------------------------
上は中島達のことです。
凰、さっさとクトファーの書け!

http://homepage1.nifty.com/matsubay/


休んで考える中島上等兵 投稿者:中島上等兵 投稿日:2000/03/28(Tue) 15:22

 ボディービルをしようにもやはり木の葉の眼鏡では具合が悪い。そればかりは記憶がトンでも身体が覚えている。
 中島上等兵は左手で木の葉の眼鏡を抑えながら慎重に自分のめがねを探した。
 約一時間後、めがねは見つかった。しかし…
「貴様何やってんだ、こら!」中島上等兵が叫んだ。
言葉はきついが、その語調はべそかいている状態である。
ロッキーが中島上等兵のめがねを踏み抜いていたのである。
(仕方がない…)
中島上等兵は背嚢(注1)を下ろすと、中から新しいめがねを出した。
「おい、スペアはこれだけだからなー、壊すなよ」
中島上等兵は徐々に思い出してきた。
……そうだ、ルフィーとセピアを護るといった以上、これは任務(注2)なのだ。上官がいない以上、自ら声明した事は達成せねばならない。で、俺を兄貴と呼ぶこいつは…まあ、何だな、どこかの落伍兵だろう。まあ、俺を兄貴と呼ぶからには上等兵以上の階級ではないようだな。
中島上等兵は「ほまれ」(注3)に火を灯し、大きく吸い込んだ。
(少し休んだら出陣じゃあ)
ロッキーは何かを叫びながらのたうち回ったり踊ったりしている。
(注1)背嚢…軍用リュックサックの事。
(注2)任務…役割や用事とは違い、任務は絶対である。上官がいない場合、
    自ら判断する。
(注3)ほまれ…軍隊専用たばこ。民間では売っていないレア。
    安かった。余談ですが自衛隊の官給たばこはマイルドセ
    ブンだそうです

中島達との邂逅 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2000/03/28(Tue) 19:25

――中島とロッキーの口論(?)が一段落付いたところに、シリン達が訪れたのである。
「なっ、なんやあのけったいな連中は!?」
「むむっ!」
敵(?)の気配を感じ、素早く銃を構える中島。
「あっ、あれは、おれがトラップにかかったときに出てきた!!」
ステフが声を上げた。顔を見たのはほんの数分だが、しっかり憶えていたらしい。
「貴様らは、以前遭遇した連中だな?やはり、あのアールセキンだとか言う男に見捨てられてしまったのだな」
「違う!あんな奴、最初からおれ達の仲間なんかじゃない!人の獲物を盗むような奴だぞ!」
「そうなのか!?ではきゃつめは貴殿らにとっても敵であったのだな。むむ、人さらいに加えて強盗まで企てるとは卑劣な!一刻も早くきゃつを捕らえないと――」
「あのぉ〜、おじさん誰ですかー?」
ステフ、ムサシ、アールセキン、中島の会話を知らないシリンの頭上には複数個のクエスチョンマークが浮かんでいる。
「自分は中島邦昭、大日本帝国陸軍上等兵だ」
「だ、だいにっぽんていこくぅ〜!?」
中島の自己紹介にガルが目を白黒させた。
「中島さんですかー。あたし、シリン=ダーって言います〜」
ガルの隣で元気良く中島の敬礼をまねるシリン。
「シリン、お前警戒心無さ過ぎるで」
「いや、貴殿らがあのアールセキンとやらと敵対する団体なのであれば、自分は貴殿らと争う気はない。そこの少年、攻撃の構えをやめてくれ」
「誰が『少年』だぁぁぁぁっ!俺はれっきとした女だ!」
「し、失敬」
「まぁ、とにかくこっちも自己紹介をしよう」
ムサシが今にも飛びかからんばかりのステフを押さえ込み、シリン以外のメンバーも中島に一通り自己紹介をし終えた。
「……あのピンク色の変な男は何者だ?」
ステフはよほど怒っているらしく、まだ顔がむすっとしている。
さっきまで忘れられていたロッキーは、中島の背後で不思議な踊りを踊っていた。でも誰のMPも下がらない。そもそもサイアドにMPやHPという概念は無いからだ。負傷したり疲労が蓄積すれば戦闘において不利になることに代わりはないが。
「あれは、途中で背負い込む羽目になったロッキー=メイビアとか言う奴だが、ピンクひじきで良い。はっきり言って奴が何を考えているのか、自分にはさっぱりわからん」
「ところで、何で上等兵さんはアールセキンを追っているんだ?」
「実は、かくかくしかじか――ということがあって、自分はきゃつの魔の手に捕らわれたセピアとルフィーを救出しなければならんのだ」
「じゃあ、俺達と一緒にゼフィロスまでいかへんか?そのセピアさんとやら達は、もしかしたら逃げてゼフィロスに来てるかもしれへんで」
「だが、しかし――」
「ガルの言うとおりだ。この広い森の中を手がかり無しで捜すより、都市で情報を集めた方が確実だよ」
「にょほろほ〜ん♪そうよ〜ん♪」
「きっ、貴様は黙っとれ!!」
 だが結局、ムサシ達の説得で、中島とピンクひじき(ロッキー)は、とりあえずゼフィロスまで同行することになった。

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なんとなくトートを歩かせてみる。 投稿者:MAO 投稿日:2000/03/29(Wed) 00:16

『――♪――』
 トートの頭の窓でチープラフが掻き鳴らしているのはシャンダンと呼ばれる弦楽器だ。ハリセンを逆さにしたような形状のギター状のもので5本の弦というのが大きな特徴といえる。普段のセコイ笑いとはうって変わって、乾いた風のような声が直線の町に響き渡る。元々は完全な近未来の様相をしていたと思われる直線的な街並みに埃が立ち,人が溢れて行商をして歩く。ムシロに座って
じっと押し黙ったまま客を待つトートのような人種も居れば、日々の暮らしを運と勢で気楽に生きるカリン---チープラフのような人間も居る。初期データでは磨き上げられたガラスも目に眩しい大都会ゼフィロスも,半ば商業都市として生活のにおいが染み付いている。
 遠くのほうから低い汽笛が聞こえ,砂漠の方面からの砂上船の到来を告げる。また、多くの人がやってきてその流れも絶えず。
折からの微風と良い日和にうつむいたトートに影がさす。見上げると目の前に客が立っている。子連れの老婆だ。5,6分の逡巡の末に小さな木馬の置物を買ってまた喧騒の中に沈んでいく。腕にはめ込んでいる腕輪にゴールドが加算される。行き倒れのアドベンチャラーの腕輪を頂戴して改造したもので、もうすでに内部時間5年はもっている。もう捕まることはあるまい。
「ちょっとうろついてくる。店番頼むわ」
『捕まんじゃねぇぞゲヒヒヒヒ。』
 立ち上がると入れ替わりにチープラフが飛び降りてくる。腰を伸ばしたトートの向かう先は大通りの方面。時々走り来る馬車以外は歩く人が渦になっている。街の正門の検閲を抜けるとそのまま城まで一直線だ。八方向に門、そして検閲があるわけで正門の扱いになる東南の門が森に続いている。トートがはいってきた砂漠のあるのが南西門,折からの微風が砂漠からの強風になり,黄色い砂を運んでくる。

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えーっと、こんなもんでいいかしら。

この段階で投稿2回目!(爆) 投稿者:アレイク(うなぎ) 投稿日:2000/03/29(Wed) 02:08

「やっと見つけたぞ、このハッカー野郎め!」
 ムシロに開かれた露店。そのトートの露店の店番をしていたチー
プラフ(カリン)の前に立った二人の男。
「ヒッ‥‥貴様わぁ」
「忘れたとは言わせんぞ。このクトファー様の顔を」
「キヒヒヒィ‥生きてやがったか!」
 目の端を引き吊らせながら白い化粧をしたような顔に汗を滲ませ
るチープラフ。シャンダンを脇に置いて、露店に並べられていたマ
チュピチュ産の攻撃用ピアスにそっと手を伸ばす。
 ガッ!
 チープラフの指先にあったそのピアスは、黒い砂だらけの靴によ
って踏まれた。足から膝、腰へと視線を上げてゆくチープラフ。そ
こには黒い聖職者姿の男が立っていた。
「こいつか、クトファー。あんたの言ってたハッカーってのは」
「ああ、忘れもしねぇ。このイカレピエロ野郎だ」
「き、貴様は‥」
 全身から汗を滲ませながらもニヤけた顔を崩そうとはしないチー
プラフは、クトファーと肩を並べる男に問いかけた。
「我が名はアレイク=ハードラ。神の名に於いて貴様に神罰を加え
る!」
 チープラフは記憶の糸を手繰った。そして‥‥
「ま、まさか、貴様もハッカー!?」
 昔、誰かから聞いた事がある。ハッカー狩りをするハッカーの存
在を。聖職者を気取り、何人ものハッカーを消滅させて来たその男
の名を。
 アレイクは左手で聖書を取り出し、そして右手をその表紙に乗せ
る。
「こ、こんな街中でやろうってのかい!?」
 アレイクは暗く、そして冷ややかな笑みをたたえて呟く。
「書庫解凍。ラグナレク実行(ラン)‥‥」
「お、おい‥‥」
 クトファーはうろたえていた。ハッカー狩り、ここゼフィロスへ
到達するまでアレイクはそんな事、一言も口にしてはいなかった。
聖書が赤い光に包まれてゆく。
「キヒィィッ!」
 赤い光の束がチープラフ目掛けて放たれる瞬間、彼は跳躍してそ
の攻撃魔法をかわした。彼の座っていた位置、そこにあったムシロ
が乱数に戻され、16進数によって形成されるデータが一文字一文
字消滅してゆく。明らかに違法改造された魔法ソフトだ。
「チッ!」
 アレイクは大通りへと逃げて行ったチープラフを追いかける。人
々の雑踏をかき分けながら、ペイントされた白い顔を探し出す。
「お、おいっ、待てよ!」
 クトファーもその後を追い、雑踏の中へと消えて行った。
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久々に書いてチープラフ使ってしまいました。いつの間に二人が
ゼフィロスに来てたのかって質問はナシね(笑)。その辺は読者の
想像に任せるって事で(おいっ)。
設定上での決まり事とか、はっきり言って理解してません。不都
合があれば削除しちゃってくだされ。
なにげにMAOさんの文章やイラストのファンだったりする(笑)。

猫達と共に、喧騒からその身を隠し―― 投稿者:マイナリス=グリム(μξ) 投稿日:2000/03/29(Wed) 03:03

少々の苦労のすえ、マイナはグレムリンである事を隠すために帽子を深くかぶっていた。
こうすれば、上の視線から見下ろすプレイヤー達にはクリーチャーとは気づかれにくい。
牙に気をつければ、せいぜいがエルフの子供と見られるだろう。

ここはすでにゼフィロスの街の中である。
陽ほぼ沈んでしまった中、マイナは一人、建物の屋根の上にいた。
『変身』とアールセキンの独特のノリで検問を通過した後、忙しない喧騒と人ごみに、
二人は一気にはぐれてしまったのだ。
特に行くあても無く適当にさまよった後、『英雄ゼフィロスの像』がある広場まで来て、
マイナは歩き回る事をやめた。
なんとなく『ゼフィロスの像』を上から一望できる光景が気に入って、近くの建物の屋根で
一夜を過ごす事にしたからだ。
ここなら人目に付く事も滅多に無い。
丸まって寝るだけでは寒いかなとも思ったのだが、どこからか猫が集まってきて彼の周りで
同じように丸まって寝出したので、マイナは特に寒さを感じる事も無く眠りに落ちて行った。

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検問部分は思いつかなかったので、カットしてしまいました。
この後は……考えていません。

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月光ライト 投稿者:アールセキン(宗一郎) 投稿日:2000/03/29(Wed) 04:20

「ふう、こんなところで寝ていたんですか」
アールセキンはマイナが眠っている屋根をの上に昇るとやっと、そこで一息ついた。
そして、ゆっくりとした動きで眠っているマイナの隣に腰を下ろす。
「はぐれてしまわれるから、一時はどうなる事かと思いましたよ」
マイナに対して話しかけると言うよりは、独り言でも呟くかのようにアールセキンは続けた。
「見てください、綺麗な月が出ていますよ」
そう言いながら、懐から特製の紅茶を詰めた小瓶を取り出す。
それのふたを空け、少量を口に含むと軽く下の上で転がしてから飲みこむ。
いつのまにか、月に雲が掛りはじめていた。
「と、その前にせっかくの月見を邪魔する無粋な連中を片付けなければいけませんねえ」
ニヤリと口元を歪め、得意の薄っぺらな笑みを浮かべると、ぐるっと周囲を一瞥する。
「出てきてください。プレーヤーキラ―さん」
アールセキンの声に応じて周囲の家の屋根に5人ほどの人影がたちあらわれた。
月明かりがないせいでその姿まではわからない。
「おおかた、この子の単純さに目をつけたつもりでしょうが、私のような者がいて当てが外れましたね」
じり。
影達は返事もせずにゆっくりと間合いを詰めてくる。
「どうしました?起きているもの相手では勝つ自信がないんですか?」
軽口を叩いてはいるが、眠っているマイナを庇うのなら、アールセキンに相当不利な状況だ。
だが、アールセキンは再び口元を歪めて笑うと胸元のポケットから真っ白なハンカチを取り出した。
アールセキンはそれを指で摘み上げると敵の一人に向かって
手首のスナップで投げつけた。
するとそのハンカチは、布切れとは思えないほどの加速で飛び、その勢いで持って影の一人につき刺さった。
それはバランスを失って屋根の上から崩れ落ちる。
その一瞬の出来事に、敵がざわめいた。
その隙に、アールセキンはニ投目のハンカチを放った。
ハンカチが突き刺さるのも確認せず、すぐさま残りの三人に向かって襲いかかる。
当然、アールセキンの異常なスピードについてこれる者などいはしなかった。
まるで俊敏な猫科の肉食獣のように無駄のない動きで一人目の喉元に手刀を突き立てる。
そして、そのままの手でもう一人のわき腹をなぎ払った。
皮膚の裂ける音。そして、一呼吸置いて血が溢れ出す。
目だけを動かして、アールセキンは最後の獲物を確認する。
それは、あまりの事態にまっすぐに歩く事さえもできずにこちらに背を向けて必死で逃げようとしていた。
「さようなら」
そうつぶやき、硬直している男の肩をそっと押してやる。
アールセキンにはそれだけで用は足りた。
全てを終えたアールセキンが上を見上げると、ちょうど月が
雲から現れ、彼の姿を照らしていた。
「本当に……いい月夜だ。こんな雑魚を相手にするには惜しい夜ですよ」
アールセキンはそう言って、また笑みを浮かべた。

仕方ない、早くゼフィロスに行かないと 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2000/03/29(Wed) 17:10

――翌朝、シリン達一行は無事にゼフィロス市に到着した。彼らを威圧するように出迎える、クリスタルのテクスチャを纏った高層ビル群にシリンは目をまん丸くした。何しろ彼女は「集落」を見るのは初めてだし、ゼフィロスはC-アトランティス有数の大都市だからだ。
「うわぁ、凄いですねー!」
「どや、驚いたか?シリン」
「はいっ!でも、想像していたのとは違うです〜」
「まぁ、そうだろうね。サイ・アドってソード&マジックとSFが混じったような世界だからね」
「こんなもんで驚いてちゃ駄目だぜ、もう遺跡になっちまったC-マチュピチュの神殿群跡や、海底都市C-ポセイドンなんか、もっと凄いんだからな」
「そうなんですかぁ〜」
ステフの話を聞くシリンの瞳は、子供のようにきらきらと輝いている。
「行きたいんか?シリン」
「はいっ!」
シリンはガルの問いに元気良く手を挙げた。一方、ステフの表情は複雑だった。
「マチュ、か……懐かしいな……」
「ステフ……」
ジンクには、その台詞を呟いたステフの心情を完全に判ってやることは出来ないが、彼女がクトファーや、喪われた昔の仲間を思っているのは明白であった。
「じゃあ、行こうか――ほらリーダー、みんなに指示を」
「え、えーとっ、皆さんー、ゼフィロスに入りましょう♪」
シリンのたどたどしい指示に従い、一行は検問に向かった。検問と言っても、カロンがいるわけではなく、それほど厳重なチェックを行われるわけではない(無論、市内をカロンが巡回パトロールしているが)。
「検問か……」
だが中島は、「検問」という言葉の響きに思わず渋い顔をした。
「大丈夫や、おっさん。俺達何も悪いことしてへんのやから、そんなに背中丸めてないで堂々と歩いたらどうや」
「自分はおっさんではないっ!」
シリン、ムサシ、ステフ、ガル、中島の順に、次々と無事に検問を通過する。が、しかし――
「むむっ!怪しいやつめ!名を名乗れ」
「ひょろひほへひぃ〜〜〜〜〜!」
――案の定というか、ロッキーは見事に検問に引っかかってしまった。彼の冒険者コード照会によって無実が判明するまで、三十分ほど一行は足止めを食ってしまった。

*一刻も早くシリン達もゼフィロスに入らなければ乗り遅れてしまうので、市内に入れてしまいました。ごめん、凰!

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