投稿者:クトファー(凰☆殷雷華) 投稿日:2001/07/22(Sun) 04:21

アピアがバグを沈静化しつつ、マイナが壁を壊す。そうしてしばらく進んだが、全く人に遭う気配はなかった。
「おかしいですね。かなりの数の参加者がいたはずですが、全く遭わないというのも……」
「不気味だよなぁ、かなり」
後ろに続くクトファーとクキが横道となる通路を確認しつつ呟く。二手に分かれてから、全く人に遭っていない。こちらの道に進んだ冒険者が少なかっただけなのだろうか。人っ子一人いない通路はかなり不自然だった。そんな折、クトファーがふと足を止める。
「……なんか…音がしねぇか?」
「音…ですか?何も聞こえませんけど?」
「なんかこぉ、がさがさがさって言うのと小さな足音みたいなのが………。出所はこっちか?」
そう言ってクトファーが横道を覗き込み、クキがクトファーに倣おうとした時だった。
「チビすけ避けろっ!!」
クキ自信がそれを認識するまでもなく、クトファーにものすごい力で跳ね飛ばされ、反対側の壁に叩きつけられる。
「けほっ…。ひどいですよ、クトファーさん」
叩きつけられて一瞬息が止まり、苦しげに抗議するクキ。しかし、目の前にいたはずのクトファーはいなくなっていた。
「……クトファーさん?」
「んだよ」
声がして、横道の奥から顔を出したのは、頭から尻尾までが1mはあるような、大きな鳥だった。
「ク、クトファーさん?」
指をさしつつ恐る恐る訊くクキに、鳥は不機嫌そうな顔で腕を組むように翼を組む。
「だから、なんだよっていってんじゃねぇか」
「ど、どうしたんですか、それ?」
そう言いながらもクキは必至に笑いをこらえている。鳥――もといクトファーが顔を引きつらせながら答える。
「スライムにやられたんだよ。全く…スライムががさがさ言うなんて反則だよなぁ」
「なにやってんのよ、置いてくわよ!?」
そう言いながらアピアとマイナが引き返してきたが、クトファーの姿を見るなり、アピアが腹を抱えて笑い出す。
「な、なにその不細工な鳥〜!」
「うっせぇ!!バグ・スライムにやられたんだよっ!笑ってねぇでとっとと治せ!」
けらけらと笑いつづけるアピアに鳥クトファーが怒鳴り散らすが、その姿では迫力も何もあったもんじゃない。
「治せって言ってもさ。見た目が変わっちゃうようなバグなんか直せないんじゃないのぉ?ぷくく…」
「これは表面にデータを貼り付けられただけだから、エラーコレクションで充分治るレベルだ。さっさと治せ」
笑いが止まらないアピアに対し、憮然と言い放つクトファー。そんな二人に苦笑しながら、ふと気付いたようにクキが問う。
「ところで、クトファーさん。その危ないスライムはどうしたんですか?もしかしてまだその辺をうろついてるとか……」
「んぁ?ああ、あいつなら俺がつつき殺しといた」
「きゃはははははは」
けろりと言うクトファーにさらに笑い出すアピア。クキのほうも呆れたような目で見ている。
(結構順応してるじゃないですか)
心で思っても口には出さないようにする。ここでクトファーを逆撫でしたところで意味も何もない。
「とりあえず、早く試してみましょう。先に進まなきゃいけないんですし」
「しょうがないわねぇ。……書庫解凍、エラーコレクション、ラン」
クキに言われてしぶしぶ動き出すアピア。魔法をかけるとクトファーはしっかり元の姿に戻った。
「感謝しなさいよね」
「サンキュー」
「あら、随分素直じゃない?」
クトファーにしては珍しくあっさりと礼を言うので、アピアのほうがちょっと拍子抜けする。
「そんじゃ、こっちもよろしくな♪」
そういうクトファーが指差す先には、ネズミやら猫やら24,5匹の動物達がすがるような目で見上げている。
「もしかしてこれって…」
「そ!この辺一体にいた参加者☆皆スライムにさらわれてこんなんなっちまったわけよ。そんなわけで治してやってなv」
にっこりと微笑むクトファーに、今度はアピアの表情が引きつった。それからしばらく――ひたすら疲れきった声でエラーコレクションを唱えつづけるアピアの声が木霊した。

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ちょっとおふざけを。
やっぱりあっさり脱出しちゃつまんないし、何か障害を考えません?

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お久しぶりでございますぅ☆ 投稿者:復活!クリスぅ 投稿日:2001/07/25(Wed) 20:29

「いいところに来たわね!さ、さっさと出ましょ!こんなとこ!」
 揺れになれたのか、えらそうにふんぞり返りながら、クリスは壁を指差した。
 周囲の騒音とは裏腹に、無言になる一同。
 空白の時を打ち破って、ルーティンが疲れた声でつぶやいた。
「・・・どこに?」
「・・・・・・」
「さっさとなんとかしなさいよね!小娘!」
 おばさんが買い物篭を振り回しながらわめくと、固まっていたクリスがゆっくりと振り向く。
 口元には引きつった笑みを浮かべて
「・・・なんとかしてやろうじゃないのさ!後悔しないでよね!」
「・・・・!な、なによ?」
「わーやめろ!やめろ!」
「あう・・・や、やめてくだ・・・がく」
 もう遅い。逆上したクリスは耳元のピアスに手をやると魔法を唱えた!
「エキスパンド!・レッドツェッペリーン!!・ラン!!」
 灼熱の業火がすべてを捕らえた・・・かに思えた。
「・・・あれ?」
『おっとぉ、少々おいたが過ぎますねぇ、冒険者諸君』
 魔法は発動せず、目を開けた一同には、ぷかぷかと空間に浮かぶ謎の男の姿が映った。
¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥
彼は案内人。兼首謀者の人。さて、どんな人でしょー。

やっぱりこいつらはこうだった!! 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2001/07/31(Tue) 02:01

「プリングルス!プリングルス!」
「ほえええぇぇぇぇぇ(ドップラー効果)」
――状況を全く把握せず、いつのまにやらロッキー(と彼の小脇に抱えられたシリン)は妙なところまで駆け上がっていた。
「チップスタァァァァ!!」
 バン!!(効果音)
 奇声を発してロッキーが何かのドアを化鳥蹴りで蹴破った――と、そこには何やら奇妙な装置が。
「あれー、何か色々ありますぅ」
 地面におろされたシリンは早速それに興味を示した。流石に龍尾別荘で重大な前科のある冒険者である、何の躊躇いもなく彼女は種々のレバーを動かした。
『うみゅぅぅぅぅぅ!!??』
――ポセイドンを大騒がせしていたフィエンドロボが、突然少女の声で奇妙に絶叫した。

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無題 投稿者:ブラック(砂時計) 投稿日:2001/08/07(Tue) 01:14

「ったく!何匹いるんだコイツら!?」
ゾンビの魚達と戦っているブラックとジンク。いくら倒してもまたすぐ向こうから現れる。
ゾンビ達は1匹1匹は弱いが集まったら結構なものになる。まさに『チリもつもれば山となる』みたいなものだ。
「とっとと消えろ!」
ボウゥゥゥゥゥゥゥゥ
まわりに人がいないためブラックはせいいっぱい口から炎を吐く。ゾンビ達はそれをまともに食らう。
「やっぱり数だけか・・・」
「でも疲れますよ・・・」
2匹がそんな会話をしている時、ある声が耳に入ってきた
『うみゅぅぅぅぅぅ!!??』
「・・・え・・・!?」
「ん・・・?この声どっかで・・・」
2匹は声のしたほうへ目をむけると・・・
「なっ!?なんなんだあれ・・・!?」
大きな建物、フィエンドがロボットの形になっている所であった。

何も考えてません、こいつら。 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2001/08/15(Wed) 16:07

「うみゅう、何だか建物が動いてるですぅ、面白いですぅ♪」
 嬉々としてフィエンドロボの操縦桿を動かしまくるシリン。当然、どうやれば何がどう動くか、ということなど、一切考えていない。
 一方、ロッキーはと言うと、彼が蹴破ったドアによって押しつぶされ動かなくなった男を、小枝でつついていた。
――それこそが、先程クリス達の目の前に映像を投影していた、事件の首謀者の哀れななれの果てであった。

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久しぶりに合流 投稿者:ルフィー(神永 緒忍) 投稿日:2001/08/15(Wed) 18:26

少し落ち着いてきたものの、相変わらずかなり揺れている。
その中、ルフィーはよろけながらも第2ステージのフィールド内を回り色々な人に声を
かけていく。しばらく歩くと、揺れが収まってきた。
「ふう、少し落ち着いたようね。あ、あれは?」
「ルフィー! ルフィーじゃないの?」
「セピア姉さん! 姉さんもここにいたのね。」
「そうよ。それでね・・・・・・・・」
ルフィーは今何が起こっているかということをセピアから説明された。そして、ルフィ
ーもムサシの存在と発信機のことを伝えた。
「なるほど。とにかく私たち以外の人も集めましょう。」

揺れが収まったので、その後の人集めはだいぶうまくいった。そして、しばらくすると
ムサシから通信がきたようである。

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 というわけで合流させてみました。

http://homepage1.nifty.com/oshino/


「当方腐敗は王者の風!!!!」 投稿者:アールセキン 投稿日:2001/08/15(Wed) 22:16

「ふふふ、私とレス君の楽しい午後のひと時を妨害した報いとくとその身に味わっていただきましょう」
『うみゅぅぅぅぅぅ!!??』
 アールセキンの声に答えるかのように、フィエンドロボが天高く吼えた。
 アールセキンの口元に笑みが浮かぶ。
「はっは、では参りましょう」
 叫ぶや否や、いつものように大跳躍。フィエンドロボの真正面、鼻っ面の先まで跳びあがる。
「裏紳士流 裏閃(リゼ)!!!」
腰だめに構えられた手刀が、幾何学的な直線を描きながら前に伸び、大気をも穿つような鋭い一撃が生み出される。
 純粋な破壊と速さを纏った高速打撃。
 決して避けることのできないそれは、完膚なきまでに敵を打ち砕き、それですべてが終わるはずだった。
「受けた!?」
 アールセキンの手刀をフィエンドロボの鋼鉄の右手が、しっかりと受け止めていた。
 ロボの右手はそのまま打ち払うような動きで、アールセキンの体を弾き飛ばす。
 すんでのところで体勢を立て直し、着地したアールセキンは視線をフィエンドロボに向ける。
 アールセキンの目には、それがさきほどよりもさらに巨大な姿に映った。
 
「うみゅう、アールセキンさんですねぇ。なんで、おそってくるんでしょう?」
 操縦席に座るシリンは首をかしげていた。
「……そういう時はこぶしで語るにょろよ。肉体言語だぜええ」
「なるほどぉ。そういうものなんですねぇ。よし、いきますよぅアールセキンさん」
 これはもう、アドバイスをする人間とされる人間両方が悪いとしか言いようがない。
 こうして、フィエンドロボの猛攻が始まった。
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ああ、すごいね、シリン。そしてロッキー

なんだ? 投稿者:ヘル(JOHAN) 投稿日:2001/08/17(Fri) 21:18

「なんだあいつは。」
 ヘルは腕を組み、フィエンドと格闘する謎の男を眺めていた。
「中にいる人間には完全に躊躇無しみたいね。」
「ああ。バカか悪人かは知らんが、放っておくのもまずいのではないか?」
 しかし、一方でゾンビフィッシュと戦うブラック達も気にかかる。
「どうする?」
「私、人見知りする方だから…」
「では決まりだな。」
 ヘルはゾンビと戦うブラックの方へと飛び立った。どうにか食いとめてはいるものの、相手の数が数だけに、いつ突破されるかわからない状態になっている。
「くっくっく、では久しぶりにやるとするかな。」
 一気に急降下して囲みの中へ突入したヘルは、向かってきた何匹かのゾンビを素手で打ち砕き、杖を構えた。
「消えろザコども!書庫解凍・パウダーミスト・ハウンズトゥース・実行!」
 火薬の霧と共にが巻き起こり、周囲のゾンビをあらかた木っ端微塵に吹き飛ばす。
「他愛も無い連中だ。」
 しかし、ヘルの視界は、新たに向かってくる無数の魚達で埋め尽くされている。
「だが、この数はやはり厄介だな…」

いいかげんに脱出したいなー 投稿者:クリス 投稿日:2001/08/17(Fri) 23:48

「あ、そーだ」
 クリスはぽんと手を打った。
 突然のセリフに、一同クリスを注目する。
「逃げるんだったら、さっさとこれ使えばいーんだっけ」
 クリスはサークレットに手をかざすと、曇りひとつない水晶玉を取り出した。
「クリスさん、なんですか?これは」
「えと、テレポーテーションアプリみたいなや」
「はよ言えやっ!!!」
¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥
ラスファーさん、幸子さん、まだやりたいことあります?

ライバル 投稿者:ブラック(砂時計) 投稿日:2001/08/25(Sat) 02:33

キィィィィン!
突然ブラックの所に青い光線が飛んできた。ブラックはすばやくそれをよけた。
「どうした犬?」
「・・・なんか飛んで来やがった・・・」
(こんな攻撃、あの雑魚ゾンビどもはしないぞ・・・?)
そう思ってブラックが光線の出もとの所を見ると、そこには1匹のクリーチャーが立っていた。
「なっ・・・!お前は・・・!」
「久しぶりだ ブラック」
驚いた表情のまま立ち尽くすブラック。
「なんだ、知り合いか?」
ヘルがゾンビ達を蹴散らしながら問い掛ける。
「貴様・・・ナイトメア・・・」
「もう ブラック 死んでいると ナイトメアは 思った」
「余計なお世話だ・・・」
「犬、なんなんだコイツは?」
「俺のパートナーの知り合いのパートナーだ・・・」
ブラックはナイトメアを睨んだままヘルの問い掛けに返答する。
「ブラック ナイトメアと 勝負しろ」
「・・・・・・」
ブラックはナイトメアが光線を放ってきた時から勝負を挑まれる事をさとっていたのか、何も言わずに頷くだけであった。
「ヘル、雑魚どもを頼めるか?」
「ん、ああ」
(ブラックとアイツはなんで戦うんだ・・・?わけがわからん)
どう言うつながりがあるのかもわからず雑魚を引き受けるヘル。
「雪豹、お前も頼むぞ」
「あ、はい」
ジンクは他人の事情には首をつっこまないようにしようとしているのか、雑魚ゾンビを倒すのに専念しようとしている。
「ここで 戦うの せまい ほかの場所 行くぞ」
「ああ・・・」
2匹は一緒にどこかへと姿を消した。

ばいばい 投稿者:クリス 投稿日:2001/08/25(Sat) 09:46

 頭に手をあてて照れ笑いするクリスは、ひとしきり苦笑いした後、例の水晶玉をだした。
「それじゃぁ、外に行くわよー。用意はいい?」
「早くしなさい!小娘!」
「早くしてくれー」
「たのむ・・・」
 幸子その他2名が口々に騒ぐ。ラスファーはこくりと小さく頷くだけだった。
 クリスは水晶玉の滑らかな表面をなでた。
 閉じた瞳の中に、イメージとしてフィエンドの外の情景が映し出される。
(こんな感じかなー?)
 一瞬、まばゆい光が思考を満たした・・・気がした。

 ラスファーと幸子とルーティンとヴィセルスが目を開けると、そこはすでにフィエンドの外だった。目の前には訳のわからんゾンビの群れが、見覚えのある豹にぼこぼこにされてる。
 フィエンドを見ると、なぜか巨大ロボットにされてタキシードの紳士と戦っていた。
「わっはっはっはっはー(ドップラー効果)」
「うみゅぅぅぅぅーーーー!!(同じく)」
「ぷりぷりぷりんぐるるるるるすぅ!!!(以下略)」
 そして、一向の中に、クリスの姿は無かった。
「・・・あれ?クリスさん・・・?」

 クリスが目を開けると、そこには予想通り彼らの姿はなかった。薄桃色の唇を持ち上げると、一人、ほくそえむ。
「フェイ?」
 後ろの影が、ゆっくりと広がり、クリスの姿を包み込む。
 次の瞬間には、クリスを抱くように立つフェイ・ツォウリンその人の姿があった。
「どうやら、ここにはなかなか楽しいものがありそうですよ、クリスさん」
「やっぱりねー☆あの管理人もなかなか楽しい事してたし・・・ふふふ・・・『世界』の作り方のヒントがありそうかな?」
「そうかもしれませんねぇ。さぁ、行きましょうか」
「うん☆」
 クリスは微笑みかけるフェイに無邪気頷くと、歩き出した。
 フェイもその後をたどる。
 口元に、微笑みをかすかに映らせながら
 恐ろしく冷酷な瞳で
¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥
クリスタクシー、オープン!
先着10名様を、今フィエンドの外へ無料テレポート!(笑)
さて、なにやら『世界』などという名前が出てきましたが、実際はなにも考えておりません!(笑)
ま、とりあえずシリンとロッキーのところへ。よろしきゅー☆

拳の軋む音 投稿者:アールセキン 投稿日:2001/08/27(Mon) 01:31

「いきますぅ。フィエンドぱあんち!!!!」
「ごふっ」
 こぶしを繰り出しあうこと数十回。ついにシリンの『ぐーぱん』がアールセキンを捉えた。
 たとえ一撃とはいえ、10倍以上の体格差があるロボットの繰り出す『ぐーぱん』は十分致命傷足りえる。
 勢いよく弾き飛ばされたアールセキンは付近の家屋にそのままの勢いで激突すると、あっという間に瓦礫と粉塵に飲み込まれた。
「ふっ、やってくれますねえ」
 10秒ほどの沈黙の後、まだ落ち着かぬ粉塵の中からアールセキンが姿をあらわす。愛用のスーツは灰燼に塗れすっかり薄汚れてしまっている。
 すその汚れを片手で軽く払い落とすと、かすかに笑み。
 いつものことながら、ろくでもないことをたくらんでいる証だ。
「強くなられましたね、シリン様」
 こぶしを握りしめ、瞳を閉じる。静かな時。
「ですが、負けるわけにはいきませんよ!!!」
 吼えると同時に再び飛翔。
 目指すは、フィエンドロボの頂点に位置する、コックピットルーム。
 当然、近づけさせまいとロボの両拳がアールセキンを襲う。
 真正面からの左拳を飛び越し、その上から襲い掛かる右拳を受け止める。
 目指すコックピットはすぐそこにまで迫っていた。
 しかし、何か本能的な勘がアールセキンにまだ、ロボの攻撃が終わってはいないことを告げていた。
 最後の反撃を警戒しつつ、アールセキンは攻撃態勢に移る。
 いつものように手刀を形作り突きの形に構える。だが、放つのは『裏閃(リゼ)』ではない。
 刹那、アールセキンの速度が倍加した。もはや、音すらも追いつけぬ速さ。その加速が、構えられた手刀に乗せられる。
 その一撃を放とうとした瞬間、アールセキンはやっとあるものに気づいた。いや、その瞬間が来るまでは気づけなかったというべきか。
 真下からでは到底わからないが、この高さまで上り詰めた今ならわかる。フィエンドロボの頭部には大きな銃口のようなものが備え付けられていた。あたかもZZガ○ダムのように。
 その銃口に光が集まっている。今にも溢れ出さんとする光が。
 しかし、いまさらこの加速を止めることはできない。こうなれば、いちかばちかの賭けしかないのだ。
「裏紳士流『静龍(セイロン)』!!」
「フィエンドビィーーーム!!!!!」
次の瞬間、辺りに凄まじい閃光と爆発音が広がった。 

量産型め 投稿者:ヘル&ライザ(JOHAN) 投稿日:2001/08/27(Mon) 09:03

「珍しいわね、あなたが人のお願いを聞いてあげるなんて。」
「ん?…なに、気まぐれだ。」
かなりの数を倒しているはずだったが、敵の勢いは衰えない。二人と一匹が戦うのをやめてしまえば、町中が埋め尽くされてしまうだろう。
「持久戦になる…か…。この際魔法の連発は控えたほうがいいだろうな。」
「そうみたいね。私は体丈夫じゃないから、お願いね。」
「ふむ、雪豹…だったか…貴様も途中でへばらんようにな。」
「わかってます。」
「ではいくぞ、書庫解凍!マッスラ−ストレングスアップ・クイックロンド・ハーモニックフェザー・実行!」
ヘルとジンクは空中へ飛び上がり、上昇した攻撃力とスピードによって、ゾンビを次々破壊していく。
「そうね…そういえば、彼って武闘家だったのよね…完全に忘れてたわ…」
しばらく成り行きを見守ったライザはインビジブルをかけ、戦場から姿を消した。

バカンス 投稿者:セレネ 投稿日:2001/08/28(Tue) 04:20

その頃、セレネとアルクの二人は……
「やりましたねアルクさん!」
思わず飛びつくセレネに、アルクは苦笑を浮かべながらなすがままに立ち尽くしていた。
今二人がいるのはクリアーと書かれたゲートの下。
そう、幸子の魔の手から脱した二人は、セレネの人形達の活躍もあり課題のパズルをあっという間に全滅…いやクリアーし、その後のステージも順調にクリアーしていったのだった。
「おめでとうございまぁ〜す!!」
突然館内に設置されてるのであろうスピーカーから、ゲームクリアーを告げる男の声が響いた。
同時に何処からともなく拍手と紙ふぶきが舞い落ちる。
「お二人には、あの”英雄だろうがお断り”で有名な会員制高級リゾートエリア”C−エデン”への特別招待券をプレゼントだ〜〜〜っ!!」
C−エデン…それはサファイアン・ブルーの海に浮かぶ人工の孤島。娯楽施設の表と裏を極め、ごく限られた一部の人にしか会員になることを許さない、まさに秘密のベールで包まれた世界。その正式会員になることはレアアイテムを手に入れるより難しいとされている。なにせ審査の基準・方法すらわかっていないのだから。
そんな、凄い所への招待券が手に入ったにも関わらず、他の4組とくらべアルクとセレネの反応はいまいちだった。
かたや…
『白い砂浜…青い海…。地平線に沈み行く夕日をバックに、アルクさんはそっと私を抱きながら…きゃっきゃっきゃっきゃっきゃっきゃ〜っ♪♪』
妄想モード爆進中……
そしてもう一人も…
『へー、C−エデンかー。 どんな所だろう?』
初心者全開中……
そんな二人を知ってか知らずか、授与式の始まったゴール地点を…いや、フィエンド全体を、突然轟音と激震が襲ったのだった。
「それでは下のパネルにIDを…を………」
スピーカが破損したのだろう、男の声が途切れた。
照明も落ち、辺りを暗闇が包む。
突然の事に、その場にいたアドベンチャラー達の何人かから悲鳴が上がった。
「あ、あ、あくるさーーーっん!!まだ招待券をいただいてぇぇぇぇぇぇぇ…………」
約一名、違う悲鳴をあげていたが……
いかなる状況においても冷静さを失わないアルクは。間一髪、セレネを担ぎ上げフィエンドロボと化すフィエンドから脱出したのだった。
「いゃゃゃゃゃっ!!甘いバカンスがぁぁぁぁぁっ!!」(泣)

−−−−−−−−−−−−−−
あふ、力尽きた…

脱出方法、検討中(汗) 投稿者:マイナリス=グリム(みゅーく) 投稿日:2001/08/31(Fri) 04:10

「うあ、揺れてる揺れてる。」
フィエンド内にて拾った冒険者達を引き連れ、ようやく外壁まで辿り着いた一行だったが――脱出方法で行き詰まっていた。
壁の破壊に特に問題はなかったのだが、何せ、揺れがひどい。
「……そりゃあ、この建物が変身して、しかも戦ってりゃなぁ……」
半分以上投げやりな呟きをもらすクトファー。
すでに『エラーコレクション』もそれほど意味をなさない揺れ方である。
「『テレポーテーション』は?」
「あれは少人数限定よ。こんなに大勢は無理ね。
それに、こんなに揺れてちゃ、座標軸の固定は無理だし。」
壁に開いた大穴から眺める外では、大地が揺れる中、人々が必死に逃げ惑い、
空を飛べる冒険者達、数名がゾンビ魚と交戦し、遠くでは巨大な蛇のようなクリーチャーの姿も見える。
「……あぁあっ、もうっ!
こんな状況じゃ、上手く考えもまとまらないわっ!」
「せめて小動物のままなら、運ぶのも楽だったんですがねぇ。」
苛立たしげなアピアの声に応じるように、クキが呟く。
「『フィエンド』が暴れまわってる以上、外の空飛ぶゾンビ魚を踏み台にしようにも、タイミングが難しいですし……」
「俺だけなら、飛んでいけばいいから、気楽なんだけどなぁ。」
「んじゃ、そうして。」
「は?」
目の据わったアピアが、無気味な笑みを浮かべながらクトファーの肩を叩いた。
「……いや、だって、他の連中はどうするんだ?」
「そうねー、そこの小さいのだけ一緒に持ってってくれればいいわ。」
アピアはクキをあごで示すと、くるりと保護した冒険者達の方に向き直った。
「ふふふふふ……さて、凡庸な冒険者の皆さん。
あんた達の中で、中級以上の魔法使えるか、そこの鳥みたいに飛べるヤツ、手ぇあげて。」
「……おい……目が据わってるぞ。」
「まぁ、何とかしてくれるでしょう。
ここは任せて、とりあえず脱出しましょう。」
「マイナは持ってかなくて良いんだな?」
「あ、うん。ボクはおねぃちゃんと一緒に行く。
……このまま一人にすると、ちょっと不安だしね。」
なにやら冒険者達の能力チェックをしているアピアの代わりに、マイナ自身が返事をする。
その言葉に、クトファーとクキが、なにやら目を丸くした。
「ん?なぁに?」
「…………いや、マイナに言われて、これほど似合わない台詞も無いなぁ、と。」
クトファーの言葉に、クキが頷く。
その姿を苦笑しながら見ていたマイナの後ろから、アピアが姿を覗かせた。
「いいからさっさと行きなさい!」
「ああ、はいはい。」
「――んじゃ、お先に。」
クトファーは背中にクキを乗せ、大きく羽を広げて、戦場へと飛び立った。

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脱出方法が見つからず、かなりどうしようか悩んでました。
で、方法は考えたんですが、完成まで長くなりそうなんで、
とりあえず区切って投稿しました。

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