皆はいずこぞ? 投稿者:中島上等兵(柳すなわちグルタミン) 投稿日:2001/01/15(Mon) 17:57
少しばかり考え込んだ様子のまま、煙草をのんでいた中島上等兵
は、吸殻を焚き火の中に投げ入れると、すくっと立ち上がった。
「うむ。やはりこうしていても発展性がない。シリン殿らを見つ
けて合流致そう」
「そうしましょう。ラスファーさんも一緒にきてくれますね」
少し強引めにセピアが言う。
「あ、はい…」
「よし、皆、身支度したら出発いたそう。ラスファー殿も休憩
は大丈夫であるか?」そう、中島上等兵が問うた瞬間、
…ぐぅぅぅー
といったのはラスファーの腹だった。
一同、笑いを浮かべる。
その状況に、セピアが、
「その前に、何か食べましょう」と言った。
「腹が減っては戦はできぬと発すれば、自分も腹が減っていたと
ころであります」
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取り合えず、セピア・ルフィー・ラスファー・上等兵サイドで
展開していきましょうか? 神永さん、砂時計さん。
>砂時計さん。
うーん、柳は14歳から煙草吸ってるから、気がつかなかったーってまずいか。帝国軍人として。
竜、竜、竜! 投稿者:サナリ<みやび> 投稿日:2001/01/17(Wed) 01:23
「アル殿!!」
ソレは一瞬のことだった。
龍の顔面に攻撃をしかけようとしたところ、竜はよけるでもなくアル殿を丸飲みにしてしまったのだ。
「グオオオオオオオォォ!!」
竜が咆哮をあげる。
「くぅ!!」
竜のあげた咆哮が、空気を伝わり今こうして立っている塔にビリビリと衝撃が伝わってくる。
ビュウゥゥゥ!!
「む!?」
羽音ともいえない、その巨大な音が聞こえた瞬間。
今まで立っていた足場が崩れ去った。
ガラガラガラガラ!
「・・しょ、衝撃波か・・・これが・・」
咄嗟に今まで立っていたところから跳躍していて助かった。
「下手をしたら転落死じゃな。」
ギャオオオオオオオオ!
再び咆哮をあげる竜。
「まぁ、事態はかわらぬが・・・。」
怠そうに竜を見る儂。
そんな儂に間髪言わさず、竜がこちらへ凄い勢いで飛んでくる。
「こんな所で戦えるわけなかろうに・・!」
ズゥゥゥーーーーーーン!!
竜が半壊した塔に激突する。
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彼女は竜の背に乗っていたり。
考えていても仕方があるまい・・・ 投稿者:ブラック(砂時計) 投稿日:2001/01/18(Thu) 01:06
「きゃあっ!?」
――そして次の瞬間には、今度はシリンが二人になっていたのである。
「な・・・何が起こった・・・!?」
その状況を見ていたブラックが、伏せていた状態から立ち上がる。
「ほぇ〜・・・?」
本物のシリンはまだ状況が理解できていない。
「ほぇ〜・・・?」
そして偽者のシリンは本物の真似をしている。
「ん・・・!?」
喧嘩をしていたステフも状況に気付く。
「あ、あれ・・・?シリンが二人・・・?」
「どう言う事なんでしょうかね・・・?」
ジンクも疑問を浮かべる。
「考えていても仕方があるまい・・・」
ブラックはそう言うとまた伏せて目をつぶってしまった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
みねのさんに本物と偽のシリンの会話とかをまかせます。
僕には思いつきませんので。
取り残された鳥は、独り寂しく海に浮かぶ 投稿者:クトファー(凰☆殷雷華) 投稿日:2001/01/19(Fri) 02:38
「お〜い」
どこからも返事は返ってこない。海に落ちて、ロッキー騒動等で忘れ去られた人物が一人……クトファーである。今彼がつかまっている舟の主も、ラスファーを助けに行ったきり帰って来ない。あっさり忘れ去られたのだろう。とりあえず、着ていた服が悪かったのか、別にかなづちではないのだが、ジーンズが水を吸って重たくなり、岸までなど泳げたものではない。
「おーい。誰か気づいてくれよぉ」
情けない声が船と船の間に響く。しかし、誰も気づかない。否、約一名、気づいてはいるのだが助ける気はさらさら無い様で、意地の悪い笑みを向けている。
(くっそー!ジオの奴、後で覚えとけよー!!)
心で毒づいたところで(当たり前だが)事態は何も改善されず、やはりひたすら誰かの助けを待って浮かんでるだけだった。
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とりあえず、誰か助けて〜(爆)
Who inside? 投稿者:クキ(宗一郎) 投稿日:2001/01/22(Mon) 00:33
なぜか二人になってしまったシリンを眺める一同。だが、あまりにそっくりなそれを見分ける術は今のところ思いつかなかった。
「とりあえず、両方とも魔法でしばき倒せば、なんとかなるだろうけど……」
真顔で、平然とむちゃくちゃを言うクキ。
「あわわわ〜、危ないですよぅ」
二人のシリンの声がぴったりとはもる。二人はほぼ同時に
「反応の違いでわかるかなあとか思ったんだけどなあ……」
そう言って嘆息。
「とりあえず、またコピーされると厄介だから、ある程度距離を置かせてもらうよ」
「はい、わかりましたぁ」
みんなに遠巻きに囲まれるのはやはり気分がいいものではないらしく、シリンはややうなだれ気味に(もちろん二人同時に〉答えた。
「困ったなあ……なにか区別する方法無いかなあ?」
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というわけで、なんか、全然筆が動きませんね……。
とりあえず、なんか見分ける方法ありません?>シリンさん
森●嗣ですか(笑)>宗さん 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2001/01/22(Mon) 01:45
「ほええ〜」
「ほええ〜」
「うみゅ?」
「うみゅ?」
――などと、二人のシリンはしばらく変なことをやっていた。
「ど、どちらがパクリ!?」
さっきまで二人になっていたロッキーも、腰をくねらせながら困っているようだ。
「一体どうなってるんだ!?」
ステフも、クキも、ジンクも、ブラックも困り果てている。ただ一人マイナだけが、
「あう〜、おねえちゃんが二人〜♪おもしろい〜♪ボクも二人にならないかな〜」
などと言っている。
「あれ、ステフ、良く見てください」
マイナを乗せたままのジンクが、指摘した。
「目の色が微妙に違います」
「本当だ」
シリンの瞳は、エメラルド色の光彩に紫の瞳孔、という変わったデザインになっている。それが、片方の「シリン」の瞳孔が濃いブルーになっているのだ。
「じゃあ、あっちが偽物か――」
白のジンクと黒のブラック 投稿者:ブラック(砂時計) 投稿日:2001/01/22(Mon) 17:35
シリンの瞳は、エメラルド色の光彩に紫の瞳孔、という変わったデザインになっている。それが、片方の「シリン」の瞳孔が濃いブルーになっているのだ。
「じゃあ、あっちが偽物か――」
そう言われた偽者シリンはばれたために再度誰かになろうとしていた。
「ほええ〜?私にそっくりな人がいますね〜」
本物シリンも状況に気付く。
そして、偽者のシリンは今度はジンクに抱きついた。
「わっ・・・!」
その反動でマイナも振り落とされた。
「あう〜・・・!」
―――――そして、今度はジンクが2匹になっていたのだ。
「なっ・・・!今度はジンクか・・・!」
ステフがジオとの喧嘩を忘れながら動揺している。
「わ、わたしが本物ですよ!」
「わ、わたしが本物ですよ!」
またもや偽者は本物と同じ事をする。
「・・・ったく」
ブラックが伏せた状態から立ち上がった。
「今度はばればれだな・・・、偽者・・・」
「ほええ〜?片方模様の色がちがいますね〜」
本物の方は黒い点がポツポツとあるが偽者は紺色の点がポツポツとあった。
「・・・あ〜あ、ちょっと体動かすか・・・」
「え・・・?なにをするおつもりで・・・?」
本物ジンクが問いかける。
するとブラックは本物のジンクの方を向いてニヤリと笑って
「お前の強さ、確かめさせてもらうぜ・・・」
そう言うと偽者ジンクの方へ飛びかかって行った。
ーーー―ーーー―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
はい、偽者ジンクとブラックの戦闘です。
まぁこの戦闘でウィルスを殺してしまったら面白くないので
殺さないつもりです。
まぁウィルスを長引かせるのもあれですけど・・・
姉さんを捜せ 投稿者:アルカノスト=ファーレン(みねの) 投稿日:2001/01/28(Sun) 00:16
「さて、セレネの姉さんはどこにいるかな。ラスファーのことで心配かけちまったからなぁ」
ラスファーや中島達と別れたアルクは、セレネを捜していた。ラスファーは無事に仲間の元に戻ったが、彼の杖は彼女が預かっている。
「そう言えば何か忘れているような……」
そう思って海を見てみると、クトファーが未だ取り残されていた。
肉食獣達の闘い 投稿者:マイナリス=グリム(みゅーく) 投稿日:2001/01/29(Mon) 03:34
ジンクから振り落とされたマイナは、さかさまの景色の中に、ふと、見たことのある物を見つけた。
「あう〜?羽のおにぃちゃん?」
「お前、クトファーのこと、知ってるのか?」
ふと、知らない人が話し掛けてくる。
座り込んでいるので、視線の高さは立ち上がったマイナと同じくらいになっているのだ。
耳や尻尾があるその人物は、水浸しのクトファーを楽しそうに眺めている。
座り込むスペースが出来るほど、周りから敬遠される状況だと言うのに、のんきなものである。
後ろのトラブルには、あまり興味が無いのだろう。
「あいつどうせ、羽が濡れるから飛べなくって困ってんだろな〜」
「あう?とべないの?」
「ああ。だからさっきから情けない声出してんのさ♪」
なにやら尻尾を振って、本当に楽しそうなジオ。
マイナが思わず尻尾にじゃれつくが、尻尾はまるで意思あるかのごとく避ける。
「あう、あうっ♪」
何度かじゃれ付いたマイナだったが、そのたびにかわされてしまい、地面にスライディングする羽目になっていた。
そんなのどかな(?)雰囲気とは裏腹に、にせジンクとブラックの戦いは緊張感に溢れていた。
肉食獣同士の戦いと言うのは迫力があるものである。
お互いに牙や爪を使い、一瞬のすきあらば、のどを狙おうとしている。
さすがに周りの人だかりのせいで、大きく炎を吐いたり出来ないブラックが、攻め手に欠けている感じである。
だが、偽ジンクの方も、のどに噛み付こうにも首が三つもあるので対処し切れないようだ。
突っ込んでくる偽ジンクにブラックが牽制に軽く炎を吐けば、それを飛び越えて上空からの爪による一撃を食らわそうとする偽ジンク。
しかし、それを読んでいたかのように、ブラックは後ろに一歩跳んで、すでに元の場所にはいない。
また、逆にブラックが突っ込めば、その小回りを生かして偽ジンクはひらりとかわしてみせる。
時には、ギャラリーを踏み台代わりにしたり、水辺を背にすることで、突っ込めばブラックの方が状況が悪くなる位置を取る。
手に汗握る、という雰囲気だ。
「ほぇぇ〜、ジンクさん、すごいんですねぇ〜……」
「ええ――ここまで出来るもんなんですね……」
心底感心したようにシリンがつぶやくと、クキも感嘆の表情で相槌を打った。
「あの……皆さん?――あれはニセモノなんですけど……」
ジンクは、一人、好転しない状況に頭をかかえた。
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ううっ……まともな文章が思い浮ばない……
ドラゴン退治 投稿者:如月るのあ 投稿日:2001/01/31(Wed) 14:34
がしゃこーん、がしゃこーん。ぷしゅー
ルノアは田舎道を喉かに歩いていた。
ご自慢の特殊アプリケーション「クレイプ」。その3mあまりの巨躯が田舎道を狭そうに肩をすぼめて歩いている。
ごつい肩の装甲板には、長大な振動ブレード「菊千角」がマウントされ、その上に小鳥がぴよぴよさえずっている。
前方には山間の小さな農村が見えていた。
「今日も暇だったわ。んー、なんかないかしら」
『暇が一番ですよ、ルノアさん』
クレイプのAI「アル」が、のんきに答える。
ルノアは頬を膨らませた。
「それにしても暇すぎよー。ちゃんとレーダー動いてるのぉ?」
ぴぴぴ
「ん?」
小さな電子音をさせて、レーダーに巨大な影が映っていた。
「わっ、でかいわねぇ。触らぬ神に祟りなしっとぉ。逃げましょ逃げましょ」
『そーですねぇ。逃げましょ。逃げましょ』
巨大なクレイプが、頭部のセンサを緑色に光らせて「回れ右」をする。
「それにしても・・・」
レーダーを睨みながら、ルノアが呟いた。
『はい?』
「やっぱサボってたわね!罰として、装甲を汚してやるぅ!」
『そ、それは勘弁してくださいよー』
のんきに掛け合い漫才しながら歩くクレイプの頭上を、巨大なドラゴンが高速で追い越していった・・・。
¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥
あれ?なんかのんきな性格になってしまった(笑)
えと、AIの「アル」はサブキャラ登録すべきでしょうかねぇ?
それと、サナリ?おみゃーさんは、ドラゴンの背中で剣を振るってるっていうのはどう?悪いね、勝手に動かして(^^;
アールセキンさん。そろそろ消化されますよ(笑)
死? 投稿者:サナリ<みやび> 投稿日:2001/02/03(Sat) 01:43
竜が塔を破壊して飛び去って、もうどのくらいの時間が経ったのか。
儂はその背の上で刀を振るっていた。
このままいるのも、落とされるのもマズイ。
何度も同じ場所に刃を立てるがその全てを鱗に遮られ、傷を負わせられない。
「刃の方がもたぬか・・!」
剣を突き立てることからくる疲れもあるが、常に吹き付ける強い風が徐々に徐々に儂の体力を奪っていく。
「降りろと言うに!」
渾身の力を込め、再び鱗に刃を突き立てる。
ガァァァァァーーーーー!!
竜が吼えてその直後足場が大きく揺さぶられる。
−−−−−・・ささった!?−−−−−−
一瞬足場がおぼつかなくなったが、その揺れを剣にしがみついてなんとかこらえた。
見ると刀は鱗を突き抜け、竜の肉に深々と突き刺さっている。
「くらえい!エキスパンド・ハウンズトゥース・ラン!!」
詠唱を終えると、稲妻を纏った狼達が飛来した!
まばゆい閃光と爆音が儂と竜の間を交錯し、はじける。
魔法の標的は付き立てた剣だ・・。
それの意味するところは、魔法の効果が対象者だけではなく、同時に自分にも作用するということだ。
狼達が儂の手足、胴に食らいつく。
「くぅ・・ああああああああぁぁ!!!」
全身に激痛が走る。
狼に躊躇はない、かじりついた瞬間にそのまま肉を食いちぎるかのようだ・・・。
このまま・・落ちるか・・それとも狼達に喰われるか・・・。
ギャオオオオン!!
この強力な電撃は、竜にとって効果は絶大だった。
狼達から逃れようと、竜は必死に逃げまどう。
竜が悲鳴を上げているのを、剣に組み付いた状態で聞く儂。
狼達が去り、手に掛かる力が尽きた頃、体が軽くなった気がした。
うっすらと遠くに飛んでいく竜が見える・・・。
竜に振り落とされた儂は、地表に向かって一直線に落ちていくのだった。
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この後、どなたかパーティを組んで下さると、とても助かります<汗
歓迎降臨 投稿者:クキ(宗一郎) 投稿日:2001/02/03(Sat) 02:13
(しばき倒してもいいんだけどなあ)
ブラックと偽ジンクの戦いを見ながら、クキは一人そんな事を考えていた。
確かに、それに見合った召喚カードを使えば、雪豹程度のモンスターなど、一撃で倒せるだろう。しかし、下手にそのモンスターのデータをコピーされたら、相手に驚異的な力を与えてしまう事になる。
それになにより、クキの持っている高位召喚獣(例の人型の奴ら)は彼にとって取っておきの武器であり、できるだけ、人目に触れないようにしておきたい代物だ。
他の人達には悪いが、ここはケルベロスの彼に期待しよう、そう思って戦況をのんびりと観察することにした。
「マイナ君、お菓子いる?」
「うん!!」
と言うより、無視という方針に出たらしい。
懐から、チョコチップクッキー(笑)を取り出すと、マイナの手に数枚を手渡した。
緊迫感溢れる戦場に、ぽりぽりと言うお菓子の音が響く。
ぽりぽりぽりぽりぽりぽり
……もしかしたら、緊迫感に溢れてはいないかもしれない。
と、そんな時にわかに地面が翳りを帯び、不意に辺りが薄暗くなった。
「あれ?雨でも降るのかな?」
ふっと、クキが空を見上げ、そのまま硬直した。
「ふに?ほうしはの?(どうしたの?)」
口の中にお菓子を詰めこみながら、マイナが問いかけたがなぜか返事が無い。
不思議に思い、マイナもそれを見上げた。
「あ、竜だぁ♪」
マイナのその無邪気な声で、嬉しそうに声をあげた。
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はい、ただでさえ戦ってるのに事態はさらに混乱へ、
竜が舞い、燃え盛る街の中でケルベロスと雪豹の一騎撃ち。そこはかとなく『ブギー○ップ・ウィキッド』みたいでかっこよさげ。
避難勧告 投稿者:アルカノスト=ファーレン(みねの) 投稿日:2001/02/03(Sat) 02:27
突然、クアトロアンカーじゅうに警報が響き渡った。
『異常事態発生!カイザードラゴンがクアトロアンカーに向かってきています!ドラゴンによって甚大な被害が予想されますので、皆さん即座にC-ポセイドンに避難してください!』
「うっそだろ!?」
セレネを捜していたアルクが仰天する。
「アルクさん〜」
「あ、セレネの姉さん!すぐにラスファーを捜して避難するぜ。いくらなんでもでかいドラゴン相手じゃ、分が悪すぎるからなっ」
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避難訓練、「おかし」の原理を守って速やかに(爆)
再会と永久の別れ 投稿者:スレア&ムサシ 投稿日:2001/02/04(Sun) 16:22
同ホテル内、2階にある酒場――場所が場所だけに、どちらかといえばバーに近い――の隅、小さなテーブル席にお互い向かい合う形で座っているムサシとスレア。
どちらも気まずいらしく、しばらく会話が行われていない。
「お待たせしました、カルアミルクとジントニックです♪」
そんな二人の状況などお構いなしに、ウェイトレスの女性がお酒と肴を持ってくる。
「ごゆっくりどうぞぉ☆」
ウェイトレスが去ってからどれくらい経っただろうか。先に口を開いたのはムサシだった。
「あの……その……なんていうか……」
どう切り出していいのかわからないらしく、しどろもどろになっている。
それでも何とか次の言葉を見つける。
「い……生きてたんだね……」
本来、喜ばしいことだし、実際うれしいのだが、数日前にムサシはステフに告白している。結果は気づいてすらくれなかったという散々たるものだが、それでも彼女に対しての気持ちが消えたわけではない。
その負い目というか、どこか後ろめたい気持ちがムサシを素直に喜ばせることができない。
「え……ええ」
対するスレアもどこかよそよそしい。
再び訪れる沈黙。しかし今度はすぐに破られた。
「ね……ねぇムサシ……」
「ん……な、なんだい?」
「あなた、どうしてこの街に来たの?」
「フェイが、お前が生きていると言っていたから……」
「フェイが?」
「ああ……」
思い出すだけでも体が熱くなるやつの名前を口にして、ムサシの表情はいつに無く真剣なものになっていた。
「そう……」
翳りをのこした顔でうつむくスレア。
「なぁ、聞かせてくれ。お前は確かに俺の前でロストしたはずだ。あいつの手によって」
ピクリと体を振るわせる。
「え、ええ……」
「なら、どうしていまここにいるんだ?」
今でも時々夢に見る、彼女が腕の中で幾何学的なデータとなり、消滅した瞬間。あれが夢だとは思えない。
「それは……いえないわ……」
「……そうか……」
一言だけ呟くと、ムサシはカルアミルクを一口で飲み干して、店を出て行った。
一人残されたスレア、両手でお酒が入ったグラスを掴み、動かない。
「言わなかったのですね……」
気配すら感じさせず、いつのまにかスレアの向かい、先ほどまでムサシが座っていたところに男が座っている。
「あ……あなたは……」
「言わないでください。私は死んだことになっている身ですからね。あなたと同じ……」
「……違う……あなたとは絶対……」
その男は、そんなスレアの回答を予想してたかのように続ける。
「そう。違う。あなたは、理由すらいえない。言えば彼の命がなくなるから……」
男を睨みつけるスレア。
「そう睨まないでください。私はただ、彼に夢を託しているのですよ。以前私のライバルだった男、永遠にこの世界から消えてしまった男以上の存在になってもらうという」
「そのために私が邪魔だったのよね……」
「違いますよ、利用させてもらっただけです。実際、彼は強くなった。才能だけでなく、憎悪による訓練のよって、心身ともに。まだ甘さが残りますがね」
「そう……なら、どうして私の存在を彼に告げたの?」
「簡単ですよ……」
滑るように、まるで愛するものの髪を撫でるかのように男の手がスレアへと伸び、そのまま胸を貫く。
「……っ!?」
「彼にもっと強くなってもらうためですよ……」
「きゃあああああ!」
その光景を偶然みてしまったウェイトレスが悲鳴をあげる。
「最後の仕事、頼みましたよ……」
叫んでいるウェイトレスの胸を同じように貫き、男は闇に溶けていった。
叫び声を聞いて、ムサシが店に戻ってきたとき、そこは地獄と化していた。
先ほどまでの客、店員全てが胸を押さえてうずくまっている。
「いったい……」
わけがわからず佇むムサシ。
「む……むさ……」
「スレア!」
我に返ってスレアの元へ駆け寄る。
「大丈夫か!」
「ムサシ……ごめんね……」
「喋るな!すぐに治してやる!」
「無理……ウィルスを……入れられた……みたい」
じわじわと彼女の存在が薄れていくのがわかる。
「スレア……いったい誰が……」
怒りで席を立ってしまった自分が悔やまれる。
自分の不注意で、2度も大切なものの命を危険にさらしてしまったことに対する自責の念が彼に迫ってくる。
「……ごめんね……」
震える左手を、ムサシの頬に当て、撫でながら謝るスレア。
「……おねがい……泣かないで……」
「お前こそ……泣いてるじゃないか……」
「最後に……抱きしめて……」
「ああ……」
強く、力の限り抱きしめる。
彼女は、ムサシの耳元で数言呟くと、満足そうに微笑みながら消滅した。
「スレア……スレアアアァ!」
彼の叫び声は、悲痛の叫びはいつまでもこだましていた。
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はい、久しぶりに書いたと思えばとことん重いです。
あの男はもちろんあいつです。
っと、これでスレア編は終了かな?あと一回ほど書くかも知れませんけど、からませても平気です。
次はホテルの自室にいるはずですんで。
たいへんや〜(パニック) 投稿者:アルカノスト=ファーレン(みねの) 投稿日:2001/02/05(Mon) 00:30
「おおいっ、ラスファー!」
アルクとセレネは、混乱する海戦場を走り回り、遂にラスファーや中島達の一行を発見した。彼らも食事に行こうとしていたところ、突然の警報を聞き戸惑いを隠せないでいた。
「アルクさん!それにセレネさんも」
「アルカノスト殿、これは一体――」
「よくわかんねーけど、取り敢えず言われたとおりにした方が良いみたいだぜ」
「でも、私達にはまだ何人も仲間がいるの。まだはぐれて見つかっていない人もいるはずだし……」
「ここにいるなら、警報聞いて避難するだろ。そうじゃないなら、安全だ」
「た、確かに仰るとおりですね」
アルクの言葉に、思わず冷や汗を流すルフィー。
「ラスファーさん、お預かりしていた杖ですわ」
「有り難うございます、セレネさん」
「じゃ、行くぜ!」
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試験直前最終書き込み!?
とりあえず、何故か仕切っているアルク