とりあえず登録を・・・ 投稿者:クトファー=フィナンシェ 投稿日:2000/03/13(Mon) 04:57

(・・・まったく。今日はなんて日だ。わけのわからん奴がまた増えたぞ?)
クトファーはうんざりとした顔で、石壁に開いた窓の外を眺める。外はよく晴れ、真っ青な空が続いている。この遺跡に入って、もう十日は軽く過ぎているはずだった。クトファーの心にふと、かつての旅の連れの無邪気な笑顔が浮かんだ。
(あれからどれくらい経ったんだろ?ステフは無事に逃げ切れたのだろうか・・・)
とりあえず危険は去った。そのことが彼の心に小さな旅の連れの姿を次々と浮かび上がらせた。最後に見たのは、ジンクの背で目にいっぱいの涙をためた、捨て猫のような泣き顔だった。
(・・・そういや、ここんとこ一睡もしてなかったな。どうせ体の自由もききゃあしねぇし、今のうちに寝ておくかな。・・・今ならあいつの夢が見れる気がする・・・)
今まで張り詰めてきた緊張の糸が途切れ、クトファーは心地よい眠りの底へと沈んでいった。

**********************************************************う〜ん。即席キャラが最初っから使われるとは思わなかった(^^;)
だから、サブキャラ登録すらしてないのでここでしておきます。
ところで、この先はステフとの出逢いのシーンも含まれるから、夢の内容は書いちゃマズイよね?

名前:クトファー=フィナンシェ
性別:男
年齢:二十歳前後
種族:有翼族
職業:ビーストマスター
容姿:軽く撫で付けたちょっと長めのダーティーブロンドと、アメジストを思わせる紫の瞳を持つ。背が高く、多分180cmは優にある。
備考:ステフの師匠であり、ジンクの本当のマスター。基本的に面倒見がよく、人当たりのいい兄貴分。ただし、気に食わないものは徹底的に攻撃する。数日前にハッカーと戦い、負傷。只今治療中。

歩兵との遭遇(はぐれ歩兵激情派) 投稿者:中島上等兵 投稿日:2000/03/13(Mon) 17:08

「さて、ここらで勝負致しますか…」
さっと身構えるムサシ。不敵な笑みを浮かべるアールセキン。
「いざ尋常に…」と言った瞬間、比較的高音の銃声が轟いた。
さっと銃声のした方向を振り返る二人。そこには、とてもこの世界の住民とは思えない漢が立っていた。
「貴様ら、何者だ!」その漢が怒鳴った。
先に反応したのはアールセキンだった。
「何なんですかあなた。いきなり銃撃するとは穏やかではありませんね」
「貴様ら、不審な奴らだ。名を名乗れ。民間人か?」
「自分から名乗るのが筋ではないのですか」トーンを変えずにアールセキンが口答えする。
ムサシも、とりあえずはアールセキンのほうに付き、「そうだ」と短く声をあげる。
「何だ不遜な奴らだな。自分は大日本帝国陸軍歩兵上等兵中島邦昭である。貴様らはなんだ!」
「ムサシ」
「アナタに言う必要はないね」
「貴様ら、帝国陸軍を愚弄するかぁ!」
中島は銃剣を含めるとその身長ほどもある38式歩兵中を構えた。

「ろくでもない会話編」 投稿者:アールセキン(宗一郎) 投稿日:2000/03/13(Mon) 20:37

「……また、怪しげな」
ムサシはその男を見た。
銃火器をこちらに向けてかまえている。
「しかたありませんよ。この森にはデータを狂わせる魔力が……」
「それも嘘だろ?」
「はっはっはっ、察しがいいですねえ」
と、いきなり銃声が響いた。
アールセキンとムサシは素早く飛びのいて銃弾を避ける。
「貴様ら、人の話を聞けええええ」
中島上等兵が怒りに打ち震えた声で叫んだ。
「困りましたね。野蛮な未開人のようです」
「……いや、もうなにも言うな」
武蔵は大きく溜息を吐いた。
「取り合えずここは、三人力を合わせて
あの、未開人を撃退するのが最良かと存じますが」
「だから、もう何も言うなって……」
事態はさらに混迷の度合いを深めていた。

ポイント稼ぎ(爆) 投稿者:ムサシ 投稿日:2000/03/13(Mon) 21:05

――やばいなぁ……
中島に銃口をつきつけられ、ムサシは内心焦っていた。
一寸の見切りを使えば、避けることは造作も無いことだろう。
しかし、ムサシの後方には捻挫しているステフと一匹の獣がいる。
獣は多分どうとでもするだろうが、ステフは動けない。
「なぁ、危ないからやめようよ、な?」
「貴様!まだ自分を愚弄するのか!」
意識がムサシに集中した一瞬をアールセキンは見逃さなかった。
音も無くその場から移動すると、雪豹が倒した兎の耳を掴み。
「それでは皆さん、ごきげんよう」
謎の笑い声を残して去っていった。
「あ……一角兎……」
雪豹が呟くが、時すでに遅し。
「どうするんだよ!今日の晩御飯!」
「ごめんよーステフー」
「ジンク、取り返して来い!」
「無理だよー」
ステフとジンクのやり取りを、中島は肩を震わせて聞いていた。
「き・さ・ま・ら〜〜〜〜」
銃口がムサシをそれて、ステフに向かう。
「貴様等の行動は万死に値する!死ね!」
「へ?」
ステフが中島に顔を向けたのと同時だった。
――銃のトリガーが引かれたのは。
しかし、それより一瞬早く動いていたものがいた。
――ムサシだ。
ムサシは目にもとまらない早さで刀を抜き、銃剣の剣の部分を
刀の峰ではじき返す。
当然銃はぶれ、球はあらぬ方向に飛んでいく。
「……おのれ!邪魔をするのか!」
「帝國陸軍ともあろう者が怪我人に銃をむけるのかい?」
口調は先程と変わらないが、気質が少し変化している。
それを中島はいち早く察知した。
「む……まあよい!今日のところは引いておく!ムサシと言った
な、覚えておくぞ!」
言うが早いか茂みに中に消えていく。
「さて、っと」
刀を鞘に収めて、ステフに向き直る。
「足、見せてくれないか?」
「よるな!なにする気だ!」
「湿布を貼って治療する」
「いらない!どっかに行け!」
二人の会話にジンクがおずおずと入りこむ。
「ねぇ、悪い人じゃなさそうだし、治療してもらおうよー」
「うるさい!もとはと言えば、ジンク!お前が勝手に攻撃したんだろ!」
「あ……あれは……」
ステフとジンクが言い合っている内に、ムサシはステフの前に来ていた。
そして、無造作に湿布を貼った。
「ってええええええ!!!」
ステフの悲鳴が森に木霊する。
「これで数時間もすれば腫れも引くよ。それより、晩御飯取られ
ちゃったね?」
ステフを無視してジンクに話しかける。
「あ、うん。保存食もないし……」
「良かったら俺のところにおいでよ、多少なら余分があるから」
「ほんと!」
「てめえら!かってに話をすすめるんじゃねー!」
両目から涙をぽろぽろ零しながら叫ぶ。
「あ、ごめんねー」
言って、ステフを抱きかかえる。
「な……」
とっさのことで声が出ない。
「その足じゃジンク君に乗れないだろ?連れていってあげるよ」
「頼んでない!おろせえええ!」
ステフは叫んでムサシをどつくが、態勢が悪いのか力が入らない。
「ジンク君もおいでー」
まったく意に介さず、ムサシはマイペースに事を運ぶ。
「捻挫は怖いんだよ?」
「うるさいうるさい!!いいかげんにしろー」
「ほらほら、女の子がそんな言葉使いしちゃいけないよー」
今度は本当に声が出ない。
「ど……どうし……」
「最初に抱きかかえたときから判ってたよー、肉のつき方、骨格とかが女のそれだったしー」
「…………ったら……」
「ん?」
ステフの声が聞き取れず、思わず顔を近づける。
「だったら余計にこんなことするんじゃねー!」
ステフのフックがムサシの顔面にクリーンヒットした。
----------------------------------------
はい、無理やり話をまとめましたー♪
ポイント稼ぎは失敗したようですけど(笑)

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/4139/index.html


中島上等兵、さまよう 投稿者:中島上等兵 投稿日:2000/03/13(Mon) 22:30

いたい所を突かれ、さっと身を引いたのは良いのだが、一体、自分はどうすればいいのだろう。それに、確かにあの男の言っていることももっともではある。
(しかし、ムサシとか言う男、相当な腕前だな…それにしてもあの不審な野郎の方は何だ! あの野郎、そのまま仲間を残して逃げるとは…)
中島上等兵はムサシもアールセキンも、目に入った者は仲間だったのだと思っている。
(しかし、いきなり発砲したのはまずかったな。まずあの地方人<注1>に話を聞かないと何も判らない。なにぶん、この世界では俺は全く身動きがとれないからな…)
中島は腹が減っている。食糧は現地調達が原則の帝国陸軍兵士は米位しか食糧を携行していないのだ。
仕方なく、一角兎ガ出てくるのを待って38式歩兵銃に弾を込め、銃を抱えて茂みを眺めていた。フルオート射撃はできないものの、38式は命中精度では群を抜く名銃である。兎狩りでそれが役立つとは中島も思っていなかったことである。<注2>
一角兎は、肉を食べた後も毛皮などが役に立つ。
(最近、撃ったものって兎ばかりだなあ)
(最近の銃剣の使い方って、兎をバラすのと草木を切るだけだなあ)
 なんだか情けなくなってきた中島上等兵ではある。
(さて、どこへ行けばいいのだろうか…)

注1>地方人:民間人のことを軍隊ではこう呼ぶ。
注2>兎狩り:北支戦線では、実際に兎狩りをしていたらしい。

旅は道連れ 投稿者:セピア=インフラレッド 投稿日:2000/03/14(Tue) 00:44

「どこかに、いいカモいないかしら?」
エメラルドグリーン色した一頭の小さなドラゴン「ビット」を連れた白い愛馬のユニコーン「フリーズ」に乗った
セピア=インフラレッドは独り言をぶつぶつ呟いた。
とりあえず、ゼフィロス祭で賑わうゼフィロスの街での一稼ぎ目指して旅を続けることにした。
近くで人の呻き声が聞こえる。
弓を背負った少年が道ばたにうずくまっていた。
顔をよく見ると薄いピンクの瞳をした男物の服を着た少女だった。
サソリの毒で少女の左足首が赤く腫れていた。
セピアはバンドで少女の左脚をきつく縛ると傷口に口づけして毒を吸い取った。
熱で意識が朦朧とした少女を愛馬「フリーズ」に乗せるとセピアは手綱を引いて歩き続けた。
暫くすると少女は意識を取り戻しセピアに声をかけた。
「ご親切痛み入ります。わたしの名はルフィー・ミリアムです。あなたは?」
「セピア=インフラレッドです。セピアと呼んでね。私の相棒のフリーズとビットもよろしくね。
毒は吸い取ったから、しばらくすれぱ元気になるはずよ」
「どこへ行くのですか?」
「ゼフィロス」 
「実は私もなの」
「旅は道連れって言うじゃない。これも何かの縁ね。」
どこからか香ばしい肉の焼ける臭いが漂ってきた。
セピアたちは、その臭いに誘われて森の中に入っていった。
黒のスーツとスラックスに赤のネクタイをした場違いな格好で枝を削ってクシ刺にした一角兎の肉を焼いている男がいた。
「すまないけれど、その肉を連れの病人に分けてもらえないだろうか?」
「100Gなら半分わけてやってもいいですよ」
アールセキンは今まさに焼き上がった肉をお預けになったことに不機嫌そうな顔つきでセピアを見上げた。
「100Gとはふっかけたものだね」
「嫌なら別によろしいのだけれど」
「私と賭をしてみないかい。もし私が負けたら素直に100G払いましょう。私が勝ったらその肉まるごと貰うということでどう?」
「おもしろい。のってみましょう !」
「ここにカードがあるから、まずあなたからよく切って。ルールは単純な1枚ずつ引いて強いカードを引いた方が勝ちの1回勝負よ」
二人の真剣な眼差しにルフィーは固唾を呑んでそれぞれのカードを見つめていた。
アールセキンはカードを1枚抜いて裏返しすとダイヤのキングだったのを見てほくそ笑んだ。
それを見たルフィーは、セピアに憐憫の情を抱いた。
セピアのカードが裏返された。
それを見た瞬間アールセキンは稲妻に打たれたように顔面蒼白となった。
ハートのエースが眩しくルフィーの目の中に飛び込んできた。
「私の勝ちね ! それじゃ、お約束通り この肉もらっていきます」
アールセキンは、呆然とその場に立ち尽くしていた。

http://homepage1.nifty.com/k-ichihara/


追ってきてはみたものの 投稿者:ガルデュン 投稿日:2000/03/14(Tue) 01:46

「ん?」
「なんや今の銃声…」
突然森に響いた銃声。たて続けにもう2度聴こえる。
「変なことになってんなよ!」
「どうしたんですかぁ〜」
急にスピードを上げて走り出したガルデュンにシリンも慌てて後を追う。
木々を避け、銃声のした方角へと走る…
「きゃっ!」
訳も判らず、とにかく必死にガルの後を追っていたシリンが、突然立ち止まったガルの背にぶつかった。
「なにしてんねん?」
「急に止まらないでくださいよ〜」
長い耳を振るわせ涙ながらにうったえる。
「どうやら何でも無かったみたいやな…」
「ほぇ?」
さっきからガルが何の事を言っているのか良くわからないシリンだったが、彼の向く先にムサシの姿を見つけると大手を振って呼びかけた。

森の一角に立ち上る煙。
合流した四人と一匹は、シリンが倒しムサシが料理した一角ウザギに舌鼓をうっていた。
「しかし、ムサシ。お前の罠は人間専用やな!」
「いや、まったく」
「あたしとあの子はエルフだよ?」
シリンの言葉に、どっと笑いがもれる。
「それで、そっちの新しい犠牲者は?」
「・・・・・・」
”ステファン=ノティス”…と、付添っていたジンクと名乗る獣に紹介された少年のような少女は、黙って料理を口にしつづける。
「ビーストマスターねえ…」
「・・・・・・」
何か思わせぶりなガルの言葉にもステフは何の反応もしめさない。
「それより…」
ガルは一同を見回す。
「せっかくこうして出会ったのも何かの縁や。ちょうどパーティー組む相手を探しとったんやけど…どうや、俺と組まへんか?」

http://cvnweb.bai.ne.jp/~taka3/relay2/relay_novel21.html


合流 投稿者:セピア=インフラレッド 投稿日:2000/03/14(Tue) 22:15

森が少し開けた場所でセピアとルフィーはアールセキンから巻き上げた一角兎の肉を食べていると
突然、背後から銃を突きつけられた。
「その糧秣をこちらによこせ」
彼女たちは、よれよれの軍服姿の男を無視して食べ続けている。
「貴様ら、聞こえんのか !」
セピアはうんざりした顔をして振り返ると男を睨み付けた。
「うるさいわね・・・おじさん誰 ?」
拍子抜けして男の丸い眼鏡が鼻に垂れ下がった。
「何、おじさんだと ! 自分は大日本帝国陸軍歩兵上等兵中島邦昭である。」
「お偉い帝国軍人さんが、か弱い女たちに銃を向けていいのかしら?」
中島上等兵は面子を失い愛用の38式歩兵銃を下ろした。
「よかったら中島上等兵さんも私たちと一緒に食事をどうぞ」
ルフィーはそう云いながら彼に手招きをした。
中島上等兵は余りの空腹に耐えかねてルフィーの差し出す肉片を貪り食べた。
食べ終わると彼は彼女たちに向かって敬礼し始めた。
「女性たちのだけの旅は危険だから馳走になったお礼に護衛をしよう。」
「まだ自己紹介してなかったわね。わたしがセピアであの娘がルフィー。愛馬のフリーズ。それから・・・」
茂みから這い出してきたビットが中島の軍服の左袖をむちゃくちゃ食べているのを見てセピアは可笑しさを堪えながら「ビットよしなさい !」と叱った。
視線が合うなり中島上等兵は思わず腰を抜かしてしまった。

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打てば響く?!(笑) 投稿者:ステファン=ノティス 投稿日:2000/03/15(Wed) 04:26

「ほれ。お腹減ってるだろ?遠慮しないで食いなよ」
ステフは、自分に向けて差し出された料理を受け取り、不機嫌な顔で口をつける。周りでは和気藹々と何かを話していたが、ステフには会話に参加する気はこれっぽっちもなかった。
(・・・厄日だ。今日に限って何故、こんなにも運が悪いんだ?
穴に落ちて怪我するわ、妙な奴らには沢山遭うわ、晩飯の材料は盗まれるわ・・・最っ低な日だ)
そんなことを考えながら、黙々と料理を口に運ぶ。時折、自分に向けられた言葉が耳に入るが、返事するのも面倒なので全て無視する。そんなステフにかまわずに、話はどんどん進んで行く。
「…せっかくこうして出会ったのも何かの縁や。ちょうどパーティー組む相手を探しとったんやけど・・・どうや、おれと組まへんか?」
「嫌だ」
間髪を入れずに返事が返る。今まで一言もしゃべらなかったステフが顔を挙げ、静かな、しかしはっきりした声で答えたのだ。
「・・・即答かい。いい度胸やんけ。理由きかせてもらおうやないか?」
ガルデュンがステフを睨み、先を促す。
「鬱陶しいからだ。パーティー組むなんて弱い奴らのすることだ。おれは一人がいい」
表情一つ変えずにステフが答える。それを聞き、ガルデュンがステフに掴み掛かろうとする。
「誰が弱いやとぉ?!ゆうてみいや、こんクソガキがっ!」
しかしそれは、間に入ったジンクによって阻まれた。
「待って!失礼は謝ります!ステフは悪気があって言ってるんじゃないんです。どうか許してください。お願いです…」
勢いを削がれたガルデュンは、しぶしぶと引き下がる。その横でシリンはどうしていいかわからず、両者を見比べておろおろしている。ムサシは面白そうに眺めているだけだ。ジンクはおもむろに振り返り、諭す様にステフに話しかける。
「いいかい?ステフ。さっきも言ったように、一人じゃできないことが必ずあるんだから、仲間は必要なんだよ。それに、なるべく多いほうがいいんだ。ね?わかるだろ?さ、皆に謝るんだ」
しかし、ステフは無言でそっぽを向いてしまった。だが、その表情が、そんなことわかっている、と物語っている。ただ単に意地を張っていたい子供の顔、そのものだった。

**********************************************************
さ〜て、次は誰が動くのかな?
ムサシあたりが一番怪しい気がする・・・・・・
なにはともあれ、後よろしく!

説得? 投稿者:ムサシ 投稿日:2000/03/15(Wed) 10:10

「なぁステフー」
間の抜けた言葉がステフとガルの会話をさえぎる。
「……あんだよ?」
明らかに機嫌が悪そうに答える。
「今日落とし穴に落ちたよね?」
「……それがどうした?」
「パーティに盗賊がいれば落ちずにすんだよ?」
「……それで?」
ムサシは右手の人差し指をピンと立て。
「はい、これで君も僕らのパーティ♪」
「なんでだ……っ痛!」
思わず立とうとして、右足に激痛が走る。
「ほらほら、無理しないで。仲間がいれば治療もできるだろ?」
「自分でできる」
そっぽを向いて、ステフ。
ジンクは心配そうにステフを見詰めている。
「穴に落ちたとき、仲間がいれば助けてもらえるだろ?」
「仲間が落ちたら助けないといけないだろ」
「そう!」
我が意を得たりと、声を大きくして手をたたく。
「それが……仲間だろ?」
知らないうちに話がずれているが、ステフは気づかない。
「……しらん、もう寝る!」
毛布に包まり、背を向ける。
「しかたない、朝までまとうや」
ガルが言い、みんなそれに従う。
「じゃあしばらく俺が見張りをしているから、みんな寝ていいよ」
ムサシの言葉に従い、みんながそろぞろの毛布に包まる。

みんなが寝静まったころ、ムサシはすり鉢をだして、ごそごそと
やりだした。
「……よし」
すり鉢の中には緑色の液体が入ってる。
それをもってステフのそばに行き、毛布をめくる。
熟睡しているのかステフはまったく反応しない。
やさしくシップをはずし、液体を塗り、新しいシップを張る。
「これで明日の朝にはよくなってるはずだ。逃げやすくなるよ」
ステフに小声で話し、元の位置に戻る。
ムサシはそのまましばらく火を見詰めていたが、寝てしまった。
――――――――――――――――――――――――――――
逃げるなり自由にしてください(笑)
基本的にムサシは個人の意見を尊重するタイプですから(爆)

逃げちゃ嫌っ♪(爆) 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2000/03/15(Wed) 18:13

 ムサシが何食わぬ顔で眠ってしまってからしばらく後。案の定、ステフは寝床からこっそり這い出した。そして、傍らにうずくまっていたジンクを揺り起こす。
「行くぞ、ジンク」
「ステフ、本当に良いの――?」
「あのムサシって奴が逃げても良いって言ったんだ。ほら、さっさと行くぞ」
「でも、やっぱり僕らには仲間が必要なんだよ」
「しつこいぞ、ジンク!」
 二人が小声で言い争っていると、横で誰かがむくり、と起きあがった。
「やべっ!」
 ステフは急いで荷物と毛布をひっつかみ、まだ渋っているジンクをおいていくように歩き出した。貼り替えられた湿布のお陰か、痛みはもう殆ど無いが、無理は出来ない。
「ステフっ!」
 慌ててジンクも彼女に続くが、何度も何度も後ろを振り返る。
「あれ〜、何処に行くんですかー?」
 起きあがった人物は一方、健康な足でみるみるうちにステフ達に追いつき、ステフの肩を軽く叩いた。彼女が振り返ると、相手は夕飯の一角ウサギを仕留めたシリンとか言うエルフだ。
「見てわかんねぇのか?俺はあんた達と一緒に旅をするのはご免なんだ」
「えー、何でですかぁ?旅をするのは人数が多い方が楽しいですよー」
「何度も言ってるだろ、俺は足手まといになるような連中は要らないんだ」
 特に、目の前に立っているのは昨日冒険を始めたばかりの、ステフ曰く、あの鬱陶しい三人の中で一番「足手まとい」な奴である。こんなのを仲間にするのはご免だった。ステフはシリンを振り切り、ジンクにまたがる。
「でっ、でもぉっ!」
 なおも諦めないシリンはステフ達を追いかけた。乗り気でないジンクの足取りは重く、すぐにシリンは前方に回り込めた――が。
「きゃあっ!!」
「おっ、おいっ!?」
 ステフの目の前から突然シリンが消えた。いや、彼女はまたもムサシが方々に仕掛けた落とし穴の一つにはまってしまったのである。
「大丈夫っ?」
 ジンクが穴をのぞき込もうとしたので、ステフは彼から降り、自分もジンクに倣った。幸いシリンに怪我はなかったようで、既に穴の中に両脚で立っていた(それがステフには若干面白くなかったが)。
「えへへへー、これで冒険を始めてから三回目ですぅ」
「三回目!?」
 笑って言うシリンに、ステフは驚いた。前言撤回、このエルフはC-アクシス内で一番の足手まといにステフの中で格上げされた。
「ステフ、すぐにシリンを助けよう」
「な、何で俺が」
「目の前で困っている人を助けないで放っておくの!?マスターが聞いたら怒るよ、絶対」
 いつになく激しいジンクの口調に気圧され、ステフは渋々自分の荷物からロープ(夕食時に、シリンがかかった最初の罠のものを貰ったのだ。ムサシが押しつけたようなものだが)を取り出し、穴の中に投げ入れてやった。シリンがロープの端を掴むと、ジンクが引っ張り上げる。
「ありがとうですー、ステファンさん、ジンクさん!」
「どういたしまして」
「おい、その『ステファン』っていうのはやめろ、そう呼ばれるのは嫌いなんだ。『ステフ』でいい」
「わかりました〜。でも、安心しましたぁ、やっぱりステフさん、仲間になってくれるんですね」
「何故すぐにそこに結びつける!?」
「えー?だって、前の二回はガルさんが一回20Gで助けてくれたんですが、ガルさんがあの時お金を取ったのは、あたしが仲間じゃなかったからだと思うんです〜。ステフさんはお金取らなかったし、それにあなたは、ムサシさんがただで助けてくれたんでしょう?だからステフさんはあたし達の仲間ですよー」
 にこにこというシリンの言葉にステフは頭を抱えた。何という単純、短絡的思考の持ち主だろう。しかも言っていることがめちゃくちゃである。
「あのなぁ〜」
「もうそろそろ夜が明けますよ。戻って朝ご飯食べましょう?」
-----------------------------------------------------
ムサシさん「そろぞろ」ってミスプリ?それとも意図的?

http://homepage1.nifty.com/matsubay/


フラッグ 投稿者:トート 投稿日:2000/03/16(Thu) 01:05

 また砂の海だ.
例の遺跡にいた二人に別れを告げる.疲れきっている彼らはあまりにも無防備すぎた.まだまだ冒険者として日が浅いのかどうか
初対面の人間に何の躊躇もなく背を向けて眠ってしまうところに
一緒にいることを不安にさせる何かがあったのだ.
 特に何をくすねるというわけでもなくトートは砂漠を横断する形でまた歩き始めた.すでに真夜中で満月が天頂高くに昇っている.データ上,勿論エンカウント率は格段に高くなるがその分の儲けは保証されたようなものだ.軽い地震と砂埃.三秒のロード時間で足元の砂が一気に噴出す。
 砂虫:レベル7.
 雑魚だった.巨体の割にレベル制御がしてあって甲皮がやわらかくなっている。動きも格段に遅い.
 砂を足場に跳躍,背中の剣を一閃すると一斬りでどう、と倒れる砂虫の巨体.食べるところにさえ乏しい.月だけが明るい.
 遠くのほうに緑のフラッグの列が見える.やっとのことで砂漠の行商の道に出会えたらしい.このフラッグを辿っていくと、どこかの町にたどり着くはずだ。勢いで遺跡を飛び出したことを思い出す.これからどうするかはとりあえずフラッグのところまで行ってからということで.

***************************
む、文章が腐っておるですじゃ!

おなか空いたぁ〜! 投稿者:マイナリス=グリム(μξ) 投稿日:2000/03/16(Thu) 02:46

草原を颯爽と走っている、1頭の馬がいる。
キモチ良さそうに走るその姿は、図体がでかい割にはどこか違和感を感じる。
そう、まるで四本足で行動する事に慣れていないような――そんな感じだ。
と、軽快に走っていたその馬の体が、いきなり乱数と光に包まれる。
ぶぅんっと音がしたかと思うと、乱数の鎖が一瞬渦状に広がり、収束する。
光が収まった後には――奇妙な生物がいた。
見た目は子供である。しかし、エルフの様に耳が長く、ハーフリングの様に背が低い――ましてやちょっと毛深くて、牙まで出ている種族は珍しい。
子供は、思わず立ち止まると、残念そうにつぶやいた。
「あ〜あ、『変身』、解けちゃった」
二本足で立ち、手の感触をニギニギと確かめ、ため息をついた。
「まぁ、いっか。一応かろんからは逃げられたし」
彼の名は“マイナリス=グリム”一応はプレイヤーなのだが、違法な手段をいくつか使用してこの世界にいるため、“ハッカー”としてデバッグシステム“カロン”に追われる身である。
先ほどの『変身』もその『違法な手段』の一つなのだが、マイナはこの『変身』のおかげで“カロン”に捕まらずにすんでいるとも言えた。
『変身』すると、その変身後のデータに惑わされ、一時的に“カロン”は目標を見失うのだ。
「はぁ〜……でも、おなか空いたなぁ……」
いつもの様に初心者をからかって遊んでいたら“カロン”が五体も出てきて、ひどい目にあったのだ。三日間逃げ回って、ろくなものを食べていない。
とぼとぼと歩いていたマイナの鼻が、ヒクヒクと動いた。
「!――何かを焼いているにおいだ!」
それはつまり、プレイヤーがいる事を示す。
そして、食べ物にありつけるチャンスでもあるのだ。
マイナは思わず走り出していた――おいしそうなにおいに向かって!
においの先にはうっそうと茂る森があった。
食べ物の事で頭が一杯のマイナは、一目散に森の中へと消えて行った。

******************************************

うっわ、説明っぽい文章が多いなぁ……。
勝手に飛びこんだ形となりましたが、よろしくお願いします。

逃げ損ねたんだよ!!ちくしょう・・・ 投稿者:ステファン=ノティス 投稿日:2000/03/16(Thu) 05:11

結局ステフ達は、シリンに促されるまま、しぶしぶ皆のところまで戻ってきてしまった。ステフはかなり不機嫌そうだが、ジンクのほうはなんだか嬉しそうだった。先ほどの場所まで戻るとすでに、ムサシとガルが眠そうに目をこすりながら、朝飯の仕度をしていた。
「おかえり。そろそろご飯だからちょっと待っててな?」
ムサシが彼女らに気付き、手を止めずににこにこと声をかける。
「なんや、おまえら。どこいっとたんや?ぼーっと見とらんと、はよ手伝わんかい」
あくびをかみ殺しながら、ガルが言う。
「は〜い♪ステフも早くおいでよぅ」
「ほら、ステフ。ご馳走になるんだから手伝わなきゃ!」
先に二人の元まで着いたシリンとジンクが、ステフに向かって手招きする。しかしステフは、当然ながら乗り気ではない。
「・・・・・・ふんっ!勝手にしろ。」
それだけ言うと、くるりときびすを返し、森の中へ消えた。それを見て、シリンが慌てて後を追おうとする。
「え?あれっ?!ちょっとステフーぅ・・・」
「大丈夫。すぐ戻ってくるよ。僕を連れてかないってコトは、あまり遠くまで行かないっていう意志表示なんだ。心配することないよ」
走り出そうとしたシリンをジンクが優しく止める。しかし、それでもシリンは心配そうな顔で、ステフの消えたほうを眺めている。
「心配することないさ。ビーストマスターがパートナーを置いてくはずないからね。ジンクの言う通りすぐ戻ってくるよ。さ、朝御飯の仕度だ」
シリンの頭にぽんっと手をのせて、ムサシが言う。

それから20分ほど経って、茂みを揺らしながらステフが帰ってきた。髪の毛には木の葉や枝が絡まり、両手と膝には土が少しくっついていた。右手には、白い包みを下げている。
「あっ!おかえり〜♪どこ行ってたのぉ?」
すぐさま駆け寄ってきたシリンを無視して、ムサシの前まで来る。昨日あれだけ嫌われていたので、ムサシが首をかしげる。
「お前が一番力がありそうだな。向こうに平たい大きな石があるから持ってきてくれ。おれじゃ持てないんだ」
ステフの言葉に、ムサシは余計首をかしげたが、とりあえずステフの言う通りにする。その間にステフは、同じ位の大きさの石をいくつか持ってきて四角く並べ始めた。そして、また別の石を持ってきて、水で軽く洗う。やがて、ムサシが大きな石を抱えて戻ってきた。
「こんなものいったいどうするんだい?」
ムサシがきくと、ステフは先ほど並べた石のほうを指差した。
「あそこの上に載せて、洗っといて。あと、シリンだっけ?ジンクと一緒に乾いた木の枝取ってきてよ」
「あ!ステフ、あれを作るんだね?」
ジンクは何かに納得して、シリンを促す。シリンはよくわけのわからぬまま、ジンクとともに枝集めに出かけていった。
その間にステフは、包みの中から何かの木の実を取りだし、石ですりつぶし始めた。
「なにやっとるんや?」
ガルと石を洗い終わったムサシが不思議そうに覗きこむ。
「手が開いてるなら、これ洗って軽く刻んどいてよ」
そういうと包みの中から二種類の草を取り出した。
「?なんやこれ?」
「ヒリヒリ草とクレシラ草だよ。それと、ジンク達が戻ってきたら、その石の下に火を点けといて」
ステフは木の実をすりつぶしながら答える。
「人使いの荒いやっちゃなぁ。まったく…」
ガルがぼやきながら草を洗い始める。程なくシリン達が戻ってきて、石の下に火がくべられた。その間に、ステフはボウルのような器を取りだし、すりつぶして粉にした木の実とガルが刻んだ草を入れ、水を加えて混ぜ、熱くなった石の上に流し込んだ。しばらくすると、いい香りがしてきた。
「・・・よし!いっちょあがりっと。」
そういうと、ステフは出来あがったものを各自の皿に載せた。
「これなんですかぁ?」
シリンが不思議そうにきく。
「レクリアの実の香草パンだ。食わせてもらってばっかじゃ、さすがに気が引けるからな」
「こんなうすっぺらいん、パンとちゃうで?!うまいんか、これ」
ガルが文句を言うが、ステフは全く気にもしていない。そんなステフの前にムサシがやってきて小声で言う。
「てっきり逃げるもんだと思ってたが、どういう心境の変化だい?俺の言葉、聞いてたんだろ?」
「・・・逃げ損ねたんだよ。でも、仲間になる気はねぇからな!」
ステフが憮然と言い返す。ムサシは苦笑した。

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ああ、長かった!2時間もかかっちゃったよ。でもまぁ、これで晩飯の借りはかえしたぞっと!
しかし、気乗りがしないくせになにやっとんじゃ?こいつわ。

朝ご飯、そして。 投稿者:シリン=ダー(みねの) 投稿日:2000/03/16(Thu) 14:10

「えー、仲間になってくれないんですかー?」
 ステフの言葉に、耳までしょんぼりするシリン。しかも両目がうるうるしている。
「うっ……!」
 ステフははっきり言ってこんな目をする奴は苦手だった。ムサシやガルだったら冷たくはねつけられるのだが、シリンに対してはどうしてもそんな意欲がしぼんでしまう。
「こらこらシリン、あまりステフに無理を言っちゃいけないよ。とにかくメシにしよう」
「はい〜〜〜」
 ステフの作った香草パンは予想以上の美味だった。あれほど文句を言っていたガルも、うまいうまいと連発していた。
「すごいですねー、ステフさんこういうのが作れるんですねー。あたし料理は全然駄目で……」
「……お前、とことんまで役立たずなんだな」
「ステフ!」
 ステフの毒舌をジンクがたしなめたが、当のシリンは全く気にしていないようである。
「今度教えてくださいねー、ステフさん」
「だから俺は仲間にはならないって――」
「んっ?」
 その時、また近くの茂みがガサガサと言い、何かが四人の前に飛び出してきた。ハーフリングとエルフと猫を足して3.14で割ったような姿をしている子供だった。
「きゃーっ、可愛いです〜!ガルさん何ですかこれ」
 彼を一目見るなり、シリンが飛びつく。
「おっ、グレムリンやな。ちぃと悪戯がすぎるけど、人間襲ったりはせぇへん」
「こいつ、もしかしてパンを焼く匂いに惹かれて来たのか?」
「グレムリンさん、御飯欲しいんですかー?」
 シリンが訊ねると、驚くべき事にグレムリンは人間の言葉で「うん!」と言った。
「こ、こいつ人間の言葉をしゃべれるんか!?」
「あれー、何で驚いてるんですかー?……どうです?おいしいでしょうグレムリンさん」
 中で一番驚きそうなシリンは平然としている。まだ手を付けていない自分のパンをグレムリンに与えていた。
「おねぇちゃんありがとう!」
「こっちも食べますか〜?昨日の晩ご飯の残りなんですけどぉ」
 シリンはすっかりグレムリンの子供に夢中になっている。このままでは自分の朝食を全部彼に与えかねない。
「ほらシリン、君もちゃんと朝飯は食わないと。グレムリン君のぶんはこっち」
 見かねたムサシが、グレムリン用に朝食の少し余ったぶんを出してやった。それで漸く、シリンは自分の食事を再開した。
「グレムリンさん、お名前は何ですか?」
「マイナリス=グリムだよ。みんなマイナって呼ぶけど」
 グレムリン――実はハッカーのマイナは、普通ならこんなに簡単に名前を明かしたりはしないのだが、極度の空腹の後のご馳走にいつも働かせている警戒心をすっかり無くしてしまっていた。それに、非空腹時にシリンを見たら格好のからかいの的として悪戯を仕掛けているのだが。
「あいつ、変だな」
 シリンとマイナの様子を見ていたステフが、誰にともなく呟いた。
「グレムリンは高度な知能を持つクリーチャーだが、それでも言語体系は人間のとは似ても似つかぬやつだったはずだ……」
 しかしマイナは、まるで冒険者のように振る舞っている。当然、グレムリンは冒険者の種族としては設定できない。
「あいつ一体何者なんだ――」

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